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7:キャラ改変まですすんだ世界
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たった今おぼえた違和感の正体を探る。
だって本来の『星華の刻』はヒロインのいる乙女ゲーであって、決してBLゲーではない。
いくらパレルモ様がかわいらしい見た目をしていても、原作ならばどの時間軸でも、同性から襲われることなんてないハズなのに!
まして彼には、絶対服従の闇魔法もあるわけで、こんなふうにピンチになることすらあり得ない。
そう思ったとたん、あらためて見たパレルモ様のまわりが、やけにキラキラとかがやいて見えた。
「まさか、『魅了の魔法』……?」
それはどうやら絶対服従の魔法ではなく、同系統ではあるけれど、魅了の魔法のほうに見える。
別名『一目惚れの魔法』だ。
効果はその別名の示すとおり、魔法を発動している人間に、周囲の人が魅了されてしまうというものだった。
酷ければ、なにを言われても相手のいいなりになってしまうという、いわゆるベタぼれで、かぎりなく自主的な絶対服従に近い状態になってしまう。
……まぁ、たいていは『なんとなくあの人ステキ!』と思わせる程度でしかないけれど。
それにある程度、魅了自体の効果が弱いものならば人からの好感度をあげるだけにしかならないし、むしろ交渉ごとをまとめる立場にある要人や、商人なんかには必須の魔法だなんて言われていたけれど。
でも今のこれは、そんな軽いものなんかじゃない。
かけた相手を、一発でトリコにしてしまうような、そんな強いものだ。
どうして彼がそんな魔法を使えるんだろう?
───むしろ原作では、この魔法が使えないばっかりに、パレルモはヒロインにアピールすることができなくて詰んでいたのに。
だからこそ、ゴロツキを使って陳腐な寸劇を仕立てるハメにおちいったと言えなくもないくらいだった。
「どうしたの、テイラー?」
なのにそんな強烈な魅了魔法を行使しつづけている本人は、まるでそんなことにも気づいていないような無垢な顔でこちらを見上げている。
……これは、どういうことなんだ??
「いえ、その……パレルモ様のその魔法は……」
「ボク、魔法なんてかけてないよ?」
だけどたずねようとしたところで、はぐらかされた。
いや、これは本気でわかっていないという可能性もあるのか??
なにしろ俺の知る『原作パレルモ』とは、あきらかにキャラがちがうんだ。
そこになんらかの意図が働いているとかんがえるのが、自然だろう。
「……わかりました、まずは部屋にもどりましょう」
「うん……でもなんか、力が入らなくて……」
この部屋にいるのは、どうかんがえてもよろしくない。
そう思って提案すれば、甘えたような声がかえってくる。
たしかに、ここは空気が悪かった。
さっきから鼻につくこの甘い匂いも不快だったし、まるで薬物でも摂取したかのような緩慢な動きを見せる、いかにもモブなゴツい生徒たちも怪しく見える。
「あのね、テイラー……さっきからお股がむずむずするよぉ!」
そんななか突然、もじもじとした様子で背中にすがりつくパレルモ様が言う。
「ハイィ?!」
なんだ、それ、あまりのことに声が裏返りそうになったぞ!?
「なんかね、さっきからお股のところがね、ズキズキするの。助けてぇ、テイラー?」
「……………………」
言うに事欠いて、勃ちかけのソレを手でおさえながら、『お股がむずむず』に『ズキズキ』だぁ?
なんだよ、それっ!
どこの幼児か、小学生だ!?
それ……ネタじゃなく本気で言ってんだよな?
だとしたら、あたまが痛いなんてモンじゃ済まないぞ!?
「───まさかとは思いますが、媚薬とか妖しいお薬を飲まされたりなどは?」
もとのゲームの世界でも、お助けアイテムとして、惚れ薬くらいならばある設定だった。
ならばこの腐女子によって改変されたという世界になら、媚薬のひとつやふたつくらいあるだろう!
「ふえぇ、わかんないよぉ~!おいしいお菓子があるって言うから、ついてきただけだもん~!」
顔を真っ赤にしたパレルモ様は、股間を隠しながら内股気味に、ぶりっ子演技をいまだにつづけている。
なんなんだよ、マジで!?
お菓子でつられる公爵家嫡男(10代なかば)って、そんなのアリか?!
しかもそこからモブレされかかるとか、もうなんと言ったらいいのかわからないアホっぷりだ。
いつからキャラ変えしたんだよ!!
なかばキレそうになりながら、あたまをかかえる。
でもこの場合、そんな演技をして俺をだましたところで、なんの役にも立たないだろうに……。
───ってことは、ひょっとしてネタじゃなくガチのほうなのか……??
いや、ちょっと待て。
本気なら本気で、いろいろとおかしいだろ!?
仮にも公爵家の嫡男がだよ、その年齢にもなって性的な知識が皆無とかおかしすぎるだろうが!!
いくらなんでもこの世界でも、性教育くらいするだろうよ!!
貴族社会は、後継者問題が平民よりも重要だからな!
クソ、ふざけんなよ改変者!
いいか、そもそも白痴系は俺の地雷なんだ!!
原作におけるパレルモ・ポット・ライムホルンというキャラクターの肝は、そのかわいらしい見た目を裏切る腹黒さだろうが!!
その肝をまるごと否定するような改変しやがって、見た目どおりの弱々しい受けにしてなにが楽しいんだよ?!
ホントなにしてくれてんだ、コノヤロウ!!
「……なら、もうなんでもいいです。とにかくここを出ましょう!」
「ぴぇぇん、怖いよテイラー!」
キレ気味なのが口調の荒さに出てしまったところで、目の前のキャラ改変済みのパレルモ様が目に涙を浮かべて訴えてくる。
なんなんだよ、これ、マジでイライラする。
これで10代なかばとか、詐欺だろもはや。
あたまだけでなく胃まで痛くなってきたところで、俺のストレスゲージはふりきれそうになっていた。
だって本来の『星華の刻』はヒロインのいる乙女ゲーであって、決してBLゲーではない。
いくらパレルモ様がかわいらしい見た目をしていても、原作ならばどの時間軸でも、同性から襲われることなんてないハズなのに!
まして彼には、絶対服従の闇魔法もあるわけで、こんなふうにピンチになることすらあり得ない。
そう思ったとたん、あらためて見たパレルモ様のまわりが、やけにキラキラとかがやいて見えた。
「まさか、『魅了の魔法』……?」
それはどうやら絶対服従の魔法ではなく、同系統ではあるけれど、魅了の魔法のほうに見える。
別名『一目惚れの魔法』だ。
効果はその別名の示すとおり、魔法を発動している人間に、周囲の人が魅了されてしまうというものだった。
酷ければ、なにを言われても相手のいいなりになってしまうという、いわゆるベタぼれで、かぎりなく自主的な絶対服従に近い状態になってしまう。
……まぁ、たいていは『なんとなくあの人ステキ!』と思わせる程度でしかないけれど。
それにある程度、魅了自体の効果が弱いものならば人からの好感度をあげるだけにしかならないし、むしろ交渉ごとをまとめる立場にある要人や、商人なんかには必須の魔法だなんて言われていたけれど。
でも今のこれは、そんな軽いものなんかじゃない。
かけた相手を、一発でトリコにしてしまうような、そんな強いものだ。
どうして彼がそんな魔法を使えるんだろう?
───むしろ原作では、この魔法が使えないばっかりに、パレルモはヒロインにアピールすることができなくて詰んでいたのに。
だからこそ、ゴロツキを使って陳腐な寸劇を仕立てるハメにおちいったと言えなくもないくらいだった。
「どうしたの、テイラー?」
なのにそんな強烈な魅了魔法を行使しつづけている本人は、まるでそんなことにも気づいていないような無垢な顔でこちらを見上げている。
……これは、どういうことなんだ??
「いえ、その……パレルモ様のその魔法は……」
「ボク、魔法なんてかけてないよ?」
だけどたずねようとしたところで、はぐらかされた。
いや、これは本気でわかっていないという可能性もあるのか??
なにしろ俺の知る『原作パレルモ』とは、あきらかにキャラがちがうんだ。
そこになんらかの意図が働いているとかんがえるのが、自然だろう。
「……わかりました、まずは部屋にもどりましょう」
「うん……でもなんか、力が入らなくて……」
この部屋にいるのは、どうかんがえてもよろしくない。
そう思って提案すれば、甘えたような声がかえってくる。
たしかに、ここは空気が悪かった。
さっきから鼻につくこの甘い匂いも不快だったし、まるで薬物でも摂取したかのような緩慢な動きを見せる、いかにもモブなゴツい生徒たちも怪しく見える。
「あのね、テイラー……さっきからお股がむずむずするよぉ!」
そんななか突然、もじもじとした様子で背中にすがりつくパレルモ様が言う。
「ハイィ?!」
なんだ、それ、あまりのことに声が裏返りそうになったぞ!?
「なんかね、さっきからお股のところがね、ズキズキするの。助けてぇ、テイラー?」
「……………………」
言うに事欠いて、勃ちかけのソレを手でおさえながら、『お股がむずむず』に『ズキズキ』だぁ?
なんだよ、それっ!
どこの幼児か、小学生だ!?
それ……ネタじゃなく本気で言ってんだよな?
だとしたら、あたまが痛いなんてモンじゃ済まないぞ!?
「───まさかとは思いますが、媚薬とか妖しいお薬を飲まされたりなどは?」
もとのゲームの世界でも、お助けアイテムとして、惚れ薬くらいならばある設定だった。
ならばこの腐女子によって改変されたという世界になら、媚薬のひとつやふたつくらいあるだろう!
「ふえぇ、わかんないよぉ~!おいしいお菓子があるって言うから、ついてきただけだもん~!」
顔を真っ赤にしたパレルモ様は、股間を隠しながら内股気味に、ぶりっ子演技をいまだにつづけている。
なんなんだよ、マジで!?
お菓子でつられる公爵家嫡男(10代なかば)って、そんなのアリか?!
しかもそこからモブレされかかるとか、もうなんと言ったらいいのかわからないアホっぷりだ。
いつからキャラ変えしたんだよ!!
なかばキレそうになりながら、あたまをかかえる。
でもこの場合、そんな演技をして俺をだましたところで、なんの役にも立たないだろうに……。
───ってことは、ひょっとしてネタじゃなくガチのほうなのか……??
いや、ちょっと待て。
本気なら本気で、いろいろとおかしいだろ!?
仮にも公爵家の嫡男がだよ、その年齢にもなって性的な知識が皆無とかおかしすぎるだろうが!!
いくらなんでもこの世界でも、性教育くらいするだろうよ!!
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クソ、ふざけんなよ改変者!
いいか、そもそも白痴系は俺の地雷なんだ!!
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その肝をまるごと否定するような改変しやがって、見た目どおりの弱々しい受けにしてなにが楽しいんだよ?!
ホントなにしてくれてんだ、コノヤロウ!!
「……なら、もうなんでもいいです。とにかくここを出ましょう!」
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