シャム猫

大器晩成らしい

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「起立、礼」

「「「「「おはようございます」」」」」

「はい、おはよう。出欠を確認する。返事をしろ・ ・ ・雪原」

「はい」

「よしっ、全員揃ってるな・・・」


今朝は教室に来るまでに、かなりの時間がかかった。

朝からお疲れモードだ。

何故か、同学年の生徒もそうだけど、他の学年の先輩達にも、俺が先週寝込んでいたのを知られていて、たくさん声をかけられていた。


「先週、熱出したんだって?」

「もういいのか?」

「大丈夫か?」

「無理するなよ?」

「抱っこして行ってやろうか?」←?

「心配してくれて、ありがとうございます。もう大丈夫です。ですので抱っこも結構です」

「残念」

「「「(残念なのは、お前の頭だ!)」」」


そんな会話を、延々とリピートしながら、ギリギリだったけど、どうにか時間までに教室に辿り着いていた。

親しい人とか、クラスの人とかならまだ解かるけど、全然知らない人達から、本気で心配されている事に、嬉しいけど、何故?って思うのが強くて、困惑する。

休み時間になって、疾風と森羅に愚痴ったら、

「「・・・大変だな」」

「まぁ、今日だけだろ、きっと」

って言って、頭を撫でられた。

「そう言えば、湖箔は何にするんだ?」

「何が?」

「林間学校の体験学習」

「う~ん、明日までに決めるんだよね。二人はもう決めたの?」

「まだ決めてない」

「俺も」

「陶芸とわらじを編むのと、木工と銅板加工から選ぶんだよね?」

「七宝焼きもある」

「そうだな「あっ、言うのちょっと待った」」

「声に出さず、これに頭文字だけ書いて」 

そっとノートを出された。

・・何故?

「湖箔が選んだやつは、倍率が高くなる」

「そんな事ないだろ」

「「いや、ある」」

「「皆、聞き耳を立ててるからな」」

「大げさだな」

「(周り見てみろ)」

小声で疾風が言ってきて、呆れながらも周囲を見回すと、目を合わせないようにか、さっと横を向いたり、下を向いたり。

マジか・・・





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