シャム猫

大器晩成らしい

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「「「「「ありがとうございました」」」」」

でき上がった菓子の器の裏にA湖箔と書き、講師に預けた。

乾燥→素焼き→色付けをする→釉薬を掛ける→本焼きの工程は、講師がしてくれる。

一月程かかるらしいが、後は、学園に送られてくるのを待つだけだ。

わらじ作りも多少興味はあったけど、どうせなら使える物がいい。

この二つを選んで、正解だったと思う。


紫艶に、〝またね〟って言ってバスに乗り、大○山青少年自然の家へ。

夕飯を食べたら、後はお風呂に入って寝るだけ。

「疲れた」

「同じく」

「俺も」

部屋に戻り、ベッドにどかっと腰を下ろした。

上に上がるのが面倒だったから、俺も森羅のベッドに座らせてもらった。

「夕食何だろ」

「あっさりしたのが食べたい」

「俺も」

森羅は和食派、疾風は洋食、俺は疲れた時は和食だな。

普段は洋食がいい。

ここは山だけあって、山の幸を使った料理が多い。


「桜花繚乱学園の皆様、お食事の用意が整いました。食堂までお越し下さい」

「行くか」

動くのはだるい。

でも、それなりに、お腹は空いてる。

森羅に促がされ、重たい腰を上げて、部屋を出た。


食堂へ行くと、座る場所が決められていた。

「学年主任のありがたいお話を訊いてから、食事だから。席に着いたら、食べないで待ってて」

締め括りの話でもするのか?

明日は、朝食を摂った後、使った部屋の清掃をして、ベッドのシーツや枕カバーを外し、廊下に出しておくんだったよな?確か。

で、その後、バスに乗って学園に戻る予定だった筈。

話をするのなら、今しかないのか?

でも、食事の前に長話はキツイな。

何の話をするか知らないけど、さっさと終わらせて欲しい。

受付で座席表を見て、自分の席に座る。

目の前には一人用鍋、中はすき焼きのようだ。

他は、釜飯と焼き魚と茶碗蒸しと味噌汁。

鍋の下を覗くと、水色の固形燃料が置いてあった。

そして、テーブルの真ん中にはチャッカ○ンが置いてある。

自分で、点火するのか?

火を着けていいのか迷っていると、疾風がさっと手にし、皆のに次々と火を着けていった。

「「ありがと」」

「どう致しまして」

皆が揃う頃には、燃料も尽きて、すき焼きのいい匂いが漂っていた。








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