ここは弊社のゲームです~ただしBLゲーではないはずなのに!~

マツヲ。

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*20:はじめてには、たっぷりの愛をこめて*

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*しょっぱなから閲覧時周囲の視線に注意なので、各自の自己責任でご覧ください。
*そういった描写が苦手な方は、読み飛ばし推奨。




 なんで、なんで、なんで───!??
 なにがどうしてこうなった!?
 だれかに問いかけたくとも、今口を開いてしまえば、ただのあえぎ声となってもれ出てしまうだけだ。

「────ヒッ、や……うぅ……ン…」
 必死にガマンをしたところで、なんか勝手に声はもれてしまうし、なにより耳から入ってくるグチュグチュという水音が俺の羞恥心のゲージをふりきってくるんだけれども。
 なんの音かとか、かんがえたくねーよ!!

 現在進行形でブレイン殿下の貴き御指で慣らされ中の俺は、もはやかんがえることを放棄した。
 ───いや、うん、俺は悪くない。
 だって本来なら、ここは清らかなる乙女ゲームの世界のはずであって、こんなにただれたBLゲームの世界なんかじゃないのに!

「ほら、力を抜いて。せっかくいちばんやさしく、指でやってあげているんだから。じゃないとあとでケガをするのはキミだよ?」
 うわぁ、あいかわらずのぶち犯フラグは継続中なわけなのかよ!

 つーか『いちばんやさしく』ってことは、ほかに何パターンもあるのかよ?!
 なにそれ怖い……。
 ていうか、うっかりあらたな扉がひらいてしまいそうで、なによりそれが怖かった。

 だってさっきから、ベッドの上で横向きに臥している俺の横に座ったブレイン殿下は、それはそれはていねいに指で本来排泄のための器官でしかないをほぐされている。
 さっき手にしていた小瓶は、この世界におけるローション的なものだった。

 それを手のひらに出して人肌であたためると、たっぷりと塗り込めてくる。
 冷たくないように気づかうあたり、紳士的と言えるのかもしれないけれど、俺からすればそれ以前の問題でパニックを起こしていた。

 だって、俺、男だし。
 ついでに言えば、この世界では本当に話の本筋にすらあまり絡むことがない、真性のモブでしかないのに!

 たとえこの世界を侵食した腐女子が腐った世界線に改変したところで、メインキャラクターのひとりから、こんなことをされる対象ではないハズだ!
 だって、たぶん彼女は───パレルモ様推しだから。

 本来ならヒロインが愛されるべきところに、彼を据えたいだけなんだろ?
 そして皆から愛される逆ハー目指したいってところなんじゃないのかよ??
 なら、そこに俺は関係ないじゃん!

 そう思うのに、ブレイン殿下は手を止めてくれない。
 最初は細やかな指の1本ですら違和感がハンパなかったのに、気がつけばそれが2本になり、さらにはしっかりと根もとまで入ってきていた。

 それが引き抜かれそうになって、また奥へと進入してくる。
 そのたびに、せまいなかを押しひろげようと立てる音が、先ほどから俺の耳から入ってくるグチュグチュという音の正体だった。

「~~~~~っ!!」
 最初はただ気持ち悪くて、緊張したまま絶対にほぐれることなんてないと思ってたのに……。
 それがなんで、こんなに腰のあたりがぞわぞわしてきてるんだろう?

 しっかりと枕を抱きかかえ、ぎゅっと目をつぶり、そのフワつく感覚に身もだえる。
「フフ、初々しい反応ですね」
 ───あぁもう、いちいちそういうこと言うなよな!?

「~~っ、あたりまえでしょう、はじめてなんですから!」
「へぇ、そうですか。ふぅん『』ねぇ?」
 ……なんか絶対今、バカにされただろ!
 別にいいけどさぁっ。

 俺の性的嗜好は、いたってふつうなんです!
 長期遠征とかもある軍人ならばいざ知れず、これまで学んできた貴族のたしなみのなかに、男同士のそれはないんですってば!
 だからもろもろ面倒だと思いますし、いっそあきらめて放り出してもらえませんかね??

 ───なんて思っていたのに……。

「キミも男なら『はじめて』が好きなの、わかるでしょう?」
「~~~、それは好きな子が相手のときにかぎるだろっ!」
 もうすでに、口調をていねいにするだけの余裕は失われていた。

「まぁキミも、口ではなんとでも言えるでしょうけど……よほどからだのほうがすなおなのでは?」
 クソー!
 またいかにも同人誌で描かれそうな口調になってるけど、残念ながらブレイン殿下のは公式どおりなんだよなー!!

 ───って、あれ?
 このセリフ……たしかヒロインとのハピエン付近のラブシーンで出てきたヤツでは……??
 うん?
 ある意味、公式設定からブレない人だからこそ、こういう艶めくシーンで口にする言葉はだれが相手でも変わらないってことなのか……?

「~~~~っ、はうぅっ!」
 そんなかんがえごとをして、うっかり目の前から注意がそれたとたん、指先がとある一点をとらえる。
 その瞬間、強烈なまでの快感が全身を貫いた。

「ほう?、ですか?」
「やっ、なん……ヒッ!?」
 指先がそこをとらえてこすってくるたびに、視界いっぱいに白い光が明滅したような刺激であたまはクラクラし、腰の奥から首すじまで甘いしびれが一気に走り抜ける。

「あっ!?アッ、うぁ……やめっ、~~~~~っ!!」
 なんだよ、これ、マジで声がおさえられねー!!
 想定なんてはるかに飛び越えてきたような強烈なまでの快感に、からだは、太ももはガタガタとふるえた。

「フフ、気持ちいいでしょう?男同士だからこそ、女性を抱くだけでは決して得られない、快楽というものがあるんです」
「アッ……あぁっ、ンッ……や、ヤダぁ……っ!」
 おかしい、いくら『魅了香チャーム・パフューム』が効いているからといって、こんなに気持ちいいものなのか!?

「忘れられないはじめての記憶を、キミのからだに刻んであげる」
 怒涛のいきおいで押し寄せる快楽に流され、息をするのも忘れてしまいそうな俺の耳もとでささやかれたセリフは、やっぱりヒロインとのラブシーンでのそれだった。

 なにがどうして、こうなった───!?
 問いかけたくとも、もはや俺にそんな余裕は残されていなかったのだった。
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