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4歓迎
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辿り着いたケルドニア国の城を見上げ、私は開いた口が塞がらなかった。
国境からはただの岩山にしか見えなかったのだけど、反対側に回ると城の全貌が露になる。黒を基調としたながらも、さながら中世ヨーロッパの建物のような気品が見える佇まいは息を飲むほど美しい。
促されるままに中へと足を踏み入れると、待ち構えていたらしい侍女たちに取り囲まれた。
彼女たちは私を案内してきたコルドアと同じく、人間とさほど変わらない姿をしている。しかし、顔にも鱗がある者や、尻尾がある者がほとんどだった。
「殿下の指示ですの。人間の姫様に恐怖心を与えぬように、と」
私の視線に気付いてか、侍女の一人が教えてくれた。
ジオラスと同じくケルドニアにも魔法はある。しかし、魔力を持つのは王の血筋くらいで、彼女たちは魔力はないそうだ。
しかし、王の魔力で満たされたこの王城内であれば、本来は私が背に乗った竜同様の姿を人間に近い姿に変えられるらしい。とはいえ普段は体の大きさが人間くらいになるだけで、顔などは竜のままなのだそうだ。
「さぁ、お召し物をこちらへ。私どもがお手伝い致します」
エリザから渡された落ち着いた色合いのシンプルなドレスを脱がされ、着せられたのは白いドレス。ところどころにキラキラしたビーズのようなものと背中の大きく開いたデザインに、私は戸惑ってしまう。
こんなドレスを着せられて、食べるときに邪魔ではないのだろうか。なんて考える私をよそに、侍女たちは私を大きな扉の前まで連れてきた。ギィ、という重い音を立て開いた扉の向こうに、たくさんの人影が見える。
「これはこれは……」
「なんとまぁ……」
それぞれ、人間に近い体躯をしてはいるが、その顔はさまざま。猫だったり狼だったり、爬虫類だったり。そのことから、魔族と呼ばれる種族が集まっているのだろうと予測された。
私の登場に対し、彼らは割れんばかりの拍手をしながら私に道を開けてくれる。侍女に促されるまま、人垣を進むと三段ほど高い位置に立つ二人の人物に行き当たった。
一人は胸元がパックリ開いたセクシーなドレスを身にまとった女性。そしてもう一人は所在なさげに佇む、青を基調とした服を身にまとった男性。そのどちらも他の誰とも違う、緑の髪をしていることから、恐らく血縁者なのだろうと推察した。
「遠路はるばるご苦労。我が名はクローディア。ケルドニアの女王だ」
私に手を差し伸べ、壇上に引き上げながら女性が続ける。
「これは愚弟のクライスだ」
クローディアの横に立つ男性は、ハッとして慌てて一礼した。私も思わず一礼しかけたけれど、クローディアに両肩を掴まれ、くるりと体の向きを変えられる。
「今日は和平の証として人間の姫が魔族の仲間入りを果たす特別な日。此度はこの竜族に姫を迎えることとなる。皆、花嫁を暖かく迎えてやって欲しい」
高らかなクローディアの言葉に、会場に集まる魔族の面々は口々に祝いの言葉を述べる。惜しみ無い拍手を聞きながら、予想していたのとはまるで違う歓迎ムードに私はただ唖然としていた。
国境からはただの岩山にしか見えなかったのだけど、反対側に回ると城の全貌が露になる。黒を基調としたながらも、さながら中世ヨーロッパの建物のような気品が見える佇まいは息を飲むほど美しい。
促されるままに中へと足を踏み入れると、待ち構えていたらしい侍女たちに取り囲まれた。
彼女たちは私を案内してきたコルドアと同じく、人間とさほど変わらない姿をしている。しかし、顔にも鱗がある者や、尻尾がある者がほとんどだった。
「殿下の指示ですの。人間の姫様に恐怖心を与えぬように、と」
私の視線に気付いてか、侍女の一人が教えてくれた。
ジオラスと同じくケルドニアにも魔法はある。しかし、魔力を持つのは王の血筋くらいで、彼女たちは魔力はないそうだ。
しかし、王の魔力で満たされたこの王城内であれば、本来は私が背に乗った竜同様の姿を人間に近い姿に変えられるらしい。とはいえ普段は体の大きさが人間くらいになるだけで、顔などは竜のままなのだそうだ。
「さぁ、お召し物をこちらへ。私どもがお手伝い致します」
エリザから渡された落ち着いた色合いのシンプルなドレスを脱がされ、着せられたのは白いドレス。ところどころにキラキラしたビーズのようなものと背中の大きく開いたデザインに、私は戸惑ってしまう。
こんなドレスを着せられて、食べるときに邪魔ではないのだろうか。なんて考える私をよそに、侍女たちは私を大きな扉の前まで連れてきた。ギィ、という重い音を立て開いた扉の向こうに、たくさんの人影が見える。
「これはこれは……」
「なんとまぁ……」
それぞれ、人間に近い体躯をしてはいるが、その顔はさまざま。猫だったり狼だったり、爬虫類だったり。そのことから、魔族と呼ばれる種族が集まっているのだろうと予測された。
私の登場に対し、彼らは割れんばかりの拍手をしながら私に道を開けてくれる。侍女に促されるまま、人垣を進むと三段ほど高い位置に立つ二人の人物に行き当たった。
一人は胸元がパックリ開いたセクシーなドレスを身にまとった女性。そしてもう一人は所在なさげに佇む、青を基調とした服を身にまとった男性。そのどちらも他の誰とも違う、緑の髪をしていることから、恐らく血縁者なのだろうと推察した。
「遠路はるばるご苦労。我が名はクローディア。ケルドニアの女王だ」
私に手を差し伸べ、壇上に引き上げながら女性が続ける。
「これは愚弟のクライスだ」
クローディアの横に立つ男性は、ハッとして慌てて一礼した。私も思わず一礼しかけたけれど、クローディアに両肩を掴まれ、くるりと体の向きを変えられる。
「今日は和平の証として人間の姫が魔族の仲間入りを果たす特別な日。此度はこの竜族に姫を迎えることとなる。皆、花嫁を暖かく迎えてやって欲しい」
高らかなクローディアの言葉に、会場に集まる魔族の面々は口々に祝いの言葉を述べる。惜しみ無い拍手を聞きながら、予想していたのとはまるで違う歓迎ムードに私はただ唖然としていた。
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面白いので是非、続きが読みたいです!!
感想、ありがとうございます!
執筆止まっていて申し訳ありません。
こちら、現在少し書き直しをしているところです。
まだ公開時期は未定ですが、お楽しみいただけるよう、頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!