過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

文字の大きさ
37 / 122
第3章 慈愛の愛姫と拳帝襲来

~奴隷と王女~

しおりを挟む
前書き

会話パート

「」アオイ 『』セリーヌ {}その他1 〔〕その他2

今回はそんな展開ないだろ!的な場面が多々あります
そこは目を瞑って頂けたら嬉しいです
とにかく仲良くなったよ!的な事が伝われば幸いです

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

僕はアオイ。奴隷だよ

人間に里を襲われて、親や兄弟、里の人達大勢が殺された
抵抗した者はみんな皆殺し
抵抗しなかった人やできなかった
・・・・・・
僕はみんな捕らえられて奴隷商に売られた
僕は別に人間を恨んでいない
里でも一人ぼっちで忌み子扱いされていたから
復讐も何もない、ただこの先どうなのかが不安なんだ

{おい、こいつらを帝都まで運んでいくぞ} 
{エルフじゃねえか!大儲けできるな!}

町の奴隷商の人達が話している
僕達は帝都に運ばれるらしい
帝都エクスペイン。一度里を抜け出していったことがある
きれいな建物や様々な人達がいた気がする
今後ずっと奴隷ならいい人に買われたいな

□□□□

帝国エクスペイン領・街道

今僕達は馬車の檻の中で帝都まで運ばれている
男性と女性それぞれ別々に分けられている
僕は男性のところだ。あ、あの僕、女の子だよ?
確かに薄汚れてて髪も短いしぺったんこだけど・・・
数日馬車に揺られていたら、途中大声が響いた
どうやら盗賊に襲われているみたい

{てめぇら!男は皆殺し、女は奪え!}
{エルフもいるじゃねぇか!夜が楽しみだな!}

あれ?もしかして僕やばいんじゃないの?
殺されちゃう?

奴隷商の馬車には屈強な冒険者さんが護衛についてるみたいで、どんどん撃退してるみたい
ふぅ、助かった、男性と間違われて死んじゃうとか最悪だよ
ホッとしたのも束の間、様子がおかしくなってきた
当初は撃退されて怯んでいた盗賊達だが急に統率が取れはじめてきたみたい
おかしいなって思っていたら盗賊側に盗賊らしくない立派な人がいる
その人は屈強な冒険者さんを片っ端から殺している

え?やばいんじゃない?殺される?

既に女性側の檻は奪われているみたい
後は皆殺しと物資の略奪だけ
矢が飛来してきたりして檻の中の男性達もどんどん死んでる
僕は死体となった男性達に覆いかぶされるような形になって下敷きになっていた
重いし、吐きそうだし、怖いし、泣きそう、泣いてた
きっと殺されるんだ・・・

僕は神様を恨んだ
エルフなのになんで魔法が使えない体にしたのか
だから忌み子として疎まれた。親や兄弟、里の人達から
いつも一人ぼっちだった。誰かに必要とされたかったのに
何のために生まれてきたのかな・・・

・・・。

しばらく人生を諦め呆けていたら静かになった
あれ?助かったの?
死体を押しのけて恐る恐る外を見たら、

『あら、生きていたんですの?』
い、生きてました、ごめんなさい・・・

小さい少女が声をかけてきた
僕よりもきっと下。耳と尻尾があるから獣人、狼人族かな
きれいな青髪にツインテール、ちょっと吊り目
何より特徴的なのが翡翠と碧眼のオッドアイ

『聞こえているんですの?』
あ!無視した感じになっちゃった・・・

「あ、あの・・・盗賊は?」
『あら?女の子でしたの?盗賊はみんな倒しましたの。弱かったですの』
やっぱり間違われてた・・・でもこの子が盗賊を?

『名前はなんて言うんですの?今開けますの』
「僕はアオイ。アオイだよ。助けてくれてありがとう」
『別に助けたわけじゃないですの』
え?檻を素手で開けてるよ!?鎖も素手!?

解放された僕は当たりを見回してみた
生き残ったのは僕だけみたい・・・
辺りには無数の死体が転がっていた
あっ。現在の主人の奴隷商も死んじゃってる
この場合所有権移るんだよね?
奇妙なのは盗賊らしき人達の死体の中には頭部がない人もいるぐらい

僕を助けてくれた女の子は慣れた手つきで遺体から持ち物を回収していた
旅慣れてるのかな

『アオイ、これなんですの?』
あ、呼び捨てなんだ。まぁいいけど

女の子がまさぐっていた遺体は、盗賊の中で盗賊らしからぬ人だったやつだ
そして僕に見せてきたそれはマジックアイテムだった

「それマジックアイテムだよ。魔力を流せば何なのかわかるよ」
『はぅ、魔力ないんですの。アオイ代わりにやるんですの』

(え?魔力ないの?魔法使えなくてもマジックアイテム使える位は普通ない?)

女の子の代わりにマジックアイテムを起動すると、武闘大会の参加資格だった

(あ~道理で強いわけだよね、なんか立派な身なりだったし。なんでそんな人が盗賊を?)

疑問は沸いたが、とりあえず今はよしとしよう

「これ武闘大会の参加資格みたいだよ。この人、予選突破したみたいだよ」
『予選とかあったんですの。じゃあこれあれば出られますの?』
え?出るの?冗談でしょ?

「出る気なの?嘘でしょ?勝てるわけないよ?怪我するよ?」
『武闘大会出る為に帝都目指してたんですの。優勝するんですの。アオイありがとうですの』
優勝って・・・。でも帝都目指してるのか

女の子はひとしきり遺体から持ち物を回収して、ブローチに収納していた
あれもマジックアイテムじゃないの?
さっき魔力ないって言ったような・・・

「あ、あの。そのブローチもマジックアイテムじゃないの?さっき魔力ないって言ってたけど・・・」
『マジックアイテムですの。だけどこれは特別製ですの。魔力がなくても使えるんですの』
そんなの聞いたことないよ・・・なんなのこの子?

しばらくすると女の子は回収作業が終わったみたい
まだ小さいのにしっかりしてる

『終わりましたの。そろそろ行きますの。アオイはどうするんですの?』
「僕、奴隷だから・・・」
(えっと、元所有者死んじゃったから、今はこの女の子がご主人様なんだよね?)

『そんなの見ればわかりますの』
「い、今、僕の所有者は・・・えっと、な、名前は?」
(そういう事を言いたいんじゃないよ。あ、名前教えて貰ってないや・・・)

『セリーヌはセリーヌですの!』
「今、僕の所有者はセリーヌ様だよ。元主人の奴隷商死んじゃってるから」

『そうなんですの?でもセリーヌは奴隷は・・・いらないんですの。奴隷がいるほど困ってないですの。どうすればいいんですの?』
「僕を奴隷商に売るか、奴隷から解放するしかないと思う。でも奴隷の解放にはたくさんお金かかるらしいから、ほとんどの人はいらない奴隷は奴隷商に売るはずだよ」
(そうだよね、エルフなのに魔法使えない僕は・・いらないよね)

『奴隷商に売るですの・・・。そんな汚い格好させられるなんてかわいそうですの。なら解放してあげますの。どれだけかかるんですの?』
「そ、それは僕にもわからないよ。奴隷商に聞かないと。ただどっちにしても、奴隷商に行かないと僕逃亡奴隷になっちゃうから・・・」
(え?売らないの?しかも解放!?全くの他人なのに!?)

『わかりましたの。じゃあアオイ行きますの。アオイは馬乗れますの?』
「ううん、乗れないよ」
(他のみんなは乗馬教わってたけど、僕忌み子で嫌われてたしね)

『仕方ないんですの。セリーヌに捕まるですの。行きますの』
「あ、ありがとう」
(うわぁ、なんかすごいいい匂いするなぁ、セリーヌ様)

こうして僕とセリーヌ様は帝都エクスペインに向けて旅立った

□□□□

帝国エクスペイン領・とある大きな町

セリーヌ様と帝都に向けて馬を駆けながらしばらくすると町が見えてきた
まだ十分日は高いので素通りするのだろうと思っていたら

『とりあえず今日はここまでですの』
「え?まだ日は高いようだけど?」
(まだ次の町まで全然余裕だと思うんだけど・・・)

『アオイ、汚いし臭いですの。きれいにしますの』
「ご、ごめんなさい」
(そんなハッキリ言わないでよ!汚いけどさ。しかも、く、臭いんだ・・・セリーヌ様と比べたらそうなんだろけど。)

落ち込んでる僕を気にもしないでどんどん進んでいく
セリーヌ様が立ち止まったのは如何にも高そうな宿
僕なんかじゃ一生縁が無いような場所だった

(ほわぁ~。高そうな宿~。セリーヌ様のお召し物も立派なものだし、貴族様なのかな?でも貴族様が一人で旅もしないだろうし・・・)

『アオイ、何してますの?いきますの』
「う、うん」

中に入るとそれはもうきらびやかな世界が広がっていた
あまりにも世界が過ぎるので僕は戸惑った

〔いらっしゃっいませ。ご休憩でしょうか?それとも、ご宿泊でございましょうか?〕
『泊まりますの』

(受付の方に今ちらりと見られた?そうだよね。こんな汚い奴隷いたら気になるよね)

〔そちらは奴隷でよろしいでしょうか?お客様お一人様のお部屋と奴隷用の部屋とで1泊金貨2枚でございます〕
『・・・?アオイと一緒の部屋でいいですの。二人部屋頼みますの』
「セ、セリーヌ様!?」 

〔・・・畏まりました。お二人様部屋で1泊金貨4枚でございます〕
『よろしく頼みますの』
(え?え?セリーヌ様と一緒の部屋?僕奴隷なのに?)

こうして戸惑っている僕を余所に部屋に着いた
中には二つのベッドに高級感溢れる椅子やテーブルなど
なんか僕場違いな感じがするんだけど・・・

『早速アオイをきれいにしますの。一緒にお風呂入りますの』
「奴隷なのにお風呂!?いいの?普通奴隷はお風呂とか高級なもの入らないよ?」
(お風呂って王族とか貴族とかが入る、あれだよね?)

『アオイをきれいにするためなのに入らなくてどうするんですの?』
「いや、お湯とかもらって体拭けばいいと思うけど・・・」
(奴隷はきっとみんなそうだと思うんだけど・・・)

『お風呂あるのにお湯頼む必要ないですの。早くするんですの』
「う、うん。わかったよ」

セリーヌ様と一緒にお風呂に入った僕は体の隅々までセリーヌ様に洗ってもらった
最初は自分で洗えるからと言ったけど、いいんですの、と押し切られた。世話好きなのかな?
初めてのお風呂は気持ち良かった
貴族様とか毎日だよね?羨ましいな~

頭を洗ってもらっていた時にセリーヌ様から

『あら?アオイ、可愛い顔してますの。前髪で顔隠してるのもったいないですの』
「あ、ありがとう。髪は自分で切ってたから、敢えて顔見えないようにしてるの。僕嫌われ者だったから・・・」

『そう・・・なんですの。でも今は違いますの!セリーヌはアオイ嫌いじゃないですの。女の子は可愛くしないといけないですの!あとで整えますの』
「ええ!?いいよ、僕可愛くないし・・・」

『いいんですの、いいんですの。じゃあアオイ、セリーヌも洗って欲しいですの』

セリーヌ様の頭を洗うことになった僕は驚いた
こんなにしなやかで細くさらさらな髪初めて触れたよ
手を髪にあてるとまるで水が流れるように自然と梳かれる
獣人の特徴である耳と尻尾はふっさふさでなんかきもちいい
よほどいい生活してるのがよくわかる
それでも威張り散らさないんだから不思議な子だ

『アオイ、とりあえずこれを着ますの。あとでアオイの服も買いに行きますの』

渡されたのは見たこともないようなきれいなドレスだった
いやいやいや、奴隷はこんなもの着ないよ!

『それ着たら早速アオイの髪整えて、アオイを可愛くしますの♪』
「お、お願いします」

なんだろう?セリーヌ様がうきうきされてるような?
う~ん、前髪は切って揃えますの、とか
全体的にきっちり揃えず敢えてバラツキを、とか
なんか地味だから一工夫をしたいですの、とか
どうなってるんだろう?
髪とかはあまり興味ないからなんでもいいけど気になる  

『できましたの!アオイ可愛いですの!』
「こ、これが、僕?」

鏡を見せてもらった僕は目の前に映る僕をみて目を見開いた
髪全体は違和感がないぐらいに、多少バラツキがあるよう揃えられてる
前髪だけは顔が隠れないようきれいに揃えられている
更に特徴的なのが上下左右の髪の一房ずつを高い位置でまとめ結んでいるみたい。あれ?これって・・・
銀髪ツーサイドアップのぱっつんショートヘアだった
どれだけ詰め込んじゃったの!?

『少し違うけど、セリーヌと似たお揃いの髪型ですの!姉妹みたいですの。セリーヌがお姉ちゃんですの』

セリーヌ様のツインテールと僕のツーサイドアップ
少し違うけど似ているよね
でもセリーヌ様がお姉ちゃんって・・・
どう見ても年下にしか見えないよ、年下だよね?年上なの?
でもセリーヌ様嬉しそうだし、僕も満更じゃなかった
なんか優しくされたの初めてだったし、本当の姉妹ってこんな感じなのかな

『じゃあ、アオイの服買いに行きますの。お腹空いたしご飯も食べますの』
「ぼ、僕の服とかいらないよ!帝都までそんなにかからないし、そもそも奴隷だから」
(奴隷に服買うとか聞いたことないよ!)

『なに言ってますの。毎日同じもの着ているわけにはいかないですの。女の子がお洒落をして可愛くするのは義務らしい・・・・・ですの』
「そんな義務聞いたことないよ。誰が言ってたの?」

『セリーヌの大切な人ですの。{可愛い女の子はお洒落をする義務がある。せっかく可愛いのにそれを活かさないのは生まれてきた意味がない。神への、俺への冒涜だ。できない環境なら仕方がない。でもできる環境があるならしないのは怠慢だ。興味あるなしの問題じゃない。可愛い女の子は常に可愛くあれ。可愛く生まれた以上は可愛くするのが義務であり、それが女の子の生きる目的だ。夢も希望もどんどん持て、更に可愛くなる。逆に絶望する時もあるだろう、でも可愛くいることを忘れるな。可愛さを忘れなければ生きる目的もなくならない。だから可愛い女の子は可愛くして俺を楽しませろ!てか、楽しませてください!お願いします}って言ってましたの。だから可愛いアオイは可愛くする義務があるんですの』

僕はあぜんとしていた。傲慢、押し付けもいいところだ
でもここまで酷いと逆に清々しい、悪い人じゃなさそう
僕が可愛いかはわからないけど、それを生きる目的にしてもいいんだ・・・
こんな僕でも夢や希望を持てば可愛くなれるのかな? 
絶望しても可愛くいることを忘れなければ生きる目的も忘れないか
めちゃくちゃで意味がわからないよ、でもなんかいいと思う
一度は絶望して諦めた僕だけど、もしまたあったらそうしてみよう
なんだろう、めちゃくちゃな人らしいけど会って話してみたいな・・・
セリーヌ様に付いていけば会えるのかな、会ってみたいな

『アオイ、ぼっ~としてどうしたんですの?行きますの』
「うん!お願いします!」

まずは可愛くなる努力をしてみよう!
可愛くなれるかどうかはわからないけどやってみたい!
セリーヌ様みたいに可愛くなれる自信はないけれど、可愛くするのが義務みたいだから
奴隷を奴隷のように扱わないセリーヌ様に甘えるようで、心苦しいけど僕ができる範囲で頑張ってみよう!

□□□□

帝都エクスペイン・北門

数日後、僕とセリーヌ様は目的地の帝都エクスペインに着いた

道中セリーヌ様とはたくさんの話をした
セリーヌ様は異世界の人であるとか
大切な人も異世界の人で、今この世界にいるので追いかけてきたとか
夢物語かと思って驚いた

さらにセリーヌ様は王女様というのにも驚いた
身なりは確かに貴族然としているから王女様にも見える
でも王女様が愛しい人を一人で追いかけてくるとか、僕が知ってる王女様とのイメージとは全く異なるよ
しかも異世界だし。すごいよ、セリーヌ様

セリーヌ様の愛しい人はユウ様だと言うのも教えてもらった
ユウ様のことを話している時のセリーヌ様はいつもと違って完全な乙女だった
セリーヌ様もこんな表情もあるんだね
僕もユウ様には興味があった
生きる目的、頑張れる目的を決意させてくれた人だから

ユウ様に耳や尻尾をもふもふされるのがセリーヌ様の幸せみたい
僕も耳を触らせてもらった。もふもふで癖になりそう
尻尾も触ろとしたら憤怒された。なんで!?
尻尾はユウ様専用らしい。そ、そうなんだ、残念

セリーヌ様はやはりお世話好きらしい
王女様だよね?奴隷である僕にも色々世話をしようとする
上のお姉さんによくお世話をしていたらしく、癖みたいなものだそうだ

そしてセリーヌ様は甘えん坊だった
大体のことは一緒にするよう言われる
お風呂や食事、買い物や寝る時など
そのあたりはやはり年相応なのかな、と思う

なんだかんだ言って短かったけど、セリーヌ様との旅は楽しかった
セリーヌ様も僕を奴隷扱いしなかったし、酷いこともされなかった。
むしろ奴隷なのに本当にいいの?ってことばかりだった
僕を一人の女の子として見ていた
セリーヌ様も楽しそうに笑っていた気がする
そうだったら・・・いいな
本当にいいご主人様。離れたくないな・・・

『やっと着きましたの。大会頑張りますの!』
あぁ、遂に到着しちゃった。セリーヌ様とお別れなのかな

『早速宿を探しますの。アオイと一緒に・・・・・・・入れる大きいお風呂のある宿がいいですの』
あれ?セリーヌ様忘れてる?奴隷商に行かないの?

「セリーヌ様、奴隷商には行かないの?」
『奴隷商?なんでですの?』
えええ!?忘れちゃったの!?

「僕、奴隷だから・・・。奴隷はいらないって、前言ってたよね?所有者はセリーヌ様だから、奴隷商に売るか、奴隷解放してくれないと、僕逃亡奴隷になっちゃうよ」
『あら?アオイ奴隷でしたの?すっかり忘れてましたの』 
え?本当に?確かに奴隷扱いされなかったけど忘れる?

『う~ん。困りましたの。セリーヌはアオイのお姉ちゃんだし、アオイはお友達・・・お友達・・・ですの。一緒にいたいですの。解放したら一緒に居てくれますの?』
「え?この前奴隷・・はいらないって言ってたよ?」
(お姉ちゃんはいいとして、僕が友達?)

『そうですの。奴隷・・はいらないのですの。奴隷がいるほど困ってないですの。アオイは奴隷じゃないですの。お友達ですの。だから解放したら一緒に居てくれますの?』
「う、うん。僕なんかが友達でいいなら」
(セリーヌ様、僕を必要としてくれるんだ・・・嬉しい)

『ありがとうですの!アオイ!大好きですの!』

アオイに勢いよく抱き着くセリーヌ
その笑顔はとても可愛らしかった
アオイもまたそんなセリーヌを可愛らしいと感じていた

『じゃあ、早速アオイを解放しにいきますの』
ずんずん進もうとしたセリーヌをアオイは止めた

「セリーヌ様。友達・・としてお願いがあるの。僕の奴隷解放はしなくていいよ。その代わりに僕と正式に奴隷契約してほしい!セリーヌ様が奴隷をいらないのは知ってるよ。それでも契約をしてほしい」 

『?なんでですの?解放しても一緒にいてくれるなら契約する必要ないですの』

「解放してくれても一緒にいるよ、友達だから。でも奴隷だったからセリーヌ様に出会えた。奴隷だったからお姉ちゃんができた。奴隷だったから初めて友達ができた。僕にとってセリーヌ様の奴隷でいることは何にも替えがたい宝物なんだ。だから友達セリーヌ様と一緒にいられるなら契約を結ぼうが、解放されようがどっちでもいいんだ。だったら僕は友達セリーヌ様との確かな絆である、奴隷契約を結びたい」

『アオイはそれで本当にいいんですの?』
セリーヌの顔は真剣だった

「うん!友達としてお願いしたいよ!」
アオイの顔は晴れやかだった

しばらく考え込むセリーヌ 
それをただひたすら見つめるアオイ

『ふぅ。困った、奴隷友達ですの。友達のお願いなら聞いてあげますの。アオイ、行きますの。奴隷友達契約しにですの』

困ったと言いつつもその顔は慈愛に満ちた笑顔だった
そんなセリーヌ友達の顔をみて、またアオイも満面の笑顔を返すのだった


奴隷と王女の奇妙な出会いは、新たな友情を育む奇跡だった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き

キャラクター紹介

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セリーヌ=セラ=ハラスティン 13歳 ♀ レベル:500

種族:獣人(狼人族)
職業:ハラスティン王国第3王女
称号:拳帝/勇者を慈愛せし者/ドラゴンスレイヤー
   魔王を闘滅せし者/魔神を闘滅せし者/憤怒せし者
   魔王に愛されし者

H140・W32・B68・W34・H72

青髪ツインテールヘア・翡翠眼と碧眼のオッドアイ

好き:ユウジ・甘いもの全般(特にキャンディ)
   お洒落・お風呂
嫌い:退屈・弱い男性・辛い物・マリーの強烈な独占欲
   ユウジ以外に尻尾を触れられること(憤怒)

最近の悩みは成長期なのに胸が大きくならないこと

『人物紹介』

ハラスティン王国第3王女「脳筋系ヒロイン」

ユウジが二度目に勇者召喚されたショーマリーの王女
当初は優しく賢く可憐な無力な少女だった

ユウジは初めての勇者召喚で出会ったマリーに、今回は出会えなかった事に気を落とす
毎夜悲しむユウジを励ましている内に、ユウジのマリーに対するひたすら一途な気持ちに心を寄せるようになる

魔王討伐の旅立ちに同行を願ったが断られる
諦めきれずにユウジに内緒でついていき事件にあい、生死をさまようことになる
ユウジに激しく拒絶されたが、それでも諦めきれずに修業の為、仙人が住む山に一人で登り拳神と出会う

激しい修業を終えた後は、魔王討伐を成したユウジとマリーを追いかけ、ユウジに気持ちを伝えてマリーの激怒を買う
死闘は結局マリーにズタボロにされた
マリーとの死闘後、ユウジとマリーから愛される愛姫となる(特にもふもふ)
強くなってからも鍛練を欠かさない内、ショーマリーにおいて無敵の存在になる

お世話好きで、種族に対して偏見なく見ることができる

嫉妬心は全くないので、お嫁さんが増えることには肯定的
ただし、マリーが怒るから表面は否定的

性に関しては興味深々。ユウジはセリーヌのもふもふを深く愛している

「慈愛」ポジション

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アオイ 15歳 ♀ レベル:5

種族:エルフ
職業:なし
称号:なし

H145・W40・B70・W39・H73

銀髪ツーサイドアップのぱっつんショートヘア

好き:セリーヌ・お風呂・果物
嫌い:弱いものいじめ

最近の悩みはセリーヌの尻尾をもふもふしたいこと

『人物紹介』

魔法の使えないエルフ「ボクっ娘系ヒロイン」

人間に里を襲われて奴隷となる
魔法が使えないため里では忌み子として疎まれていた
盗賊に襲われていて所をセリーヌに助けられる

セリーヌからユウジの女性観を聞き、可愛くなろうと決意する
密かにユウジに対して興味を抱く

嫉妬心はそれなりにある
性に関しては興味深々

「奴隷」ポジション

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

処理中です...