シャム猫

大器晩成らしい

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机の上に物を広げっ放しだけど、戻ってから、片付ければいいか。

「そろそろ、食堂に行く?」

「ん~、その前に」

そっと手を伸ばしてきたから、自分の方から近寄り、ジョエルの腕の中に囚われにいった。

降ってくるKISSを受け止め、薄く唇を開いて、舌を覗かせ、中へとジョエルを誘う。

口を割り開きながら入ってくる肉厚の舌に、自分の舌を添わせ、ジョエルの求めるままに、深く絡ませあった。

言葉にしなくても、情熱的な口付けが、俺が好きと、愛してると、欲しいと、離したくないと告げているようで、脳がくらくらする。

嬉しくて・・・自分からは、止められそうに無い。

ジョエルの腕に抱き竦められ、その締め付けにも、喜んで、身を委ねた。


コンコン

扉がノックされるまで、時間の事なんて、頭の中からすっかりと抜け落ちていた。

「残念、時間切れか」

「ん」

惜しみながらも、唇を離し、火照る頬を両手で押さえながら、呼吸を整え、廊下に聞こえるよう、〝今行く〟と声を出した。

結局、口をつけなかった、自分の分のペットボトルを、冷蔵庫に仕舞いに行ったついでに、冷凍庫の中の保冷材で、軽く顔を冷やし、部屋の鍵を手に、ジョエルと共に部屋を出た。





ー・-・-・おまけ・-・-・-


頼んでもいないのに、紅極の友達を介した、届け物は、その後も何回か続いた。

初めの内は、着替えも必要かと、ありがたく受け取っていたが、気付いたら、自分のクローゼットの大半を、女物の服や小物で埋め尽くされているのを見て、ヤバイと感じ始めた。

絶対に、友達には見せられない。

これはもう、女装趣味を疑われるレベル。

『紅極兄、服とか、これ以上、送ってこられると、困る。入れる場所がないから、もう、送ってこないで』

ポチポチっと、とりあえず、これ以上送ってこないよう、紅極兄にメールを打つのだった。





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