母娘淫乱調教―レモンティーな朝焼け―

山田さとし

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第三部 「レイプされる母」

第十六章2 視線

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「ほほぅ・・・?」
男は悪びれる訳でもなく傲慢な態度を正そうともしない。
ソファーに座りなおすとタバコに火をつけた。

「そうですか・・それはそれは・・・」

何かを思い出すように笑みを浮かべながら煙をくゆらせている。
怒りが頂点に達しようとしていた。

「出て行ってっ・・・」
言えなかったものが口に出せると、堰を切ったように想いを吐き出すのだった。

「あ、あなたなんて大嫌いっ・・・
二度と家に来ないでっ・・・」

大声で叫んだ後も腰に手を当てて身構えている。
荒い息が漏れそうになるのを我慢して精一杯平静を装うのだが、身体の中で爆発が何度も起こっているように興奮が膨れ上がっていく。

「夫は私を愛していますっ・・・」
トドメを刺した積りで宣言した言葉は、自分に言い聞かせる意味もあった。

(こんな奴の言う事なんか・・全部でたらめよっ)
一瞬でも夫を疑う事が、目の前の男がしかける卑劣な罠だと本能的に感じていた。

短い沈黙が続いた。
わずか数秒間ではあったが、香奈子は勝利を確信したのだった。
明確な意思表示をされた以上、男は帰らねばならない。
まだいるというのなら警察に連絡するつもりだった。
いくら夫の古い友人とはいえ、許されるべきものではないし、晴彦も同じように怒ってくれるだろうと思った。
所詮、矢島家と付き合えるレベルの男ではないのだ。
だが男は臆する様子もなく低い声で呟いた。

「じゃあ、毎日ようにセックスをしているというのかな・・・?」

一瞬の心の隙間をつかれたような問いに、香奈子は絶句してしまった。

「俺なんか一日でも女を抱かなけりゃあ、眠れないたちでね。
普通の男なら週一というわけにはいかない・・・
まして奥さんみたいな美人と一緒なんだ、少なくとも三日に一度は・・・」

突然飛んだ平手打ちが、言葉を途切れさせた。
竹内の大きな顔が横を向いて、銀縁のメガネがずれて落ちそうになっている。

「はぁっ・・はぁっ・・はぁっ・・・」
目を真っ赤に充血させて睨みつける香奈子は肩で息をしていた。

「フフフ・・・」
竹内は動じる気配も無く、メガネを外すとテーブルにそっと置いた。

「別に恥じる事もない・・・」

低い声の呟きが不気味に響いた。
目を細めた視線がギロリと突き刺さる。
長年のヤクザな暮しが普通の男では持ち得ない迫力を竹内に与えていた。

「あぁっ・・・」

男が立ち上がると香奈子は尻餅をつくようにソファーに腰を下ろした。
香奈子の顔が急に怯えた表情に変わっている。

「していないなら言い訳なんかしないで堂々としてればいいんだ・・・」

見上げる男はただでさえ大きな身体が何倍にも思えてしまう。
その迫力に怒りは一瞬にして消え、恐怖が全身を覆っていた。
スッと足を踏み出すと、ゆっくりと近づいてくる。

「近頃じゃあ、セックスレスの夫婦も珍しくないという・・・」

睨みつける視線が、香奈子から力を奪ってしまう。

「あ・・・あ・・ぁ・・・」

まるで金縛りにでもあったように動けなかった。
大きな身体を割り込むようにソファーの端に座った。

「キャッ・・・」
クッションが大きく揺れてバランスを失った香奈子の腕を大きな手が握った。

「い、いやっ・・・」
反射的に身をよじるのだが、強い力に振りほどく事は出来なかった。

「初めて会った時から・・・」
男は身体を押し付けるように近づきながら呟いている。

「俺は・・・・」
ヤニ臭い息が香奈子の鼻腔を刺激し、恐怖を増幅させる。

「あんたが好きだった・・・」
脂ぎった手が腕を掴んでいる。

「な、何をするの?や、やめてくださいっ・・・」
おぞましさに鳥肌が立つ。

「ふざけないでっ・・・」
必死に振りほどこうとするのだが、どうしても離すことが出来ない。

「い、いやぁ・・・」
涙を滲ませて声を絞り出すのだが、男が聞くわけが無い。

「クククッ・・・」
怯える表情に征服感がこみ上げてくる男は、笑いを押さえるのに苦労していた。

積年の想いを今、遂げようとしている。
そんな自分を焦らすかの如く、語り始めた。

「十七年だ・・・」

男から少しでも離れようとソファーの背に逃げようとする香奈子を押さえつける手は、力を入れている様子もなく口調も穏やかだった。

「俺はあんただけを思い続けて生きてきた・・・」

理不尽な状態での告白は香奈子の胸を打つ訳もなく、かえって恐怖を増していく。
そんな事は男にはわかりすぎる程の事だったが、竹内はやめようとは思わなかった。
どちらにせよ、言葉で女を落とせる程、魅力などありはしない。
だが、長年胸に秘め続けてきた想いだけは今のうちに吐き出しておきたかった。
勿論、純粋な恋心とは到底言えないものである。

結婚しなかっただけで何人もの女と付き合い、捨ててきた。
だが香奈子を想う気持ちは、ある種の執念をもって続けられてきたのである。
それを今、宣言しておきたかったのだ。

「あんたを奪い、俺のものにする・・・」
「や、やめて・・・やめてください・・・」

おぞましい申し出を香奈子が受ける筈もなく、ひたすらこの場から逃げたいと願っていた。

「あんたを自由にしてやるぜ・・・」
だから、的を外れたような言葉に最初は反論する気も起きなかった。

「あんた・・・気持ちを休んだ事がないだろう?」

(えっ・・・・?)
予想もしない事を言われ一瞬、力を緩めた。

「矢島家の一人娘として、気を張って生きてきて疲れていないのか?」

(な、何を言ってるの、この人・・・?)

「うっ・・・」
否定しようとするのだが、核心をつかれ声を詰まらせた。

「ずっといい子でいるのは・・・
つまらない人生だと思わないか・・・?」

「違うっ・・違うわ・・・」

香奈子の顔が真っ赤に染まる。
一番触れられたくない事を言われ、動揺を隠せないでいた。

「俺が変えてやるよ・・・」
男の顔が近づいてくる。

「い、いやぁ・・・」
よけようと身をよじるのだが、追い詰められた姿勢は変える事が出来ない。

「俺が抱いてやる・・・」
「や、やめて・・・・」

「俺とセックスするんだよ・・・」
「あぁ・・・」

間近で迫る顔が息苦しくて、切ない声が漏れてしまう。
怯えた表情が男の征服欲を刺激する。

「楽しもうぜ、奥さん・・・」
「ゆ、許してぇ・・・」

懇願する声も、か細く消え入りそうになっていた。

「もう、逃げられないんだよ・・・」
男が宣言する言葉に全身の力が抜けてしまうのだった。
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