我々、いじめ撲殺委員会でございます

☆甘宮リンゴ☆

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我々、いじめ撲殺委員会でございます

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日本中のエリートが集まるエリート高校【天命高校】
今日もエリート中のエリートが集まる【いじめ撲殺委員会】では、緊急の議論が行われていた。

「ですから、2年7組の容疑者T.Sさんとその他取り巻きのみなさんが、3階東男子トイレにて、1年4組の被害者I.Nさんを、和式トイレに顔を押し付ける等の行為を行ったとされています。」
委員会書記のまるメガネは、プリントに印刷された内容を淡々と話した。
「なるほど、それで、その証言をした者は。」
委員会委員長のおさげが言った。
「はい、I.Nさん本人。それと、親友のY.Eさんです。」
委員会書記のおかっぱ頭が証言した。
「なるほど、それで、I.Nは委員会を知っているか?」
「いいえ、知りえません。ですので、勧誘等も必要になります。」
委員会実行長の胸デカ女が言った。
「それでは、本日の議題『2年から1年へのいじめ問題』について、結論を。」
委員会副委員長の出っ歯が委員長に言った。
有罪ギルティ。撲殺委員会に、撲殺命令をだす。書記は、撲殺係の選出を。」
「はい、既に適任者を選出しております。1年5組のO.Mさんです。」
「確認しました。相手は他校とも喧嘩をするので、精神撲殺方法でやるように。」















あぁ、また今日も武田先輩に殴られる…。
昨日は和式トイレに顔を突っ込まされた。
その前はサンドバックにされたり…。
今日もいつものようにお金を巻き上げられるんだろうな…。
はぁ……。

「武田先輩、今日も来まし…た?」
いつものように、放課後体育館裏に行くと、武田先輩と取り巻きのDQNがいたが、もう一人、女子生徒がいた。
「なんなんだよ、別に俺らは伊藤くんとお友達だから遊んでるだけだし。なんで撲殺委員会が出てくるんだあ!?」
ぼ、撲殺委員会?
入学してから半年経つけど、撲殺委員会なんて聞いたことなかった。
ひ、非公式なのかな?
「我々いじめ撲殺委員会は、議論にてあなた方を撲殺処分する事に決まりました。訴えるならどうぞ御自由に。生徒会には報告済みです。」
生徒会に報告…って事は、非公式ではないようだ。
「くっそ、1年のクセに生意気にいい子ぶりやがって。それでぇ?普段ろくに活動しない委員会様が、俺らを撲殺するってか?やってみろよ。」
あの子、1年なんだ。
あぁ、取り巻きのDQN共が彼女を囲んだ。
ここから集団リンチが始まるんだ…。
「委員会の命令は絶対です。それに、あなた方には喧嘩よりツラいお仕置きを行わなければならないのですが…。はぁ、仕方ありませんね。」
彼女がため息をつくと、DQN共の前で不動の構えをとる。
大変だ!このままじゃ彼女は殴られる!
「へっ、なかなか可愛い子だしな。お前ら!あんまり傷を付けるなよ!」
武田先輩の一言で、DQN共が彼女に向かって殴りかかろうとする。
「あなた方こそ、舐めていませんか?我々撲殺委員会。仕事は必ずこなします。」

DQNの一人が彼女に右ストレートをだす。
だが、それは彼女に当たらず空を切る。
「!??」
次の瞬間、DQNが体をへの字に曲げて宙を舞った。
「!?なっ、てめぇ!」
怒ったDQNが彼女に殴りかかる。
が、それはまた当たらず、風切り音がした。
そしてそのDQNは、泡を吹いてそのまま倒れた。
彼女が、あまりにも早く避け、反撃までしたのだ。
泡を吹いたのも、おそらく手刀を首にくらったのだろう。
次々と襲いかかるDQN共を、呆れたような顔で避けては倒している。
すごい。これが、撲殺委員会…。
「武田さん!こいつ、強い。」
「はっ、なさけねーな。どけ!俺がやってやらぁ!」
空き箱に座って見物していた武田先輩が立ち上がった。
もうだめだ。彼女が危ない!
「武田先輩!お待たせしました!今日の分で…。」
彼女を助ける為に先輩に駆け寄ろうとした所を先輩が制する。
「よぉ、伊藤くんよぉ。この女ぶっ殺したら、お前に聞きたいことがたーくさんあるんだ。ちょーっと待ってろ。な?逃げんなよ?」
「は、はい…。」
ダメだ、怖くて何も言えない…。
武田先輩が錆付いた鉄パイプを持つ。
お願いします。逃げて!
「うちのやつらをさんざん弄んだな~。この喧嘩、高くつくぜ!」
先輩が勢いよく鉄パイプを振りかざした。
が、僅かに動いた彼女に当たることは無い。
「て、てんめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
よけられて怒った先輩が更に鉄パイプを振る。
なのに。
「くそっ、くそっ!なんで当たらねー!」
彼女はただずっと避けている。
先輩が振る鉄パイプの風切り音だけが響く。
な、なんてキレイに避けるんだ…。
「なんだよ!なぜ反撃してこねー!」
「あなたのごときの攻撃など、避けるのも容易いです。ましてや、呆れ返って反撃する気力もありません。」
「くっ………そこのあまぁ!」
彼女は体を揺らして攻撃をひたすら避けている。
先輩は顔を真っ赤にしながら鉄パイプを当てようと躍起になっている。
喧嘩強い武田先輩が、こんな顔するなんて。

やがて10分ほど舞を見ていた。
そして、先輩がもう何度目か分からないくらい鉄パイプを振った瞬間、突然先輩が前のめりに倒れた。
体力切れだろうか。
倒れた先輩は起き上がってこないまま、ピクピクと腕を痙攣させている。
しばらく見下していた彼女が、スカートを押さえながらしゃがみ込んで先輩に囁いた。
「この辺で負け知らずのあなたには、敗北という罰がぴったりでしょう。ましてや、己の体力切れで倒れたなんて、屈辱的だと思いませんか?」
嘲るように、彼女がそっと微笑んだ。
周りのDQN共も、大半が腰を抜かしている。
すると、彼女が立ち上がって、DQN共を見下して。
「あなた方の処分は後日行います。今日はその人を連れて帰りなさい。」
「ヒィィ、は、はいぃ!!」
DQN共が倒れている仲間を担いでそそくさと立ち去った。
目の前の出来事を、僕はまだよく飲み込めていない。
でも、蝶のように舞い、蜂のように刺す。
彼女をとても美しいと感じた。
「さて、伊藤夏海くん。あなたに選択肢があります。」
「えっ?ぼ、僕にですか?」
急に振り返ってきて、いったいなんだろう?
「あなたはいじめ撲殺委員会をご存知無いようでしたので、このままですと、あなたも撲殺処分する事になります。」
えぇっ!?僕も、撲殺される!??
「そんな、僕は見ていただけです!何もしていないのに…。」
「ですから、あなたに選択肢があります。このまま撲殺処分されますか、それとも。」
「そ、それとも?」
「いじめ撲殺委員会にあなたも入会するか。です。」
「にゅ、入会…ですか?僕には、あのような事出来ませんが…。」
「もちろん、私のように直接処分に関わる役割もありますが、いじめを告発するだけでも充分な仕事があります。あなたにも、誰かを救えるのです。」
「…僕にも、誰かを救える?」
「先程お助けしたのも、委員会会議にて議題となり、ご友人の山本悦司さんからの証言もありましたので、結論として、彼らの撲殺処分になりました。山本さんも、いじめ撲殺委員会の一員です。」
そ、そうだったんだ、知らなかったな。
というか、山本も委員会に入ってたんだな。
「では、改めて問います。このまま撲殺処分されますか?それとも、委員会に入会しますか?」
答えはもちろん決まっている。
このまま撲殺されるより、生きて、誰かを救えるなら。
「入ります!僕も、いじめは許されない行為だと思っています!それは、身をもって感じています!」
その一言を言っただけなのに、とても体が軽くなった気がした。
「了承しました。今日からあなたも、我々撲殺委員会の一員です。」
やった!これで、僕も誰かを救えるぞ!















「さて、I.Nさんは入会されました。残りの取り巻きの処分は、別の人に任せよ。」
放課後の5階多目的室。
集まった5人の男女こそ、いじめ撲殺委員会の役員生だ。
「記録係は、今回の報告を。」
委員長が言う。
「はい、報告します。今回、撲殺処分を任された『1年5組のO.M』こと、尾上恵実さんには、処分の実行、入会者の増員という功績を上げました。よって、撲殺係二ツ星の昇格資格を得ました。」
記録係の黒髪ロングが言う。
「また、今回入会されましたI.Nさんこと伊藤夏海さんは、スペックにより告発係が適任と判断されました。よって、彼を告発係に配属させます。」
「報告を確認しました。それでは、書記の方は今回の洗脳係の選出を。」
「はい、3年1組のA,Rさんです。」
「2年7組のT.Sとその取り巻きに、今回の事と、喧嘩をする事を忘れさせなさい。また、I.Nさんには警告を。」
「了解しました。」
「これにて、本日の報告会を終了する。明日の議題は、『3年女子集団いじめ問題』とする。各自証人、報告書の準備をするように。」
委員長の言葉により、今日の委員会会議は終了した。















今日もまた、【いじめ撲殺委員会】が動いたか…。
やはりクセ者揃いな分、洗脳させて従わせるしか無理なのかな…。
ここ【天命高校】は、エリート中のエリートが集まる。
と、
青少年犯罪者とか問題児を集めた高校なんだよな。
まぁ、圧倒的に不良とか不登校児が多いんだけど。
特に、【いじめ撲殺委員会】のになってる奴らは。
殺人までした重犯罪者だし。
いつかちゃんと殺さないとな…。
委員長をやらせているの安全も保証出来ているとは限らない。
やはり、早急に手を打たねばな……。















日本中の犯罪児エリートが集まる【天命高校】
今日もエリート中のエリート達による【いじめ撲殺委員会】の会議が行われていた…。
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