泉の聖

大器晩成らしい

文字の大きさ
上 下
13 / 61

13

しおりを挟む
これは、心を鬼にしてでも、帰らないと。

同情で、こんな所に何百年か判らない期間、拘束されたくない。

退屈で死んでしまう。

いやっ、正確には、死にたくなる。だ。

不死らしいからね。

くるっと、回れ右して、真ん中の浮き島に目を向ける。

「!!!!!!!」

えっ、うっ嘘!!

サー と、血の気が下がるのを初めて経験した。

ダッシュで島まで渡り、手を横に大きく振りながら、諦め悪く、宙を何度も確かめる。


門が、消えている。


洞窟への入り口が・・・


どういう事だ?

きっと、今の私の顔は、般若のようになっている事だろう。

狼の方を見ると、土下座をしていた。

それはいいからっ。

とっとと顔を上げて説明しろっ!!


「いやっ、私にも何がなにやら。でも途中、なんか門が薄くなってくな~、なんて思っていたら、いつのまにか完全に消えてしまって。はて?どうしてかな~?」

いやっ、わざとらしい。

薄くなったの何時だよ!!


・・・回想・・・

フッ ファサ

??今、口角が上がって、尻尾がちょっと動いた?

面白いとこなかったよね。

いや、楽しそうというより、にやっ、て感じだったような?

してやったりって感じだったような?

・・・回想終了・・・


あの時かー
しおりを挟む

処理中です...