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side セイン
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俺の名前はセイン。サラが俺につけてくれた名前だ。両親はいない。
俺は小さい頃に黒髪黒目だからというどうでもいい理由で路地裏で数人の男に殴られ、蹴られを繰り返されていた。その時、帽子付きのローブを被った俺と同じくらいの歳の女の子が駆け寄ってきて、目にもとまらぬ速さで男たちを撃退し、俺を自分の家らしい大きい屋敷に連れ帰った。また黒を言い訳になんかされるのかと覚悟していたが、俺を風呂に入らせ新品の服まで着さしてくれた。風呂から出た俺は水色のワンピースを着て、金髪で青い宝石のような目をした天使のような少女の前まで案内された。
少女は貴族の娘でサラというらしい。サラと呼んでといわれたのでそう呼ぶことにした。名前を聞かれたがないと答えると、『セイン』と名前をつけてくれた。俺はその屋敷で過ごすことになり、最初は警戒していた。だがこれがただの善意だと気づき、俺を助けただけでなくこの環境まで与えてくれたサラを大好きになったと同時に、守りたいと思うようになった。
公爵に頼み、サラがしている訓練を一緒にするようになった。訓練はまさに地獄で、これを淡々とこなしているサラはすごいとしか言いようがなかった。俺は剣も魔法の才もあったので学園に通い、将来は王宮で働くのはどうかと公爵に言われた。でも守りたいのはサラだけだったのでサラの影になることを選んだ。
この屋敷に来てからしばらくたち、サラや使用人たちとは仲良くしていた。
だが、サラは俺と一定の距離を保っていた。公爵夫妻に愛され、使用人たちに大事にされているのにどこか不安そうだった。
違和感に気付き始めてから数日経った頃、サラが高熱で倒れた。俺はつきっきりで看病し、水を取り替ようと部屋を出ようとした時、サラがポツポツと何かを話し始めた。親身になって聞いていると、サラは転生者というものらしい。前世の記憶があるらしく、その記憶のせいで皆に拒絶されるのが怖いのだと。
「セインは私を嫌いになった?」
サラは悲しそうに、いろんな感情が混ざった声で俺に聞いてきた。
俺がサラを嫌いになる?そんなわけない。俺は何よりサラが大切だ。それを伝えるべく、言い聞かせるように言った。
「そんなはずはない。俺は俺を救ってくれたサラが大好きだ。だからずっとそばにいたい。サラは違うのか?」
「ううん、違くない。私もセインが大好き。だからずっと一緒にいたい。これからも一緒にいてくれるよね?」
「ああ、もちろん。」
「ありがとう!」
俺はサラが大好きだと言ってくれたことに、優越感を感じた。
俺が今度こそ部屋を去ろうとした時、サラに呼び止められた。
「セイン」
「何だ?」
そう聞くとサラは恥ずかしがりながら俺にお願いをしてきた。
「あ、あのね?この後することがなかったら今日はずっと一緒にいてくれる?」
もちろんずっと一緒にいるつもりだったのですぐに返事をした。
「大好きなサラのそばにいれるなら喜んで。今日だけじゃなく、これからも俺はサラのものだし、サラは俺のものだ。一緒に寝てあげるから、安心しておやすみ。」
一緒に寝てとは言われていないが、この状況に乗っかって一緒に寝てあげると言ってしまったのは許して欲しい。そしてさりげなく自分のもの宣言したことも。
俺はその日、サラを抱きしめながら眠った。
俺たちは一緒に寝たからもう何してもいいよねって感じで、隙あらば2人でくっついている。
皆が見ているところでも、抱きつき合ったり、キスもしている。最初は額だったが今では唇にもしている。
公爵や使用人たちは悔しそうな目で見ているが、サラが幸せそうなので苦虫を噛み潰したような表情で俺たちのことを黙認している。夫人はというといつも笑顔で俺たちを見ている。
そんなサラが国王に嫁ぐことが決まった。俺は胸にもやもやとしたものを抱えながら、サラの影としてついていくことになった。
婚姻の儀が終わった後、サラは国王の執務室に行くというので俺は天井裏からついてった。そこでサラは国王に色々言われていた。思い上がるなとか、恋人なんてできないだろうが作ってもいいぞとか。恋人を作っていいという言葉を聞いて、俺は内心舞いあがった。お前が大切にしないなら俺がもらおうとも思った。
離宮でサラはあっという間に使用人たちの心を掴んだ。変装のことは近衛騎士団員と魔法師団長にばれ、一ヶ月に一度稽古をつけて欲しいとも言われていた。
約束である稽古をまず近衛の方でやるといい、俺は見守っていた。そこでサラは俺の名前を偽名として出していた。俺だけのサラがつけてくれた、サラしか知らなくていい名前をいとも簡単に出してしまった。
その日の夜、俺はそのことを問い詰めた。そしたら意外な答えが返ってきて内心ほくそ笑んだ。そして駄目押しとばかりに俺のことを好きかと尋ねた。
「うん、大好き!」
サラは即答し俺はその答えに納得した。俺は天井裏に行く前にもう寝るのか?と聞いた。そしたらサラは
「もう寝る。今日は一緒に寝よ。」
と俺の予想以上の答えを出してくれた。公爵家にいた頃はよく一緒に寝ていたので隠してあった寝る用の服に着替えてサラのベットになんの抵抗もなく入った。
サラの唇にキスを落とし、おやすみと言って抱きしめた。サラへの想いが恋だと自覚してからというものキスで終わらせるのは少し辛いが、我慢する。この離宮に来てから一緒に寝るのは初めてだが、もう一回あったことは何度しても同じなのでこれからは意地でも一緒に寝てやろうと思っている。
「サラ、ずっと愛してる。俺の気持ちに早く気づいてね」
そう小声で言い、こっそりとサラの首筋にキスマークをつけた。
明日、使用人たちがどうなるのか楽しみで仕方ない。俺はサラの匂いに包まれながら眠った。
俺は小さい頃に黒髪黒目だからというどうでもいい理由で路地裏で数人の男に殴られ、蹴られを繰り返されていた。その時、帽子付きのローブを被った俺と同じくらいの歳の女の子が駆け寄ってきて、目にもとまらぬ速さで男たちを撃退し、俺を自分の家らしい大きい屋敷に連れ帰った。また黒を言い訳になんかされるのかと覚悟していたが、俺を風呂に入らせ新品の服まで着さしてくれた。風呂から出た俺は水色のワンピースを着て、金髪で青い宝石のような目をした天使のような少女の前まで案内された。
少女は貴族の娘でサラというらしい。サラと呼んでといわれたのでそう呼ぶことにした。名前を聞かれたがないと答えると、『セイン』と名前をつけてくれた。俺はその屋敷で過ごすことになり、最初は警戒していた。だがこれがただの善意だと気づき、俺を助けただけでなくこの環境まで与えてくれたサラを大好きになったと同時に、守りたいと思うようになった。
公爵に頼み、サラがしている訓練を一緒にするようになった。訓練はまさに地獄で、これを淡々とこなしているサラはすごいとしか言いようがなかった。俺は剣も魔法の才もあったので学園に通い、将来は王宮で働くのはどうかと公爵に言われた。でも守りたいのはサラだけだったのでサラの影になることを選んだ。
この屋敷に来てからしばらくたち、サラや使用人たちとは仲良くしていた。
だが、サラは俺と一定の距離を保っていた。公爵夫妻に愛され、使用人たちに大事にされているのにどこか不安そうだった。
違和感に気付き始めてから数日経った頃、サラが高熱で倒れた。俺はつきっきりで看病し、水を取り替ようと部屋を出ようとした時、サラがポツポツと何かを話し始めた。親身になって聞いていると、サラは転生者というものらしい。前世の記憶があるらしく、その記憶のせいで皆に拒絶されるのが怖いのだと。
「セインは私を嫌いになった?」
サラは悲しそうに、いろんな感情が混ざった声で俺に聞いてきた。
俺がサラを嫌いになる?そんなわけない。俺は何よりサラが大切だ。それを伝えるべく、言い聞かせるように言った。
「そんなはずはない。俺は俺を救ってくれたサラが大好きだ。だからずっとそばにいたい。サラは違うのか?」
「ううん、違くない。私もセインが大好き。だからずっと一緒にいたい。これからも一緒にいてくれるよね?」
「ああ、もちろん。」
「ありがとう!」
俺はサラが大好きだと言ってくれたことに、優越感を感じた。
俺が今度こそ部屋を去ろうとした時、サラに呼び止められた。
「セイン」
「何だ?」
そう聞くとサラは恥ずかしがりながら俺にお願いをしてきた。
「あ、あのね?この後することがなかったら今日はずっと一緒にいてくれる?」
もちろんずっと一緒にいるつもりだったのですぐに返事をした。
「大好きなサラのそばにいれるなら喜んで。今日だけじゃなく、これからも俺はサラのものだし、サラは俺のものだ。一緒に寝てあげるから、安心しておやすみ。」
一緒に寝てとは言われていないが、この状況に乗っかって一緒に寝てあげると言ってしまったのは許して欲しい。そしてさりげなく自分のもの宣言したことも。
俺はその日、サラを抱きしめながら眠った。
俺たちは一緒に寝たからもう何してもいいよねって感じで、隙あらば2人でくっついている。
皆が見ているところでも、抱きつき合ったり、キスもしている。最初は額だったが今では唇にもしている。
公爵や使用人たちは悔しそうな目で見ているが、サラが幸せそうなので苦虫を噛み潰したような表情で俺たちのことを黙認している。夫人はというといつも笑顔で俺たちを見ている。
そんなサラが国王に嫁ぐことが決まった。俺は胸にもやもやとしたものを抱えながら、サラの影としてついていくことになった。
婚姻の儀が終わった後、サラは国王の執務室に行くというので俺は天井裏からついてった。そこでサラは国王に色々言われていた。思い上がるなとか、恋人なんてできないだろうが作ってもいいぞとか。恋人を作っていいという言葉を聞いて、俺は内心舞いあがった。お前が大切にしないなら俺がもらおうとも思った。
離宮でサラはあっという間に使用人たちの心を掴んだ。変装のことは近衛騎士団員と魔法師団長にばれ、一ヶ月に一度稽古をつけて欲しいとも言われていた。
約束である稽古をまず近衛の方でやるといい、俺は見守っていた。そこでサラは俺の名前を偽名として出していた。俺だけのサラがつけてくれた、サラしか知らなくていい名前をいとも簡単に出してしまった。
その日の夜、俺はそのことを問い詰めた。そしたら意外な答えが返ってきて内心ほくそ笑んだ。そして駄目押しとばかりに俺のことを好きかと尋ねた。
「うん、大好き!」
サラは即答し俺はその答えに納得した。俺は天井裏に行く前にもう寝るのか?と聞いた。そしたらサラは
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と俺の予想以上の答えを出してくれた。公爵家にいた頃はよく一緒に寝ていたので隠してあった寝る用の服に着替えてサラのベットになんの抵抗もなく入った。
サラの唇にキスを落とし、おやすみと言って抱きしめた。サラへの想いが恋だと自覚してからというものキスで終わらせるのは少し辛いが、我慢する。この離宮に来てから一緒に寝るのは初めてだが、もう一回あったことは何度しても同じなのでこれからは意地でも一緒に寝てやろうと思っている。
「サラ、ずっと愛してる。俺の気持ちに早く気づいてね」
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