泉の聖

大器晩成らしい

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世界観としては、やっぱり的な中性ヨーロッパ。

但し、魔法はないらしい。

マジか。

よって、医療も、薬草を煎じて飲むとか、磨り潰して塗るとかで、跡形も無くなるものはないらしい。

聖様が、街で治療してくれたら、どれ程の民が助かるかと言われたが、無理なのだ。

良くも、悪くも、私はこの聖域からは出られない。

安全面は確保されているが、自由は無い。

私だけが使える魔法・・・ちょっと考えただけで、騒動に巻き込まれる未来しかないのが判る。

良かった、聖域にいて、安全第一、命大事。

不老不死だけど。

喋る狼がいて、見たことは無いけど神もいると言うから、勝手にロールプレイングの様なファンタジー世界だと思っていたけど、違うようだ。

「初めて拝見しました。話が出来る動物は聖獣様だけです。」

以前、ヴォルフが言っていたのを、思い出した。

そりゃ崇められるわ。

ん?もしかして、エルフとかドワーフとか獣人とかいなかったり?

「それは、どの様なものでしょう?」


お互い話し合った結果、そういう種族はいないのが、分かった。

不思議生物は、私を含め、この周辺にしかいないらしい。

・・・そうか、いないのか、、、残念。

あまりにもがっくりしているのが不憫に思ったのか、私もヴォルフも、この世界にオンリーワンの凄い存在なのですよ、と一生懸命に慰めてくれた。

空気の読める、出来た子や。

なんで、こんな目にあっていたのか、不思議でしょうがない。
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