シャム猫

大器晩成らしい

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支度を整え洗面所から出ると、それと入れ替わるように、紫艶が入っていった。

朝が弱いのか、時々紫艶は、二度寝しちゃうんだよね。

だから、遅刻しないよう、ある程度の時間になっても食堂に来ない場合、電話を入れて、起こしてあげるようにしている。

さすがに今日は、ジョエルに起こされて、しっかり目が覚めたみたい。

パジャマ代わりとして着ていた服とハブラシセットを、鞄の中に仕舞い、入れ忘れはないと思う。

ご飯を食べ終わった後の歯磨きは、洗面台においてあるアメニティグッズを使えばいいやと思って、ピーチフレーバーの方が好きだから使いたいけど、置き忘れて帰りそうだから、先に仕舞っておいた。

コンコン

「朝食をお持ちしました」

「は~い、今開けま~す」

扉を開けると、三段の重箱を持った人と、ポットと湯飲みを持った人が部屋へ入ってきて、窓側に設置されている、テーブルの上にそれらを置いた。

「食べ終わりましたら、廊下に台を置いておりますので、そちらにお願いします」

「「では、どうぞ、ごゆっくり」」

「ありがとうございます」

パタン

「ポットの中身なんだろう?」

湯飲みに少し注いでみる。

「緑茶だ。ジョエルも飲む?」

「ああ、貰う」

湯飲みに注いでジョエルに渡し、紫艶に声をかけた。

「紫艶、ご飯が来たよ~」

「もうすぐ出るけど、先に食べてて」

「うん、分かった。先に頂いてるね~」

重箱の1番上を、紫艶の所に置いて、2段目と3段目を自分とジョエルの所に広げた。

中には、山菜おこわと筑前煮、焼き鮭、金平ごぼうに出汁巻き玉子・・・おいしそう。

湯飲みにお茶を注ぎ足して、食べ始めたけど、一人分が多いから、食べきれそうにない。

ジョエルと、後から食べ始めた紫艶が先に完食してたから、まだ食べられるのかを聞いて、手伝って貰った。

・・・お腹いっぱい。

二人とも、凄いよ。

大食いチャレンジメニュー、クリアできるんじゃないか?

早食いだし。

空になった重箱と、ポットや湯のみを、廊下に置いてあった台の上に置いてきてから、歯磨きを済ませ、ロビーに集合する10分前まで、ローカル番組を見ながら、時間を潰した。

来年はどこに行きたい?って聞かれ、なるべく観光客が来ないような所がいいなぁって思った。

まぁ、そんな所、つまらないだろうから、口にしなかったけどね。

とりあえず、学園の外に行く時は、周りの皆に、白雪って呼ぶように徹底しておこう。

・・・いやっ、待てよ?

普段も、白雪って呼んでもらおうかな?

その方が、安牌だよね。


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