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第二部
二章・逢引(3)
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当時の心境をさらに詳しく語ろうとしたところで、彼方にあるものを見つけ出す。街の中心部に鎮座する大きな柿色の建物。指を差して朱璃に訊ねる。
「あそこ、子供がたくさんいるけど、もしかして学校?」
「どこ?」
示している場所がわからないようで目を細める朱璃。
「ほら、この方向にある濃いオレンジ色の……」
「ああ、アンタ、よくここから人を識別できるわね。たしかにあそこは小学校よ。その隣の青い建物が中学校。高校だけは前に行った王城の近く。えっと……」
「あの白と紫の縞模様? 生徒の数が一番少ない」
「そう、それ。ほんとにどういう視力してんのよ? 後で検査するからね」
「あれが高校か……」
開明はあそこに通っているわけだ。少しうらやましい。自分は中学校までしか出られなかった。中学卒業後はすぐ建設現場に駆り出されたから。
そういえば朱璃が次期女王となると彼はどうするのだろう? なんらかの形で政治に関わりたいと考えているなら、やはりあれだろうか?
「開明は政治家になるのかな?」
「さあ、どうかしらね」
現代の高校に通う生徒の多くは議員を目指すそうだ。だからあの少年もそうなのかもと思ったのだが、口ぶりからして親戚の朱璃も彼の目指すところは知らないらしい。
北日本王国では王の下に議会がある。最終的な決定権は王が握っているのだが、国内外での諸問題にどう対応するかを協議し、選択肢を絞り込んだ上で王に提示するのが議会の仕事。王を納得させられるか否かは彼等の手腕にかかっている。
ただし、かつての国会とは議席の数が大きく異なり、定数はたった八枠しかない。軍事基地化された福島と補給基地になった仙台を除く東北四都市から二人ずつが選挙で選ばれ議員となるのだ。
定数がたった八枠なので当然議員になれない候補者も多い。そんな彼等は当選した議員の秘書をしたり、他のなんらかの職に就いて実績を挙げつつ次の選挙を目指すそうだ。開明もさっき、卒業後に研究員になる可能性を示唆していた。副業を持つことは政治家を目指す者達にとって当然の話だという。
もっともこれは旧時代も同じだった。そもそも政治家は元々その土地で一定の発言力や知名度を有している人間が目指す職だ。選挙に落ちたらただの人と言われるように、彼等だって稼ぎが無ければ生きていけない。安定した収入を得られる手段は別途確保しておく必要がある。
(この国なら最低限の仕事さえしていれば食うには困らないけど、それだけだと選挙には受からないだろうし……やっぱり政治家になるのは大変なんだろうな)
ちなみに北日本では食事は配給制になっており、毎日労働時間の終わりに引き換え用の木札が配られる。まだ働けない年齢の子供や労働の義務を終えた老人がいる家庭の場合はその分も含めて支給されるが、基本的には一人につき三枚だ。働かざるもの食うべからずが原則なわけだが、逆に言えば課された役割に従事し義務さえ果たしていれば食べる権利だけは国が保障してくれるのである。
そしてそんな配給札とは別に旧時代の日本の硬貨も給与として支払われ、商取引に用いられている。食糧が配給制だから食品を扱う商売はできないけれど、それ以外の商業活動は大幅な自由が認められているからだ。むしろ推奨されてすらいる。
「前にも言ったけど普通の市民の中にも副業持ちは多いの。むしろそっちのが多数派だわ。物を作る人。売る人。そのどちらかをサポートする人。後は芸術家の類かしら?」
「友之さんはたしか、作家が多いって」
「まあ、手軽な趣味だからね。紙とペンさえあればいいもの。アイツ自身、一部で人気の作家だったりするわ。正に“好きこそ物の上手なれ”の体現」
「へえ~」
この街における数少ない友人の意外な一面を知り、感心するアサヒ。友之からは何冊か本を借りているが、もしかしたらあの中に彼自身の著作もあるのだろうか?
「他人に言われたことだけをやってるとね、健全な人間なら鬱憤が溜まるものよ。その上、食事は配給制で昔みたいに暴飲暴食で憂さを晴らすなんてこともできない。お上としてはそれをどうにかしたいの。世界は昔より狭くて小さい。閉ざされた箱庭の中でストレスを放置し続けたら、その結果がどうなるかなんて火を見るより明らか。
だから商売や創作を認めてガス抜きしてるの。好きなことをやって、その結果で報酬を得られたなら達成感も同時に得る。人間なんて自分の努力の成果が誰かに認めて貰えさえすれば、それだけで大抵の不満は忘れるものだもの。一時的にだけどね」
市民の溜飲を下げることが目的の政策なので、たとえば作家が王族に対し不敬な内容の本を作ったとしても、それが度を越したものでさえなければ検閲官は目を瞑る。
「たまに限度を弁えない馬鹿が逮捕されることもあるけど」
何か面白いことでも思い出したのか、ニヤリと笑う朱璃。彼女が言うには、労働時間の終わる夕方以降は商業区が賑やかになるらしい。その賑わいを想像したアサヒは軽くため息をつく。
「やっぱり、もっと近くで見てみたかったな……」
「それはアンタの努力次第。お国への貢献が認められれば、いつかは今以上の自由も勝ち取れるでしょ。ほら、そろそろ時間だし地上へ向かうわよ」
腕時計を見ながら急かす朱璃。自分でデートなどと言っておいて情緒もへったくれも無い。
(まあでも、俺のために連れ出してくれたんだよな)
ずっと対策局に軟禁されストレスが溜まっていたことを、彼女は見透かしていたのだと思う。なら連れて来てもらったことには素直に感謝しないと。
「ありがとう」
お礼を言うと、朱璃は「は?」と眉をひそめた。
「いきなり何よ、気持ち悪い。それよりまた出番。アタシらを抱えて飛び降りなさい」
「俺はエレベーターかよ」
「さっき言ったでしょ、認められたいなら役立つことだって。喜びなさい、死ぬまでこき使ってやるから」
「やめて……」
感謝したのが馬鹿らしく思えてきた。やはりこの少女は、どこまでもこちらを利用する腹積もりらしい。
まあ、こちらとしても当面はその思惑に乗っかるしかない。アサヒはさっきと同じように右腕で朱璃を抱え、左腕を大谷に向かって伸ばした。これが“デート”だから気を遣ってくれたのか、それとも生来物静かなだけか、彼女はさっきから一言も喋っていない。
「大谷さん」
「少し、お待ちを」
彼の眼前で手の平を広げ、鋭い眼差しを別の方向へ向ける彼女。気配を探っているようなその表情を見てアサヒも警戒心を抱く。
「何かいるんですか?」
こんな廃墟の中に──まさか幽霊?
「……いえ」
窓から差し込む光が届かない暗がり。その一角に向かって銃を撃つ彼女。音も無く発射されたのは銃弾ではなく彼女の体内の魔素を使って生み出された魔法の光だった。無数のそれが壁に着弾し、周辺を照らし出す。
けれど何もいない。安全を確認した彼女は頭を振りつつ近付いて来た。
「気のせいだったようです」
「そう、ですか」
窓が開いているとはいえ、ここは地下都市だ。危険な変異種等が巣食っている可能性は低い。それにその類の怪物がいたらとっくに自分に襲いかかって来ているはず。変異種や生物型記憶災害を引き寄せてしまう自身の体質を思い出し、ここにそれらは存在しないと断定するアサヒ。気を取り直して大谷を左腕で抱き寄せる。
「それじゃあ行きますね」
二人を両腕で抱えた彼は、再び吹き抜けに身を躍らせた。今度はさっきのような失敗はしない。数mずつ小刻みに魔素障壁を展開して飛び移って行く。
「凄いですね……」
「これだけが取り柄だもの」
大谷の呟きを、ニヤニヤ笑いながら継ぐ朱璃。
「うるさいな」
反論しようかと思ったが、しかし実際、他に取り柄など無かったことを思い出し、彼はちょっとだけへこんだ。
(……やれやれ、肝が冷えた)
暗がりの中、それは考える。あの大谷という兵士はなかなか厄介だ。まさか隠形の術を使っている自分の気配をこの距離で察知するとは。念のため物陰に身を潜めていなければ見つかっていただろう。流石に王室護衛隊の名は伊達ではない。
とはいえ、彼女の個としての戦闘力は大したものではない。少なくとも自分にとっては脅威にならないレベル。
しかしアサヒが一緒にいる場合は話が別だ。大谷の感知能力と彼の能力が組み合わさることは明らかに危険である。
(焦る必要は無い)
期限付きの仕事ではあるものの、猶予は十分に残されている。その間に必ずあの二人が離れる時はやって来るだろう。分断してしまえば、どちらも手玉に取るのは容易い。
それに、こちらに有利な状況は協力者が作ってくれる手筈だ。
今はただ、その時を待つのみ。
「星海 朱璃を抹殺せよ」
自身に課された任務を反芻し、それは闇の中、密かに動き出した。
「あそこ、子供がたくさんいるけど、もしかして学校?」
「どこ?」
示している場所がわからないようで目を細める朱璃。
「ほら、この方向にある濃いオレンジ色の……」
「ああ、アンタ、よくここから人を識別できるわね。たしかにあそこは小学校よ。その隣の青い建物が中学校。高校だけは前に行った王城の近く。えっと……」
「あの白と紫の縞模様? 生徒の数が一番少ない」
「そう、それ。ほんとにどういう視力してんのよ? 後で検査するからね」
「あれが高校か……」
開明はあそこに通っているわけだ。少しうらやましい。自分は中学校までしか出られなかった。中学卒業後はすぐ建設現場に駆り出されたから。
そういえば朱璃が次期女王となると彼はどうするのだろう? なんらかの形で政治に関わりたいと考えているなら、やはりあれだろうか?
「開明は政治家になるのかな?」
「さあ、どうかしらね」
現代の高校に通う生徒の多くは議員を目指すそうだ。だからあの少年もそうなのかもと思ったのだが、口ぶりからして親戚の朱璃も彼の目指すところは知らないらしい。
北日本王国では王の下に議会がある。最終的な決定権は王が握っているのだが、国内外での諸問題にどう対応するかを協議し、選択肢を絞り込んだ上で王に提示するのが議会の仕事。王を納得させられるか否かは彼等の手腕にかかっている。
ただし、かつての国会とは議席の数が大きく異なり、定数はたった八枠しかない。軍事基地化された福島と補給基地になった仙台を除く東北四都市から二人ずつが選挙で選ばれ議員となるのだ。
定数がたった八枠なので当然議員になれない候補者も多い。そんな彼等は当選した議員の秘書をしたり、他のなんらかの職に就いて実績を挙げつつ次の選挙を目指すそうだ。開明もさっき、卒業後に研究員になる可能性を示唆していた。副業を持つことは政治家を目指す者達にとって当然の話だという。
もっともこれは旧時代も同じだった。そもそも政治家は元々その土地で一定の発言力や知名度を有している人間が目指す職だ。選挙に落ちたらただの人と言われるように、彼等だって稼ぎが無ければ生きていけない。安定した収入を得られる手段は別途確保しておく必要がある。
(この国なら最低限の仕事さえしていれば食うには困らないけど、それだけだと選挙には受からないだろうし……やっぱり政治家になるのは大変なんだろうな)
ちなみに北日本では食事は配給制になっており、毎日労働時間の終わりに引き換え用の木札が配られる。まだ働けない年齢の子供や労働の義務を終えた老人がいる家庭の場合はその分も含めて支給されるが、基本的には一人につき三枚だ。働かざるもの食うべからずが原則なわけだが、逆に言えば課された役割に従事し義務さえ果たしていれば食べる権利だけは国が保障してくれるのである。
そしてそんな配給札とは別に旧時代の日本の硬貨も給与として支払われ、商取引に用いられている。食糧が配給制だから食品を扱う商売はできないけれど、それ以外の商業活動は大幅な自由が認められているからだ。むしろ推奨されてすらいる。
「前にも言ったけど普通の市民の中にも副業持ちは多いの。むしろそっちのが多数派だわ。物を作る人。売る人。そのどちらかをサポートする人。後は芸術家の類かしら?」
「友之さんはたしか、作家が多いって」
「まあ、手軽な趣味だからね。紙とペンさえあればいいもの。アイツ自身、一部で人気の作家だったりするわ。正に“好きこそ物の上手なれ”の体現」
「へえ~」
この街における数少ない友人の意外な一面を知り、感心するアサヒ。友之からは何冊か本を借りているが、もしかしたらあの中に彼自身の著作もあるのだろうか?
「他人に言われたことだけをやってるとね、健全な人間なら鬱憤が溜まるものよ。その上、食事は配給制で昔みたいに暴飲暴食で憂さを晴らすなんてこともできない。お上としてはそれをどうにかしたいの。世界は昔より狭くて小さい。閉ざされた箱庭の中でストレスを放置し続けたら、その結果がどうなるかなんて火を見るより明らか。
だから商売や創作を認めてガス抜きしてるの。好きなことをやって、その結果で報酬を得られたなら達成感も同時に得る。人間なんて自分の努力の成果が誰かに認めて貰えさえすれば、それだけで大抵の不満は忘れるものだもの。一時的にだけどね」
市民の溜飲を下げることが目的の政策なので、たとえば作家が王族に対し不敬な内容の本を作ったとしても、それが度を越したものでさえなければ検閲官は目を瞑る。
「たまに限度を弁えない馬鹿が逮捕されることもあるけど」
何か面白いことでも思い出したのか、ニヤリと笑う朱璃。彼女が言うには、労働時間の終わる夕方以降は商業区が賑やかになるらしい。その賑わいを想像したアサヒは軽くため息をつく。
「やっぱり、もっと近くで見てみたかったな……」
「それはアンタの努力次第。お国への貢献が認められれば、いつかは今以上の自由も勝ち取れるでしょ。ほら、そろそろ時間だし地上へ向かうわよ」
腕時計を見ながら急かす朱璃。自分でデートなどと言っておいて情緒もへったくれも無い。
(まあでも、俺のために連れ出してくれたんだよな)
ずっと対策局に軟禁されストレスが溜まっていたことを、彼女は見透かしていたのだと思う。なら連れて来てもらったことには素直に感謝しないと。
「ありがとう」
お礼を言うと、朱璃は「は?」と眉をひそめた。
「いきなり何よ、気持ち悪い。それよりまた出番。アタシらを抱えて飛び降りなさい」
「俺はエレベーターかよ」
「さっき言ったでしょ、認められたいなら役立つことだって。喜びなさい、死ぬまでこき使ってやるから」
「やめて……」
感謝したのが馬鹿らしく思えてきた。やはりこの少女は、どこまでもこちらを利用する腹積もりらしい。
まあ、こちらとしても当面はその思惑に乗っかるしかない。アサヒはさっきと同じように右腕で朱璃を抱え、左腕を大谷に向かって伸ばした。これが“デート”だから気を遣ってくれたのか、それとも生来物静かなだけか、彼女はさっきから一言も喋っていない。
「大谷さん」
「少し、お待ちを」
彼の眼前で手の平を広げ、鋭い眼差しを別の方向へ向ける彼女。気配を探っているようなその表情を見てアサヒも警戒心を抱く。
「何かいるんですか?」
こんな廃墟の中に──まさか幽霊?
「……いえ」
窓から差し込む光が届かない暗がり。その一角に向かって銃を撃つ彼女。音も無く発射されたのは銃弾ではなく彼女の体内の魔素を使って生み出された魔法の光だった。無数のそれが壁に着弾し、周辺を照らし出す。
けれど何もいない。安全を確認した彼女は頭を振りつつ近付いて来た。
「気のせいだったようです」
「そう、ですか」
窓が開いているとはいえ、ここは地下都市だ。危険な変異種等が巣食っている可能性は低い。それにその類の怪物がいたらとっくに自分に襲いかかって来ているはず。変異種や生物型記憶災害を引き寄せてしまう自身の体質を思い出し、ここにそれらは存在しないと断定するアサヒ。気を取り直して大谷を左腕で抱き寄せる。
「それじゃあ行きますね」
二人を両腕で抱えた彼は、再び吹き抜けに身を躍らせた。今度はさっきのような失敗はしない。数mずつ小刻みに魔素障壁を展開して飛び移って行く。
「凄いですね……」
「これだけが取り柄だもの」
大谷の呟きを、ニヤニヤ笑いながら継ぐ朱璃。
「うるさいな」
反論しようかと思ったが、しかし実際、他に取り柄など無かったことを思い出し、彼はちょっとだけへこんだ。
(……やれやれ、肝が冷えた)
暗がりの中、それは考える。あの大谷という兵士はなかなか厄介だ。まさか隠形の術を使っている自分の気配をこの距離で察知するとは。念のため物陰に身を潜めていなければ見つかっていただろう。流石に王室護衛隊の名は伊達ではない。
とはいえ、彼女の個としての戦闘力は大したものではない。少なくとも自分にとっては脅威にならないレベル。
しかしアサヒが一緒にいる場合は話が別だ。大谷の感知能力と彼の能力が組み合わさることは明らかに危険である。
(焦る必要は無い)
期限付きの仕事ではあるものの、猶予は十分に残されている。その間に必ずあの二人が離れる時はやって来るだろう。分断してしまえば、どちらも手玉に取るのは容易い。
それに、こちらに有利な状況は協力者が作ってくれる手筈だ。
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