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ローガレン龍国 龍王 ギルデガルド

何故に?

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私は今 ありえない事態に直面している


夕餉はいつもの如く ギルデガルドの膝の上で給餌を受けた

部屋に戻ってからは マリーナの入浴の世話とマッサージを受け

侍女達に 髪の手入れをされながら 出された飲み物を飲んでいた

よってたかって お姫様のように扱われ これ 自分の事 何も出来なくなるんじゃ と遠い目をする

いつものこの流れだと 次は ベッドに入って眠くなるまで 借りた本を読んでいた


がっ しかし 何故こうなった

マリーナの手引きにより 寝室にギルデガルドがご入場

マリーナ公認の夜這いか?

朝 起きたら隣にシャルドネードが!!

という事はあったが 今 ばっちり意識あるからね!

目 開いてるの 判るよね!

この状態で 一緒のベッドで眠らせる気か?

GOサイン 出したの?

マリーナは 役目は終わったとばかりにご退場


Oh~ My God!


ギルデガルドは傍まで来ると ベッドに腰掛け上体を捻り 私の頬に手を添えた

静まれ 静まれと思うけど 胸のドキドキが治まらない

 「未婚の女性の寝室に こんな時間に入るのは非常識なのは知っている だが どうしても 抱き締めていたい できれば この先もずっと 俺だけにその権利を与えて欲しい・・・俺だけに」

眉根を寄せて 苦悩しているかのような表情で告げられた

 「・・・でも・・・一緒に寝るのは 恥ずかしい・・・」

どうにかして 傷つけずに やんわり断われないか プチパニックの状態で 捻り出した答えが こんなのしかない自分にがっかりだ

 「手は出さないと約束する 共にいさせてくれ・・・ 百合愛」

ベッドの上に片足乗り上げ 私を腕の中に抱き込むと 返事を待たずに 私の唇にKISSを落とした


これは 手を出している中に入らないのだろうか?

充分 手を出されていると感じているのは 私だけ?

手出しの範囲を知りたい

猛烈に!!


どんどん深まる口付けに翻弄されていて 気付いたら ギルデガルドの上に 横抱きで座らされていた

Oh イリュージョン・・・

ベッドへの侵入を 簡単に許してしまっている

貞操の危機に 絶対寝ないと思っていたけれど ギルデガルドのあたたかい温もりに包まれているうちに いつの間にか眠りに沈んでいた


* 百合愛の恋愛面における危機管理能力は 残念な事にとてつもなく低かった
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