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第5章 唯愛の賢妻と傲慢勇者
~観光デートとお悩み解決~エステル攻略戦④
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前書き
会話パート
「」ユウジ {}エステル 〔〕サーシャ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〔ユウジ様。エステル様と気分転換にデートなどされてきてはいかがでしょうか?〕
サーシャからの申し出は突然だった。俺はかなり驚いた
あの嫉妬深いサーシャからは想像できない発言だからだ
しかし同時にチャンスだとも思った
ここ最近エステルが積極的に俺の家族達と交流する姿を見て寂しく感じつつも微笑ましく思っていた
実際みんなと仲良くなることは将来的にもいいことだ
寂しく感じてしまうのは単なる俺の我が儘だな
ところが先日なにかトラブルがあったのか、エステルがふさぎ込んでしまったのだ
まぁ人間関係にはトラブルがつきものだ
だから急に交流を始めたエステルに、トラブルが舞い込んできてしまうのはある意味お約束なのかもしれない
仕方ないと言えば仕方ないのだが、それでも気にはなっていた
そこにサーシャからの申し出があったので、俺は渡りに舟とばかりにその提案に乗ることにした
今思えば、サーシャもエステルのことを気にしてくれていたのかもしれないな
サーシャの細かい気配りに心から感謝したい
□□□□
商都リブループ・散策
ふさぎ込んでいたエステルを半ば強引に連れ出し、俺は避暑地リブループに繰り出した
やってきたのは自然溢れる自然道の散歩コースだ
デート地をリブループに選んだのは、単純に俺がこれまで避暑地観光を一度もしていないからだ
リブループに滞在して既に一ヶ月半これが初の観光だ
(いつも部屋かサーシャの世界に篭っては、スキル作成や鍛練に勤しんでたからなぁ。たまに外に出てもリアとデートする為だったり、ダンジョン攻略するぐらいだし・・・あれ?もしかしたらサーシャはエステルだけではなく俺の心配もしてくれた?)
俺は今エステルと手を繋ぎながら、木々が生い茂る自然の中をゆっくりと散歩している
デート場所にここを選んだのも、エステルのふさぎ込んだ鬱屈した気分が大自然の美しい光景を見ることで、少しは心が洗われてくれればと思ったからだ
さすが観光地ということもあり人はそれなりにいる
と言っても主にご年配らしき方々が大半だが・・・
道すがら、ご年配らしき方々に[可愛い妹さんねぇ~]などと言われるのももはや定番になりつつある
「俺とエステルって周りから見ると兄妹に見えるみたいだな」
{ぐぬぬ。どうして周りからはお師匠様の妹に見えるのじゃ?}
「え?そんなのエステルが小さいからに決まってるだろ?」
{わ、妾は小さくないのじゃ!もう大人なのじゃ!}
そう言ってエステルは少しでも背を高く見せたいのか、その場でぴょんぴょんとジャンプをし出した
(大人という言葉に過剰反応している時点で、既に大人じゃないんだよなぁ)
普通テンプレならここで、「手が痛い!痛い!」とか言い出すのだろうが俺は違う!
俺は確かにエステルが言う、大人である部分をガン見し続けている。こう、ぶるんぶるん、と!
(な、なるほど。確かにエステルは大人だ。いや、大人顔負けでもあるな。ロリ巨乳とかアニメや漫画の世界にしか存在しないと思っていたしな。エステルさん、ありがとうございます!しかしこのままではおもしろくないな。少しからかってやるか?)
「ほぉ~。あくまで大人と言い張りますか。ではどこらへんが大人であると?」
{ぐぬぬ。お師匠様は妾をからかっておるな!いいのじゃ!もうお師匠様には教えてあげないのじゃ!}
(あらら。臍曲がり姫になっちゃったよ。でも・・・ようやく普段のエステルらしさが出てきたな。俺はそのエステルが好きなんだ。気分転換は成功かな?)
俺は普段のエステルに戻ったことがとても嬉しかった
しかし当のエステルは臍を曲げてしまったままだった
こういうちょっとめんどくさいところも実は好きだったりするのだがエステルには内緒だ
この後も俺は、必死にエステルを宥めてようやく許してもらうことができた
ちなみにエステルが大人だと言い張った根拠はあの日が来たかららしい
(生々しい理由だな!おい!確かにエステルは大人だよ。あぁ大人だ。それは失礼した・・・てか、このやり取り以前にもなかったか?)
□□□□
商都リブループ・牧場への道中
エステルが本来の元気を取り戻してとてもはしゃいでいる
俺と繋ぐ手に力が入っているし、ぶんぶんと前後に振られている
痛いんですが!?あ、あの大人の女性とやらはどこに?
(考えてみればエステルと二人きりのデートとかこれが初なんだよな。エステルもその事実に気付いたからこそはしゃいでいるに違いない。うん、絶対そうだ。そう思いたい!だからこそここは勝負に出るべきだろう)
そう考えた俺はとある場所に向かうことにした
{お師匠様!次はどこに向かうのじゃ?}
あぁ、その元気いっぱいの笑顔は年相応で可愛いな!
「今は牧場に向かっている最中だな」
{ほ~。牧場だと乗馬かの?}
あっ。馬もいたんだっけ。まぁ乗馬もついでにするか
「いや、主目的は乳搾りだな」
{~~~!お師匠様はエッチなのじゃ!}
ええええ・・・風評被害もいいところだろ、それ
俺の答えを聞いたエステルは即座に自身の山脈を腕で覆い隠した
その動きたるやまさに電光石火!(ピカチ○ウ君ではありません)
(・・・さすがにひどくね?確かに答える時、エステルの山脈を見たけどさ?てか、誰でも想像しちゃうだろ!)
「いやいやいやいやいや!牧場で乳搾りとか定番!定番だから!誰でも一度は体験してみたいものでしょ!そもそもエステルは経験あるのか?」
{むっ。言われてみればそうじゃの。お師匠様勘違いしてすまんのじゃ。それと乳搾りは妾も経験ないのじゃ}
な、なんかエステルの口から乳搾りと聞くとエロいな!
案外エッチなのかもしれないエステルとともに、俺は牧場へと向かっていった
□□□□
商都リブループ・牧場
・・・あ、あのここはモンゴルでしょうか?
牧場にたどり着いた俺とエステルは呆然としていた
一言で表すなら広大。とにかく牧場は広大だった
牧場というよりは草原と表現したほうがいいのかもしれない
さすがに牛や馬などは放牧されてはいなかったが・・・
俺とエステルは早速乳搾りに挑戦するべく準備を始めた
もはや定番なのだろう、従業員さんが乳搾りのやり方などを説明してくれるみたいだが丁重にお断りした
エステルも不思議がっていたがここは譲れない
{お、お師匠様?やり方聞かなくてもよいのか?お師匠様も初めてなんじゃろ?}
「やり方なら知っている。お○ぱいマスターの実力をナメてもらっては困る!(日々練習しているからな!)」
{くだらないマスターじゃな!?}
ぶふっ!?く、くだらないだと!?
「と、とりあえず教えるからちゃんと聞いておけよ?まずは・・・」
こうして俺とエステルの乳搾り講座と乳搾り体験会が始まった
なんだかんだ言って、エステルも初体験に興味津々みたいだ
かく言う俺も、牛の乳搾りは知識はあっても初めてだ
別のならもみもみし慣れてはいるんだがな!
「いいか?搾り方は親指と人さし指で乳頭のつけねをおさえ、乳が逆流しないようにするんだ。そして中指、薬指、小指と上から順番に指をとじる。それから下に引っぱりだすようにして乳を搾りだすんだ。注意しなきゃいけないのは最初の1~2搾りは、細菌が入っている可能性があるから捨ててしまうことだな。搾る時は少し力を入れるんだぞ?優しくやっても出ないからな(優しく搾るのは女性限定だな!)」
早速エステルは俺の講座内容通りに実践し始めた
しばらくはその様子を眺めていたのだが、エステルも慣れたみたいで順調に搾り出している。搾り出しているのだが・・・
搾り出す度にエステルの山脈が揺れているではないか!
(ぶっ!!!け、けしからん!実にけしからん山脈だ!牛の乳搾りよりもエステルの乳搾りのほうが必要なのではないだろうか?パンパンに張っているじゃないか!あ、後で搾ってあげないとな。うん、そうしよう!・・・げへへ)
あまりエステルばかり見ていると襲いたくなっちゃうので、俺も(牛の)乳搾り体験をしてみることにした
「うぉ!?意外と生温かいんだな!ビックリしたわ!」
{なんかふにふにしてて楽しいのじゃ!}
あっ。それはなんかわかる気がするな!
エステルの言う通り、牛の乳は柔らかくふにふにしていた
微妙な温さも心地好く、俺もだんだん楽しくなってきた
搾るのに慣れてくると次第にリズミカルに搾り始めてしまうのも不思議な魅力だった
こうして下心満載で挑んだ乳搾りだったが、意外にも普通に楽しめたイベントになった
エステルも大喜びしていたので来てよかった!
ちなみに搾ったミルクは従業員さん案内の元、その場で飲ませてもらった。これはもはや定番だよな!
ありきたりだが濃厚でした!
乳牛さん、ありがとうございました!
「エステルのも後で搾っていい?」
{~~~!お師匠様はエッチなのじゃ!}
ちっ。こちらは失敗したか・・・残念
□□□□
商都リブループ・牧場
「ジーンギースカーンはモ○ゴリュ!」
{・・・}
お、大いにスベッてしまった・・・
牛の乳搾り体験会も終わると昼時になったので、俺とエステルは牧場にて昼食を取ることにした
牧場なだけあって店内は割と開放的だ
外から聞こえる動物達の鳴き声もどこかのどかで、この店内の雰囲気にピッタリだ
たまに聞こえる断末魔のような鳴き声は聞こえないことにする
(ま、まぁ解体ももちろんここでする訳だしな・・・うん、スルー推奨案件だな!アーナニモキコエナイー)
さてメニューだが、牧場なだけあって乳製品やら肉類系がズラリと並んでいた
エステルはグラタンを注文するみたいだ
俺は何にしよう?とメニューをパラパラとめくっていたらやつと出会った
(こ、これは・・・まさに王道。定番中の定番料理だ!そしてこれは俺にやれということだな?よ、よしやるか!)
そしてエステルの前で披露した伝説的なギャグは大いにスベることになった
更にはエステルから理解不能という眼差しさえ向けられている
{お、お師匠様はなにをしたいのじゃ?わ、笑えばよいのか?笑えばお師匠様は救われるのか?}
「・・・」
(や、やめてください!救われるとか言わないでください!余計惨めになるわ!なんでエステルの気分転換にデートしにきたのにエステルに慰められてんの俺!?立場逆だろ!・・・落ち着け!落ち着け!自然だ、自然の力が俺には必要なんだ!)
結局俺はジンギスカンを注文した
その後はエステルと仲良くお互いの料理をはんぶんこして楽しいひとときを過ごすことにした
□□□□
商都リブループ・湖畔
楽しい昼食のひとときを過ごした俺とエステルは、牧場を後にして今は湖にきている
所謂食休みというやつだ
ゆっくり過ごすのもいいのだろうが、湖となるとやはり定番のあれは欠かせないだろう
俺は早速例の物を探し始めたのだが・・・
(おふっ!?手漕ぎボートは定番だからあるとは思っていたが、まさか足漕ぎスワンまであるとは思わなかったぞ・・・ま、まぁインターホンとかある世界だしな。足漕ぎスワンぐらいならあってもおかしくないか?いやしかし、本当地球の文化取り入れすぎだろ!)
とりあえず俺がエステルを誘ったのは手漕ぎボートだ
エステルは足漕ぎスワンを希望したのだが、さすがに恥ずかしい
それに俺の目的に足漕ぎスワンはどうしても合わない!
いや仮に合っていても選ばないがな!
そんな訳で俺とエステルは手漕ぎボートで湖の中程まで漕ぎ進めることにした
────。
しばらく周りの風景や湖の魚などを堪能した俺とエステルは、今手漕ぎボートの中で寄り添いながら寝そべっている
俺が足漕ぎスワンを選ばなかった理由の一つはこれにある
ボートデートの定番じゃね?湖の中程でいちゃいちゃし出すのは!
もちろんバカなテンプレが潜んでいる可能性もあるので、ボートにはオート操術をちゃんとかけてあるがな!
寄り添っているエステルを優しく抱き寄せ、頭をなでなでする
エステルが気持ちよさそうにしている顔を見るのは、俺にとって至福の時間だ
エステルの表情を伺うに、もう朝のようなふさぎ込んだ鬱屈とした気持ちはないように思える
だからこそ確認しておきたい。なにがあったのかを・・・
「なぁ、エステル。ふさぎ込んでいたようだけど、なにがあったんだ?」
{・・・}
エステルの体が一瞬ビクッとなったのを肌で感じた
しかしエステルからは次の言葉がなかなか出てこない
俺には話しづらい内容なのだろうか?
「エステルの力になりたいんだがな。話しづらいなら詳しく話さなくてもいいから、簡単に何があったかだけ教えてくれないか?」
エステルが話しづらい内容だろうと俺は簡単には諦めない!
話しづらいなら話さなくてもいいよ?なんてのは、結局問題の先送りでしかないのだから
そんな変な優しさよりも問題解決に時間を費やしたほうがエステルの為になる
苦しい時間は早く終わらせたいもんな!
────。
しばらく俺とエステルの間で沈黙が流れる
俺はエステルを優しく抱きしめたままエステルの言葉を待つ
手漕ぎボートにした最大の理由はこれにある
今の俺とエステルの状況ではボートを動かすことはできない
つまりエステルが話さないといつまでもこのままだぞ?というのを暗にエステルに伝えているのだ
賢いエステルならすぐ気付くだろう
エステルが話し出すまではいちゃいちゃしていればいいだけだ!
残酷的な優しさもまた愛情表現の一つなのだから
エステルを見ると話し出そうか悩んでいるといったところだ
それならしばらく待ちますか!
────。
それからもしばらく待った
そしてエステルも観念したのか、それとも決心が着いたのかようやく口を開いてくれた
{・・・セリーヌに怒られたのじゃ}
エステルから絞り出された言葉はそれだけだった
その後の言葉は紡がれる気配すらない
(・・・へ?それだけ?たったそれだけのことをあんなに悩んでいたのか?う、う~ん。それだけだとなんとも言えんな。とりあえずは会話を続けるか・・・)
「話してくれてありがとな?ご褒美にたくさんなでてやるから・・・それでなんでセリーヌに怒られたかは話せるか?」
{・・・}
俺の質問にエステルは首を横に振る
それに対して俺は優しくなでることで、エステルの不安を解消してあげることにした
もしかしたら怒られるかも?みたいな不安を抱くかもしれないしな
(とりあえずこれでエステルは大丈夫だろう。でも内容は話せないってことか・・・話したくないなら仕方ないのだが、しかし話の内容は一体なんだろうな?そもそもセリーヌが怒るって余程のことだぞ?セリーヌとエステル自体は特に仲が悪いって訳でもないしな。まぁ俺の膝上を巡るライバル同士といったところか。ただそれで怒られた訳でもないだろうし・・・そもそもセリーヌが怒るとなると大概は俺のことなんだよな。俺の為に怒ってくれることが多いから、今回もきっとそうだろう。俺が当事者なのに、当事者に話せない内容ってのもなんかこそばゆい感じだが・・・)
「・・・じゃあ質問を変えるな。セリーヌに怒られたからセリーヌのことは嫌いになったか?」
{そ、そんなことはないのじゃ!}
「嫌いじゃないならセリーヌと仲良くできるな?」
{も、もちろんなのじゃ!もちろん仲良くしたいのじゃが・・・どうしたらいいのかわからぬのじゃ}
(まぁ、見た感じセリーヌのことは本当に嫌ってなさそうだし、むしろ仲良くしたい気持ちのほうが強そうだな。何が原因かは知らないがセリーヌなら問題ないんじゃないかな?てか、もうエステルに怒りすら抱いていないと思うんだよなぁ。慈愛のセリーヌだし)
「エステルはセリーヌに怒られた件はどう思ってるんだ?話せる部分だけでいいからな?」
(あとはこの部分だけだよな。セリーヌを怒らせる何かがあったのは確かなんだし、その部分を反省?すればエステルとセリーヌの問題は解決できるだろ。そもそもエステルが悪いのかはわからんが・・・)
{・・・}
う、う~ん。この部分も話しづらいのか?
しかしここは確認しとかないとマズい気がするな
{た、例えばなのじゃが、お師匠様が妾を欲しがった場合なんでもする覚悟があるのか?妾を手に入れる為ならどんなこともするのか?}
エステルから懸命に絞り出された言葉は、俺を拍子抜けさせるものだった
「ん~と?今更じゃね?前にも言ったが、エステルは俺のものだ。エステルを手に入れる為ならなんでもやるぞ?仮に神が邪魔してくるようなら神さえ殺すしな。力が足りないようなら力を得たうえでも手に入れる。それともあれか?親のことか?必要ならエステルの親にも挨拶・・・じゃなくて報告にも行くぞ?今更身分なんかで俺のエステルへの愛はどうこうできないしな。邪魔なようならエステルの親も消すつもりだ。もう一度言うが、俺はエステルが好きだ。そしてエステルは俺のものだ。エステルの将来は俺と結ばれる未来しかない。俺に見初められた以上は逃がすつもりもない・・・第一、俺以上にいい男なんてこの世界には、いや、どの世界を探しても絶対いないぞ?エステルにとっての最愛の男は俺だけであり、エステルを幸せにできるのは俺だけだ。だからエステルが俺の女になることは、エステルが生まれた瞬間に決まっていた運命であり、事実だ。こんな感じでいいか?それぐらい俺はエステルのことが好きだってこと」
熱弁を奮ってしまったが、全部事実だから少しも恥ずかしくない
当のエステルはきょとんとしているのが気になるが・・・
あ、あの未来の旦那の愛を疑わないで!?
「ちなみに言っておくが、俺のこの気持ちはエステルだけじゃないぞ。ヘイネもサーシャもセリーヌもあかりもみんなエステルと一緒だ。みんな俺と一緒になる運命なんだからな」
{そ、そうなのじゃな・・・というかお師匠様無茶苦茶なのじゃ!生まれた瞬間決まってるとか、どんだけ傲慢なのじゃ!}
傲慢?事実をただ言ってるだけなんだがなぁ
俺からすれば人はいずれ死ぬのと同じ感覚なんだが?
当たり前のことを当たり前のようにこなすだけだ!
「参考になったかはわからんが、セリーヌに怒られた件はなんとかなりそうか?」
てか、俺のことはいいんだよ!問題はこっち!
エステルとセリーヌが仲直りできるかどうかの重要案件!
{うむ!お師匠様ありがとうなのじゃ!とりあえずセリーヌが言っていたことは正しいようじゃ!素直に謝ってみるのじゃ!}
(ふむ?セリーヌが言っていたことが正しい?エステルが間違ったことを言ったのか?珍しいな。まぁ、今の憑き物が取れたエステルの表情から察するにセリーヌとも仲直りできるだろ。当のセリーヌは気にしていないと思うがな)
「どうせなら、謝るんじゃなくて感謝しとけ。教えてくれてありがとう!ってな。セリーヌも謝られるよりも感謝されたほうがきっと嬉しいだろう。あと帰りにセリーヌの好きなキャンディを買っていってやるか!セリーヌは更に喜ぶぞ?どうだ?」
{なのじゃ!}
「それセリーヌのセリフとまんま一緒だから!」
苦笑しながらツッコむ俺に晴れやかな笑顔を見せるエステル
どうやらエステルのお悩みは解決できたみたいだ
その後のデートは完全復帰したエステルに振り回されながらも楽しい時間を過ごすことができた
こうして俺のエステル攻略戦は『ちょっと前進』で幕を閉じた
会話パート
「」ユウジ {}エステル 〔〕サーシャ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〔ユウジ様。エステル様と気分転換にデートなどされてきてはいかがでしょうか?〕
サーシャからの申し出は突然だった。俺はかなり驚いた
あの嫉妬深いサーシャからは想像できない発言だからだ
しかし同時にチャンスだとも思った
ここ最近エステルが積極的に俺の家族達と交流する姿を見て寂しく感じつつも微笑ましく思っていた
実際みんなと仲良くなることは将来的にもいいことだ
寂しく感じてしまうのは単なる俺の我が儘だな
ところが先日なにかトラブルがあったのか、エステルがふさぎ込んでしまったのだ
まぁ人間関係にはトラブルがつきものだ
だから急に交流を始めたエステルに、トラブルが舞い込んできてしまうのはある意味お約束なのかもしれない
仕方ないと言えば仕方ないのだが、それでも気にはなっていた
そこにサーシャからの申し出があったので、俺は渡りに舟とばかりにその提案に乗ることにした
今思えば、サーシャもエステルのことを気にしてくれていたのかもしれないな
サーシャの細かい気配りに心から感謝したい
□□□□
商都リブループ・散策
ふさぎ込んでいたエステルを半ば強引に連れ出し、俺は避暑地リブループに繰り出した
やってきたのは自然溢れる自然道の散歩コースだ
デート地をリブループに選んだのは、単純に俺がこれまで避暑地観光を一度もしていないからだ
リブループに滞在して既に一ヶ月半これが初の観光だ
(いつも部屋かサーシャの世界に篭っては、スキル作成や鍛練に勤しんでたからなぁ。たまに外に出てもリアとデートする為だったり、ダンジョン攻略するぐらいだし・・・あれ?もしかしたらサーシャはエステルだけではなく俺の心配もしてくれた?)
俺は今エステルと手を繋ぎながら、木々が生い茂る自然の中をゆっくりと散歩している
デート場所にここを選んだのも、エステルのふさぎ込んだ鬱屈した気分が大自然の美しい光景を見ることで、少しは心が洗われてくれればと思ったからだ
さすが観光地ということもあり人はそれなりにいる
と言っても主にご年配らしき方々が大半だが・・・
道すがら、ご年配らしき方々に[可愛い妹さんねぇ~]などと言われるのももはや定番になりつつある
「俺とエステルって周りから見ると兄妹に見えるみたいだな」
{ぐぬぬ。どうして周りからはお師匠様の妹に見えるのじゃ?}
「え?そんなのエステルが小さいからに決まってるだろ?」
{わ、妾は小さくないのじゃ!もう大人なのじゃ!}
そう言ってエステルは少しでも背を高く見せたいのか、その場でぴょんぴょんとジャンプをし出した
(大人という言葉に過剰反応している時点で、既に大人じゃないんだよなぁ)
普通テンプレならここで、「手が痛い!痛い!」とか言い出すのだろうが俺は違う!
俺は確かにエステルが言う、大人である部分をガン見し続けている。こう、ぶるんぶるん、と!
(な、なるほど。確かにエステルは大人だ。いや、大人顔負けでもあるな。ロリ巨乳とかアニメや漫画の世界にしか存在しないと思っていたしな。エステルさん、ありがとうございます!しかしこのままではおもしろくないな。少しからかってやるか?)
「ほぉ~。あくまで大人と言い張りますか。ではどこらへんが大人であると?」
{ぐぬぬ。お師匠様は妾をからかっておるな!いいのじゃ!もうお師匠様には教えてあげないのじゃ!}
(あらら。臍曲がり姫になっちゃったよ。でも・・・ようやく普段のエステルらしさが出てきたな。俺はそのエステルが好きなんだ。気分転換は成功かな?)
俺は普段のエステルに戻ったことがとても嬉しかった
しかし当のエステルは臍を曲げてしまったままだった
こういうちょっとめんどくさいところも実は好きだったりするのだがエステルには内緒だ
この後も俺は、必死にエステルを宥めてようやく許してもらうことができた
ちなみにエステルが大人だと言い張った根拠はあの日が来たかららしい
(生々しい理由だな!おい!確かにエステルは大人だよ。あぁ大人だ。それは失礼した・・・てか、このやり取り以前にもなかったか?)
□□□□
商都リブループ・牧場への道中
エステルが本来の元気を取り戻してとてもはしゃいでいる
俺と繋ぐ手に力が入っているし、ぶんぶんと前後に振られている
痛いんですが!?あ、あの大人の女性とやらはどこに?
(考えてみればエステルと二人きりのデートとかこれが初なんだよな。エステルもその事実に気付いたからこそはしゃいでいるに違いない。うん、絶対そうだ。そう思いたい!だからこそここは勝負に出るべきだろう)
そう考えた俺はとある場所に向かうことにした
{お師匠様!次はどこに向かうのじゃ?}
あぁ、その元気いっぱいの笑顔は年相応で可愛いな!
「今は牧場に向かっている最中だな」
{ほ~。牧場だと乗馬かの?}
あっ。馬もいたんだっけ。まぁ乗馬もついでにするか
「いや、主目的は乳搾りだな」
{~~~!お師匠様はエッチなのじゃ!}
ええええ・・・風評被害もいいところだろ、それ
俺の答えを聞いたエステルは即座に自身の山脈を腕で覆い隠した
その動きたるやまさに電光石火!(ピカチ○ウ君ではありません)
(・・・さすがにひどくね?確かに答える時、エステルの山脈を見たけどさ?てか、誰でも想像しちゃうだろ!)
「いやいやいやいやいや!牧場で乳搾りとか定番!定番だから!誰でも一度は体験してみたいものでしょ!そもそもエステルは経験あるのか?」
{むっ。言われてみればそうじゃの。お師匠様勘違いしてすまんのじゃ。それと乳搾りは妾も経験ないのじゃ}
な、なんかエステルの口から乳搾りと聞くとエロいな!
案外エッチなのかもしれないエステルとともに、俺は牧場へと向かっていった
□□□□
商都リブループ・牧場
・・・あ、あのここはモンゴルでしょうか?
牧場にたどり着いた俺とエステルは呆然としていた
一言で表すなら広大。とにかく牧場は広大だった
牧場というよりは草原と表現したほうがいいのかもしれない
さすがに牛や馬などは放牧されてはいなかったが・・・
俺とエステルは早速乳搾りに挑戦するべく準備を始めた
もはや定番なのだろう、従業員さんが乳搾りのやり方などを説明してくれるみたいだが丁重にお断りした
エステルも不思議がっていたがここは譲れない
{お、お師匠様?やり方聞かなくてもよいのか?お師匠様も初めてなんじゃろ?}
「やり方なら知っている。お○ぱいマスターの実力をナメてもらっては困る!(日々練習しているからな!)」
{くだらないマスターじゃな!?}
ぶふっ!?く、くだらないだと!?
「と、とりあえず教えるからちゃんと聞いておけよ?まずは・・・」
こうして俺とエステルの乳搾り講座と乳搾り体験会が始まった
なんだかんだ言って、エステルも初体験に興味津々みたいだ
かく言う俺も、牛の乳搾りは知識はあっても初めてだ
別のならもみもみし慣れてはいるんだがな!
「いいか?搾り方は親指と人さし指で乳頭のつけねをおさえ、乳が逆流しないようにするんだ。そして中指、薬指、小指と上から順番に指をとじる。それから下に引っぱりだすようにして乳を搾りだすんだ。注意しなきゃいけないのは最初の1~2搾りは、細菌が入っている可能性があるから捨ててしまうことだな。搾る時は少し力を入れるんだぞ?優しくやっても出ないからな(優しく搾るのは女性限定だな!)」
早速エステルは俺の講座内容通りに実践し始めた
しばらくはその様子を眺めていたのだが、エステルも慣れたみたいで順調に搾り出している。搾り出しているのだが・・・
搾り出す度にエステルの山脈が揺れているではないか!
(ぶっ!!!け、けしからん!実にけしからん山脈だ!牛の乳搾りよりもエステルの乳搾りのほうが必要なのではないだろうか?パンパンに張っているじゃないか!あ、後で搾ってあげないとな。うん、そうしよう!・・・げへへ)
あまりエステルばかり見ていると襲いたくなっちゃうので、俺も(牛の)乳搾り体験をしてみることにした
「うぉ!?意外と生温かいんだな!ビックリしたわ!」
{なんかふにふにしてて楽しいのじゃ!}
あっ。それはなんかわかる気がするな!
エステルの言う通り、牛の乳は柔らかくふにふにしていた
微妙な温さも心地好く、俺もだんだん楽しくなってきた
搾るのに慣れてくると次第にリズミカルに搾り始めてしまうのも不思議な魅力だった
こうして下心満載で挑んだ乳搾りだったが、意外にも普通に楽しめたイベントになった
エステルも大喜びしていたので来てよかった!
ちなみに搾ったミルクは従業員さん案内の元、その場で飲ませてもらった。これはもはや定番だよな!
ありきたりだが濃厚でした!
乳牛さん、ありがとうございました!
「エステルのも後で搾っていい?」
{~~~!お師匠様はエッチなのじゃ!}
ちっ。こちらは失敗したか・・・残念
□□□□
商都リブループ・牧場
「ジーンギースカーンはモ○ゴリュ!」
{・・・}
お、大いにスベッてしまった・・・
牛の乳搾り体験会も終わると昼時になったので、俺とエステルは牧場にて昼食を取ることにした
牧場なだけあって店内は割と開放的だ
外から聞こえる動物達の鳴き声もどこかのどかで、この店内の雰囲気にピッタリだ
たまに聞こえる断末魔のような鳴き声は聞こえないことにする
(ま、まぁ解体ももちろんここでする訳だしな・・・うん、スルー推奨案件だな!アーナニモキコエナイー)
さてメニューだが、牧場なだけあって乳製品やら肉類系がズラリと並んでいた
エステルはグラタンを注文するみたいだ
俺は何にしよう?とメニューをパラパラとめくっていたらやつと出会った
(こ、これは・・・まさに王道。定番中の定番料理だ!そしてこれは俺にやれということだな?よ、よしやるか!)
そしてエステルの前で披露した伝説的なギャグは大いにスベることになった
更にはエステルから理解不能という眼差しさえ向けられている
{お、お師匠様はなにをしたいのじゃ?わ、笑えばよいのか?笑えばお師匠様は救われるのか?}
「・・・」
(や、やめてください!救われるとか言わないでください!余計惨めになるわ!なんでエステルの気分転換にデートしにきたのにエステルに慰められてんの俺!?立場逆だろ!・・・落ち着け!落ち着け!自然だ、自然の力が俺には必要なんだ!)
結局俺はジンギスカンを注文した
その後はエステルと仲良くお互いの料理をはんぶんこして楽しいひとときを過ごすことにした
□□□□
商都リブループ・湖畔
楽しい昼食のひとときを過ごした俺とエステルは、牧場を後にして今は湖にきている
所謂食休みというやつだ
ゆっくり過ごすのもいいのだろうが、湖となるとやはり定番のあれは欠かせないだろう
俺は早速例の物を探し始めたのだが・・・
(おふっ!?手漕ぎボートは定番だからあるとは思っていたが、まさか足漕ぎスワンまであるとは思わなかったぞ・・・ま、まぁインターホンとかある世界だしな。足漕ぎスワンぐらいならあってもおかしくないか?いやしかし、本当地球の文化取り入れすぎだろ!)
とりあえず俺がエステルを誘ったのは手漕ぎボートだ
エステルは足漕ぎスワンを希望したのだが、さすがに恥ずかしい
それに俺の目的に足漕ぎスワンはどうしても合わない!
いや仮に合っていても選ばないがな!
そんな訳で俺とエステルは手漕ぎボートで湖の中程まで漕ぎ進めることにした
────。
しばらく周りの風景や湖の魚などを堪能した俺とエステルは、今手漕ぎボートの中で寄り添いながら寝そべっている
俺が足漕ぎスワンを選ばなかった理由の一つはこれにある
ボートデートの定番じゃね?湖の中程でいちゃいちゃし出すのは!
もちろんバカなテンプレが潜んでいる可能性もあるので、ボートにはオート操術をちゃんとかけてあるがな!
寄り添っているエステルを優しく抱き寄せ、頭をなでなでする
エステルが気持ちよさそうにしている顔を見るのは、俺にとって至福の時間だ
エステルの表情を伺うに、もう朝のようなふさぎ込んだ鬱屈とした気持ちはないように思える
だからこそ確認しておきたい。なにがあったのかを・・・
「なぁ、エステル。ふさぎ込んでいたようだけど、なにがあったんだ?」
{・・・}
エステルの体が一瞬ビクッとなったのを肌で感じた
しかしエステルからは次の言葉がなかなか出てこない
俺には話しづらい内容なのだろうか?
「エステルの力になりたいんだがな。話しづらいなら詳しく話さなくてもいいから、簡単に何があったかだけ教えてくれないか?」
エステルが話しづらい内容だろうと俺は簡単には諦めない!
話しづらいなら話さなくてもいいよ?なんてのは、結局問題の先送りでしかないのだから
そんな変な優しさよりも問題解決に時間を費やしたほうがエステルの為になる
苦しい時間は早く終わらせたいもんな!
────。
しばらく俺とエステルの間で沈黙が流れる
俺はエステルを優しく抱きしめたままエステルの言葉を待つ
手漕ぎボートにした最大の理由はこれにある
今の俺とエステルの状況ではボートを動かすことはできない
つまりエステルが話さないといつまでもこのままだぞ?というのを暗にエステルに伝えているのだ
賢いエステルならすぐ気付くだろう
エステルが話し出すまではいちゃいちゃしていればいいだけだ!
残酷的な優しさもまた愛情表現の一つなのだから
エステルを見ると話し出そうか悩んでいるといったところだ
それならしばらく待ちますか!
────。
それからもしばらく待った
そしてエステルも観念したのか、それとも決心が着いたのかようやく口を開いてくれた
{・・・セリーヌに怒られたのじゃ}
エステルから絞り出された言葉はそれだけだった
その後の言葉は紡がれる気配すらない
(・・・へ?それだけ?たったそれだけのことをあんなに悩んでいたのか?う、う~ん。それだけだとなんとも言えんな。とりあえずは会話を続けるか・・・)
「話してくれてありがとな?ご褒美にたくさんなでてやるから・・・それでなんでセリーヌに怒られたかは話せるか?」
{・・・}
俺の質問にエステルは首を横に振る
それに対して俺は優しくなでることで、エステルの不安を解消してあげることにした
もしかしたら怒られるかも?みたいな不安を抱くかもしれないしな
(とりあえずこれでエステルは大丈夫だろう。でも内容は話せないってことか・・・話したくないなら仕方ないのだが、しかし話の内容は一体なんだろうな?そもそもセリーヌが怒るって余程のことだぞ?セリーヌとエステル自体は特に仲が悪いって訳でもないしな。まぁ俺の膝上を巡るライバル同士といったところか。ただそれで怒られた訳でもないだろうし・・・そもそもセリーヌが怒るとなると大概は俺のことなんだよな。俺の為に怒ってくれることが多いから、今回もきっとそうだろう。俺が当事者なのに、当事者に話せない内容ってのもなんかこそばゆい感じだが・・・)
「・・・じゃあ質問を変えるな。セリーヌに怒られたからセリーヌのことは嫌いになったか?」
{そ、そんなことはないのじゃ!}
「嫌いじゃないならセリーヌと仲良くできるな?」
{も、もちろんなのじゃ!もちろん仲良くしたいのじゃが・・・どうしたらいいのかわからぬのじゃ}
(まぁ、見た感じセリーヌのことは本当に嫌ってなさそうだし、むしろ仲良くしたい気持ちのほうが強そうだな。何が原因かは知らないがセリーヌなら問題ないんじゃないかな?てか、もうエステルに怒りすら抱いていないと思うんだよなぁ。慈愛のセリーヌだし)
「エステルはセリーヌに怒られた件はどう思ってるんだ?話せる部分だけでいいからな?」
(あとはこの部分だけだよな。セリーヌを怒らせる何かがあったのは確かなんだし、その部分を反省?すればエステルとセリーヌの問題は解決できるだろ。そもそもエステルが悪いのかはわからんが・・・)
{・・・}
う、う~ん。この部分も話しづらいのか?
しかしここは確認しとかないとマズい気がするな
{た、例えばなのじゃが、お師匠様が妾を欲しがった場合なんでもする覚悟があるのか?妾を手に入れる為ならどんなこともするのか?}
エステルから懸命に絞り出された言葉は、俺を拍子抜けさせるものだった
「ん~と?今更じゃね?前にも言ったが、エステルは俺のものだ。エステルを手に入れる為ならなんでもやるぞ?仮に神が邪魔してくるようなら神さえ殺すしな。力が足りないようなら力を得たうえでも手に入れる。それともあれか?親のことか?必要ならエステルの親にも挨拶・・・じゃなくて報告にも行くぞ?今更身分なんかで俺のエステルへの愛はどうこうできないしな。邪魔なようならエステルの親も消すつもりだ。もう一度言うが、俺はエステルが好きだ。そしてエステルは俺のものだ。エステルの将来は俺と結ばれる未来しかない。俺に見初められた以上は逃がすつもりもない・・・第一、俺以上にいい男なんてこの世界には、いや、どの世界を探しても絶対いないぞ?エステルにとっての最愛の男は俺だけであり、エステルを幸せにできるのは俺だけだ。だからエステルが俺の女になることは、エステルが生まれた瞬間に決まっていた運命であり、事実だ。こんな感じでいいか?それぐらい俺はエステルのことが好きだってこと」
熱弁を奮ってしまったが、全部事実だから少しも恥ずかしくない
当のエステルはきょとんとしているのが気になるが・・・
あ、あの未来の旦那の愛を疑わないで!?
「ちなみに言っておくが、俺のこの気持ちはエステルだけじゃないぞ。ヘイネもサーシャもセリーヌもあかりもみんなエステルと一緒だ。みんな俺と一緒になる運命なんだからな」
{そ、そうなのじゃな・・・というかお師匠様無茶苦茶なのじゃ!生まれた瞬間決まってるとか、どんだけ傲慢なのじゃ!}
傲慢?事実をただ言ってるだけなんだがなぁ
俺からすれば人はいずれ死ぬのと同じ感覚なんだが?
当たり前のことを当たり前のようにこなすだけだ!
「参考になったかはわからんが、セリーヌに怒られた件はなんとかなりそうか?」
てか、俺のことはいいんだよ!問題はこっち!
エステルとセリーヌが仲直りできるかどうかの重要案件!
{うむ!お師匠様ありがとうなのじゃ!とりあえずセリーヌが言っていたことは正しいようじゃ!素直に謝ってみるのじゃ!}
(ふむ?セリーヌが言っていたことが正しい?エステルが間違ったことを言ったのか?珍しいな。まぁ、今の憑き物が取れたエステルの表情から察するにセリーヌとも仲直りできるだろ。当のセリーヌは気にしていないと思うがな)
「どうせなら、謝るんじゃなくて感謝しとけ。教えてくれてありがとう!ってな。セリーヌも謝られるよりも感謝されたほうがきっと嬉しいだろう。あと帰りにセリーヌの好きなキャンディを買っていってやるか!セリーヌは更に喜ぶぞ?どうだ?」
{なのじゃ!}
「それセリーヌのセリフとまんま一緒だから!」
苦笑しながらツッコむ俺に晴れやかな笑顔を見せるエステル
どうやらエステルのお悩みは解決できたみたいだ
その後のデートは完全復帰したエステルに振り回されながらも楽しい時間を過ごすことができた
こうして俺のエステル攻略戦は『ちょっと前進』で幕を閉じた
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