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第二章 王国国立学園入学。

Ep.15.0-① "事実"と"真実"。-①

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やばいな……。
流石に、実は俺、転生者で、ルアは元女神なんだ、とか言えるはずがない。
決して、みんなを信用していないとかそういうのじゃないんだけど、情報は何処からだって漏れる可能性はある……。

それに、そもそも、何処から何処までの範囲だったら話してしまっても大丈夫なだ?
本来ならば、こういう時の事を考えて事前に、ルアと相談して口裏合わせして、上手く立ち回るのが最適解だったのだろうか?
いや……元々相談していたとしても、もう既に両親がネタだと思っていたという想定外《イレギュラー》が発生しているか……。
クッソ、何から何まで対策が甘すぎた……!

今更ながら、過去の油断していた、このような事態への対応をしっかりと考えていなかった自分の事を恨む。

さらに、今、ルアと念話で相談しようにも、当のコイツは今、ゴロゴロと転がっているだけで、全く当てにはならないし……。 
本当は避けたいが……ここは俺の独断でどうにかするしか無さそうだな。
ともかく、どうする……?
どのように、俺達二人のを都合の良いに捻じ曲げる……?

ともかく頭を必死で頭を高速回転させる。
それと同時に、みんなに、違和感を感じさせないように会話に答える。

「ああ、本当だよ。
 そう言えばちゃんと父さんと母さんに説明してなかったかも。
 ごめん、報告が遅くなっちゃって……」

どのようなを作り出すのが最適なのかを考える。
脳の半分で一つ一つの文に余計な要素を織り交ぜながら会話をし、時間を少しでも長く稼ぐ事を意識しつつ。

……まず、いつのあたりから、お互いに好意を持つようになったのか、そこのちょうどいい答えから考えなくてはならない。

「ま、まぁ、それは分かった。
 だが……レイジ。
 エレナ様と婚約してるよな……?
 エレナ様、失礼ですが、この件はご存知で……?」

よし、一時的ではあるものの、父さんの関心がエレナ様に向いた。
その隙に一気に準備していたピースを組み上げて行く。

まずは、好意を抱いたタイミングだ。
 
俺が自分のルアに対しての明確な好意を確認したのはついさっき。
でも、エレナ様にはこの婚約の事はご存知な訳だから、俺がルアに対して好意を抱き始めたのは、三歳ぐらいからって事にしておくのが妥当だろう。
(事実、転生前にルアンメシアだった頃のルアを見て、かわいいって思ったんだよな。本人に言ったら絶対調子に乗るだろうから口が裂けても言わないんだけどね)

次に、プロポーズしたのはどっちか。

プロポーズしたのはルアの方だ。(しかも転生前)
だが……なんか、やだな……。
してきたのがルアだって言うとなんか俺がまるでチキン野郎だってことみたいにならないか……?
されるまで自分から動けなかった奴とか言って、めっちゃいじられる予感がする……。
しょうがない……ここは俺が先にプロポーズしたって事にしておこう……。

そして、本当に、本気で俺がルアの事を愛しているのかどうか。

これに関しては……間違いなく、愛している。
今は確信を持って言える。
もう、ルアを心配させたくないし、一人にしたくない。
そう、切に思う。
最初はなんだよこいつ……とか呆れる事ばかりだった。(今でも呆れる事は多々ある。ある程度許せるようになったというか、慣れたのだろう、俺が)
でも、段々と、少しずつ、それすら、そんなくだらないことですら、愛おしく思えた。
これを謀ってやったのだとすれば、ルアは相当な策士だ。
それほどに、只々、尊いのだ。
彼女が、ルア・アルフェリスが。


……固まったな。

ちょうど、エレナ様がこの事を把握していると答えた所で、作り出したがようやく形になった。

「な、なるほど。
 分かりました……。
 ありがとうございます」

そう言ってエレナ様に頭を下げた父さんはしばし、黙り何かを考えるような表情をした後、口を開いた。

「レイジ……」

ああ、ちゃんと上手く説明しないとな……。
う、胃が痛い……。

ちょっとばかりの不安を抱きつつ、父さんの言葉の続きを待った。


***
おはようございます、眠い錦木れるむです。
皆さまの応援もあり、完全とは言えないもののそこそこモチベが復活致しました。
応援してくださった方々、温かい目で見守って下さった皆様、本当にありがとうございました!
これからも頑張っていきますので、今後とも応援していただけるとありがたいです!

また、今年の1111の文芸フリマで、胸を張って錦木れるむです!と言えるような作家になれるよう、頑張って行こうと思います!


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