シャム猫

大器晩成らしい

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う~、怖いよぉ~

「森羅、どのくらい進んだ?」

「半分くらい」

「・・・まだ、半分もあるの?」

もう、充分なのにぃ。

そういえば、大輝もA組の学級委員長も、まだ見かけていないな・・・

どこに隠れているんだ?


「次、どこ?」

「理科室とその準備室。・・・隣の校舎に渡る必要があるな」

「トイレの次に嫌な場所だ。疾風は平気?」

「平気じゃない。森羅がいて良かったよ」

「本当にね」

俺はもう完全に、森羅に抱きついてるし、疾風は疾風で、俺の肩に手をのせ距離を詰めているからな。

ここ、脅かす役がいなくても、充分怖ぇよ。

校舎内が、いい感じに、荒らされてるし。

「森羅、ごめん。絶対歩き辛いよね?」

「フッ、気にするな」


渡り廊下を歩いていると、微かにピアノの音が聞こえて来た。

誰だか知らないけど、内の生徒が弾いてるって判ってるから、まだいい。

そうじゃなきゃ、絶叫しながら、逃げ出してるね。


隣の校舎の中に入り、視聴覚室、家庭科室を通り過ぎる。

「ここだ。・・・開けていいか?」

コクコク

「「OK」」

バンッ

「・・・・・・何もないな。という事は、隣の資料室か」

棚の中は空っぽだ。

薬品とか、廃校になるといっても、危ないから、放置なんてしておかないよな。

アルコールランプとか、そういう備品も無い。

「開けるぞ」

「うん」

理科室の内扉から、資料室へ。

う~わ~

人体模型とかは、なかったけど、蛙とか、何かの内臓のホルマリン漬けが置かれていた。

どっかの学校に寄贈しとけよ~

気持ち悪い。

鳥肌が立った。

「ないな?」

テーブルの上に、置いてあると思ったのに、見当たらない。

「ここが、チェックポイントなんでしょ?」

「あっ、あった」

ホルマリン漬けの、瓶と瓶の間に置いてあったのを、疾風が発見。

そんな所に置いたのは、誰だ?

意地が悪い。

さっさと所定の位置に押印し、判は元の場所へときちんと戻し、その場を後にした。

テーブルの上に置いてあげる様な、優しさは、残念ながら、持ち合わせてはいない。

だってねぇ、皆も同じ目に遭って貰わないと。



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