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第二章 王国国立学園入学。
Ep.9.0-① アルフェリス家の剣。-①
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その後、また色んな人達に声を掛けられ続けたり、他の八大貴族のみなさんにあいさつに行ったり、ルアが口いっぱいに食べ物を詰め込みすぎて喉に詰まらせているのを助けたりしていたら、祝賀会は終わった。
午前十時から始まったのに、終わったのが午後十一時過ぎ、つまりは十三時間ぶっ通しだったのは自分にとっては長すぎて衝撃的だった。
というか俺たちのために色んな人達にそんなに時間を使ってもらって申し訳ないなと思った。
(これぐらいの長さは八大貴族の人間の祝賀会とかだったら全然普通らしい。
なんなら結婚式とかの場合だと丸々一日分消化したりも普通にするんだとか。
マジで狂ってるね、うん。
○す気なのかな?)
また、それに加えて前世では経験のなかったほど多くの人達と一気に会ったり話したりなどしていたせいか、俺はもう精神的にも身体的にもくたくたになっていた。
しかし、本当だったらすぐにでも家に帰りたかったものの、じいちゃんに俺のことを相談しなければならなかったため、そうする訳にはいかなかった。
そのため、俺と父さんは祝賀会が行われていた宮殿を出ると、ルアと母さん、兄さん姉さん達と別れ、父さんが既に呼んでおいていた馬車に乗り込んだ。
ここからじいちゃんの家までは三時間ぐらいかかるからその間、寝てても良いと父さんに言われた俺は、その言葉を言われた次の瞬間からもう記憶がない。
まあ、疲れすぎだったんだろうな。
「レイジ、起きろ。
着いたぞ。」
父さんに揺すぶり起こされると、もうじいちゃんの家に着いていた。
クソッ、起こすなよ。
もうちょっと寝てたかったのに……。
大きなあくびを一つしてから俺は馬車を降りた。
じいちゃんの屋敷はアリシス王国西部の穏やかな田舎街リスタリスにある。
俺の住んでいる王都にある屋敷よりも二回りほど小さい上に、非常に不便な所にあるが、じいちゃん曰く、隠居している身の自分にとってここは最高の終の住処らしい。
王都は騒がしすぎてもう疲れたんだとか。
まあ、その気持ちは分かるような気がする。
自分も前世では、将来定年退職したら田舎でのんびり過ごしたいって思ってたし。
それに加えてこの屋敷にはじいちゃんが本好きだということもあり、俺の住んでいる屋敷とは比べ物にならないほど沢山の本がある。
もちろん家にないようなもっとハイレベルな魔導書も。
そんなこともあって俺はルアと一緒に頻繁にここに来ている。
父さんが門を叩くと直ぐに執事さんが出てきた。
「これは、レナード様。
それに、レイジ様も。
こんな夜遅くに一体どう致しましたか?」
「夜分遅くにすまないね。
ちょっと急用でね。
悪いんだが父さんを起こしてもらっていいかい?
アルフェリス家の今後に関わることだって伝えてくれ。」
そう言うと執事さんは驚いたような顔をしたものの、直ぐに頷き、俺たちを応接間に通し、じいちゃんを呼びに行った。
メイドさんが何か必要かと聞いてきたのでコーヒーをお願いした。
カフェイン取らないと今すぐにでも寝落ちしてしまいそうなのだ。
メイドさんは驚いた顔をしていたが、直ぐに準備すると言って何処かに行った。
しばらくして、メイドさんがコーヒーカップとポッドを持ってきてくれた所で遂にじいちゃんが来た。
応接間に入って来るなり、じいちゃんは眠そうな顔をしながらまず父さんに文句を言った。
「おい、このバカ息子。
年寄りをこんな夜遅くに叩き起こすとは何事か。
全く、しょうもない話だったら、わしは流石にキレるぞ?」
ごめんじいちゃん。
俺のせいで……。
「父さん。
これは本当にアルフェリス家の今後に関わることなんだ。
今日がなんの日か……分かるよな?」
父さんがそう言った瞬間、じいちゃんの目が変わった。
「分かっとる。
レイジとルアの七歳の誕生日、つまりは“技能”測定の日じゃろ?
そんな日のこんな真夜中に訪ねて来るというのとその表情……ふむ、只事ではないな?
何があった?
ルアを連れて来ていないと言うことは……レイジのことか?」
さすがじいちゃん。
よく分かっている。
「そうなんだ!
只事とかもはやそう言うレベルじゃないんだ!
レイジが……レイジの“技能”が八つあって、そのうちの一つが二刀流で、なんか意味分かんないランク測定不可な六次性能力の無限成長者とか言う意味分かんないの持ってるし、魔素因子が闇と水だし、急に王女と婚約とか言う話になるし……!」
「ちょ、ちょっと落ち着け、なんだって!?
二刀流!?
それになんだ?
その、無限成長者とか言うやつとか!?」
流石のじいちゃんも相当取り乱してるみたいだ。
***
こんばんは、錦木れるむです。投稿予約を入れ忘れてました……すいません。
ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援、感想コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、お気に入りももよろしくお願いいたします!
午前十時から始まったのに、終わったのが午後十一時過ぎ、つまりは十三時間ぶっ通しだったのは自分にとっては長すぎて衝撃的だった。
というか俺たちのために色んな人達にそんなに時間を使ってもらって申し訳ないなと思った。
(これぐらいの長さは八大貴族の人間の祝賀会とかだったら全然普通らしい。
なんなら結婚式とかの場合だと丸々一日分消化したりも普通にするんだとか。
マジで狂ってるね、うん。
○す気なのかな?)
また、それに加えて前世では経験のなかったほど多くの人達と一気に会ったり話したりなどしていたせいか、俺はもう精神的にも身体的にもくたくたになっていた。
しかし、本当だったらすぐにでも家に帰りたかったものの、じいちゃんに俺のことを相談しなければならなかったため、そうする訳にはいかなかった。
そのため、俺と父さんは祝賀会が行われていた宮殿を出ると、ルアと母さん、兄さん姉さん達と別れ、父さんが既に呼んでおいていた馬車に乗り込んだ。
ここからじいちゃんの家までは三時間ぐらいかかるからその間、寝てても良いと父さんに言われた俺は、その言葉を言われた次の瞬間からもう記憶がない。
まあ、疲れすぎだったんだろうな。
「レイジ、起きろ。
着いたぞ。」
父さんに揺すぶり起こされると、もうじいちゃんの家に着いていた。
クソッ、起こすなよ。
もうちょっと寝てたかったのに……。
大きなあくびを一つしてから俺は馬車を降りた。
じいちゃんの屋敷はアリシス王国西部の穏やかな田舎街リスタリスにある。
俺の住んでいる王都にある屋敷よりも二回りほど小さい上に、非常に不便な所にあるが、じいちゃん曰く、隠居している身の自分にとってここは最高の終の住処らしい。
王都は騒がしすぎてもう疲れたんだとか。
まあ、その気持ちは分かるような気がする。
自分も前世では、将来定年退職したら田舎でのんびり過ごしたいって思ってたし。
それに加えてこの屋敷にはじいちゃんが本好きだということもあり、俺の住んでいる屋敷とは比べ物にならないほど沢山の本がある。
もちろん家にないようなもっとハイレベルな魔導書も。
そんなこともあって俺はルアと一緒に頻繁にここに来ている。
父さんが門を叩くと直ぐに執事さんが出てきた。
「これは、レナード様。
それに、レイジ様も。
こんな夜遅くに一体どう致しましたか?」
「夜分遅くにすまないね。
ちょっと急用でね。
悪いんだが父さんを起こしてもらっていいかい?
アルフェリス家の今後に関わることだって伝えてくれ。」
そう言うと執事さんは驚いたような顔をしたものの、直ぐに頷き、俺たちを応接間に通し、じいちゃんを呼びに行った。
メイドさんが何か必要かと聞いてきたのでコーヒーをお願いした。
カフェイン取らないと今すぐにでも寝落ちしてしまいそうなのだ。
メイドさんは驚いた顔をしていたが、直ぐに準備すると言って何処かに行った。
しばらくして、メイドさんがコーヒーカップとポッドを持ってきてくれた所で遂にじいちゃんが来た。
応接間に入って来るなり、じいちゃんは眠そうな顔をしながらまず父さんに文句を言った。
「おい、このバカ息子。
年寄りをこんな夜遅くに叩き起こすとは何事か。
全く、しょうもない話だったら、わしは流石にキレるぞ?」
ごめんじいちゃん。
俺のせいで……。
「父さん。
これは本当にアルフェリス家の今後に関わることなんだ。
今日がなんの日か……分かるよな?」
父さんがそう言った瞬間、じいちゃんの目が変わった。
「分かっとる。
レイジとルアの七歳の誕生日、つまりは“技能”測定の日じゃろ?
そんな日のこんな真夜中に訪ねて来るというのとその表情……ふむ、只事ではないな?
何があった?
ルアを連れて来ていないと言うことは……レイジのことか?」
さすがじいちゃん。
よく分かっている。
「そうなんだ!
只事とかもはやそう言うレベルじゃないんだ!
レイジが……レイジの“技能”が八つあって、そのうちの一つが二刀流で、なんか意味分かんないランク測定不可な六次性能力の無限成長者とか言う意味分かんないの持ってるし、魔素因子が闇と水だし、急に王女と婚約とか言う話になるし……!」
「ちょ、ちょっと落ち着け、なんだって!?
二刀流!?
それになんだ?
その、無限成長者とか言うやつとか!?」
流石のじいちゃんも相当取り乱してるみたいだ。
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