過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

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第5章 唯愛の賢妻と傲慢勇者

~狐の想い~サブヒロイン①

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会話パート

今回は『サリー』回です

【】サリー 「」ユウジ []セリーヌ {}エステル

《》あかり []アイサ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

□□□□ ~サリーの過去編~ □□□□

私はサリー。身分は奴隷です

南の大陸であるノトス大陸からやってきました
私の種族である金狐族は非常に人気がある種族らしく、人間族に好まれるのだとか
所謂愛玩用として需要が高いと奴隷商の方に教えてもらいました
他の種族と違ってひどいことをされる可能性は低いだろうとも

 でも所詮、奴隷は奴隷
 愛玩されるということは常に監視状態に置かれることです

────もううちには自由はないんだろうな。もっと自由に生きたかったな

 なんてことを毎日考えていました
 そして自由がないならせめて優しいご主人様に買われたいと祈る日々でした

 そんなある日出会ったのが今のご主人様である、あにさまです

最初は少し引きました
 うちとミーちゃんを見た瞬間顔色を変え興奮していたからです
 あにさまの様子を見て本当にうちの種族は人気があるのだと改めて思い知りました
 その時は、きっとこのご主人様もうちを愛玩用にする為に購入するんだろうなと思っていました

────もしかしたらエッチなことも・・・

当然奴隷なのだからそういうこともされる覚悟はしていました
覚悟はしていましたが、うちの心は急速に冷えていきました


□□□□ ~家族、そして恋人?編~ □□□□

あにさまに購入されてからは幸せな日々ばかりです

最初あにさまから、うち達を奴隷扱いしないと言われた時は驚きました
奴隷を購入したのに奴隷扱いをしない・・・意味がわかりませんでした
 そしてあにさまから本当の家族になりたいと言われた時、うちの心に温かい感情が蘇るのが分かりました

 その後のあにさまは本当にうち達を家族のように扱ってくれました
 もちろんお仕事はありますが、それ以外は自由にしていいとも言ってくれました
毎日が楽しいです。ミーちゃんといっぱい遊べますし、あにさまがたくさん構ってもくれます

────うちに温かい家族と自由をくれたあにさま・・・大好き!

うちの中であにさまに対する特別な感情が沸いたのを自覚しました
 だからでしょうか?あにさまに甘えている時はとても幸せです
 その中でもあにさまに尻尾をなでられている時は至福の時間とも言えます
欲を言うなら自慢の耳も触ってほしいのですが、あにさまはミーちゃんの耳にご執心です

────むぅ・・・あにさま?うちの耳だってミーちゃんに負けないぐらい気持ちいいはずですよ?

うちの心の中で黒い何かが沸くのを感じました
 あにさまがうち以外の女性にデレデレしている姿を見ると、悲しい気持ちと苛立たしい気持ちが沸いてきます

特に強くそれを感じたのはサーシャお姉ちゃんにです
 うち達を購入しにきた時から薄々感じてはいたけど、やっぱりあにさまの大事な人みたいです
 そしていつもあにさまに寄り添っています
 あにさまもサーシャお姉ちゃんにはすごく気を配っています
 あにさまとサーシャお姉ちゃんはまさに相思相愛・・・

────ずるい。うちだって奴隷じゃなかったら、きっとあにさまだって・・・

 どす黒い何かが心の中を渦巻いている中、それでもうちは勝手に自惚れていました

 それはうち達があにさまの奴隷となったその日に、あにさまがうちにこっそり教えてくれたことと関係があります

~~回想開始~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ユウジ邸・縁側 ~サリー達奴隷購入日の夜~

その時うちとあにさまは二人きりで縁側で月を眺めていました
 あにさまの膝上であにさまに思いっきり甘えていられた時間は今でもうちの宝物です

 うちが甘えていたその時、あにさまが唐突に語り出したのです

「サリーを買えて本当に良かったよ」
 【どうして?あにさま?】

あにさまが優しく尻尾をなでてくれています
 とても幸せで気持ちいいです。でも・・・

────耳もなでてほしいな。言ったらなでてくれるかな?それともうちの耳はやっぱり興味ないのかな?

そう考えたらなんだか悲しくなってきました
耳は自慢なだけあってあにさまになでてもらいたいです
 そんなうちの気持ちを察したのか、あにさまの手がうちの耳を優しくなでてくれました

────すごく嬉しい!あにさま大好き!

 後にあにさまから聞いたところ、うちの耳と尻尾がシュンとなっていたから分かりやすかったみたいです
 うぅ、、、恥ずかしいです

「俺は昔から狐が好きなんだ。だからサリーを見た瞬間思わず興奮しちゃったよ。あの時は運命を感じたね」
う、運命!?や、やだぁ~。あにさま大胆・・・

【う、うちのこと好きなの?(恋人的に)】
 「もちろん大好きだぞ?(家族的に)大切にしたい」

────だ、だだだ大好きなんだ!?そ、そうなんだ・・・う、うちもあにさまならいいかな?優しいし、きっとこの後もずっと楽しい毎日が送れそうだから・・・

~~回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

うちはその時、あにさまから告白されたものだとばっかり思っていました

心がすごくときめいたのを覚えています
 たった一日であにさまは、うちの心に温かいものやときめき、黒いものなど様々なものをくれました

 すごく生きている自由を感じることができました

────そういえば、うち初めての恋かも。あにさまに告白されたけど、この後どうしたらいいのかな?それともあにさまがリードしてくれるのかな?とりあえずサーシャお姉ちゃんと同じ立場になれたんだよね?だったらサーシャお姉ちゃんとは仲良くしたいな


 その後うちとあにさまの関係は全く進展しませんでしたが、うちの中では既にあにさまの彼女となっていました


□□□□ ~あにさまの最愛ヘイネお姉ちゃん編~ □□□□

あにさまの恋人には『専用場所』という特権があるみたいです
 その専用場所は何よりも優遇されるものなんだとか

 サーシャお姉ちゃんはあにさまの右側、そしてあにさまの最愛であるヘイネお姉ちゃんはあにさまの左側が専用場所みたいです

────むぅ。なんで恋人であるうちと相談もなしで勝手に決めてるの?しかも左右どっちも埋まってる・・・

 ところで初めてヘイネお姉ちゃんを紹介された時、ヘイネお姉ちゃんに対して殺気めいたものを感じた記憶があります
 うちの知らないところで勝手にあにさまの最愛になっていることが許せませんでした

────あにさまを一番愛しているのはうち。それに容姿だってきっとうちのほうが可愛いに決まって・・・

 そこで初めて敵わない相手がいることを学びました

 ヘイネお姉ちゃんは綺麗でした
今まで見たことがないぐらいの美人さんでした
迂闊にも同性であるうちでさえ見惚れてしまいました
綺麗なだけじゃなく優しくもあり、まさに聖母でした
 いつしかうちもヘイネお姉ちゃんに甘えていました
 あにさまもヘイネお姉ちゃんの側にいる時はとても嬉しそうでした

────悔しくはあるけれど、ヘイネお姉ちゃんならあにさまの最愛を譲ってあげられる。それにうちにもちゃんとあにさまの膝上っていう専用場所あるしね!

 左右はどちらも埋まってしまったけれど、あにさまの恋人であるうちにもちゃんと専用場所がある、それこそがあにさまの恋人の証でもあるとその時は思っていました


□□□□ ~恋敵セリーヌちゃん登場編~ □□□□

でも実際は違ったみたいです・・・
 それを痛感したのはセリーヌちゃんがやってきた時のことです

今までうちの専用場所だと思っていた『あにさまの膝上』がセリーヌちゃんに取られてしまいました

[ユウ様の膝上はセリーヌの専用ですの!]
 「そうだな。可愛いセリーヌなら専用でもいいな、と言う訳でサリーすまん。膝上はセリーヌに譲ってくれ」

しかも取られた原因があにさまからの一言でした

 そしてそれがきっかけでうちは気付いたのです

────うちは恋人じゃなかった。あにさまからしてみれば、うちはただの家族で妹ぐらいにしか思われていなかったんだね・・・あにさまの恋人と家族では大きな壁があるよ。あにさまの寵愛も専用も全部あにさまの恋人のもの・・・うちではあにさまの恋人になれないの?

セリーヌちゃんが来て以降も、あにさまは相変わらずうちに構ってはくれます
 でも明らかに構ってくれる時間は減りました
当然です。あにさまだって愛しい恋人に時間を割きたいはずです
 うちが逆の立場でも家族よりもうちに構って欲しいと思うはずです

仕方ありません。仕方ないのですが・・・

────セリーヌちゃんいいなぁ。あにさまに毎日耳と尻尾をもふもふされてる。気持ちよさそう。うちだってあにさまにもふもふされたいのに・・・あにさまはいっつも尻尾ばかり!耳だってもふもふしてほしいなぁ。もしあにさまの恋人になれたら耳と尻尾もふもふしてくるるのかな?

 同じ獣人であるセリーヌちゃんとの扱いの差に、うちは嫉妬を感じぜずにはいられませんでした


□□□□ ~あれから8ヶ月、狐のマーキング編~ □□□□

あにさまに購入されてから8ヶ月以上経ちました
 この8ヶ月は本当に目まぐるしかったです

 うちの8ヶ月はこんな感じでした

 あにさまの家族になれました
勘違いはしちゃったけど、恋人を除く家族の中ではあにさまの最愛になれました

────恋人じゃないけど、家族の中では特別扱いにしてくれるのはすごい嬉しい!恋人の一歩手前と考えていいのかな?でもあにさまには妹扱いされているんだよね・・・はぁ~。あにさまの恋人になりたいな

 あにさまからうち専用の着物妖狐の召し物を貰いました
 あにさまと一緒に魔法学校に通うことにもなりました
 アオイお姉ちゃんと一緒に制服姿を褒めてもらいました
 あにさまから魔女っ子の愛帽子をもらいました

 ・・・そしてあにさまから指輪を貰いました

 その時歓喜に震えたのは言うまでもありません
好きな人から指輪をもらえる・・・まだ幼いうちでもわかります
 こんなに嬉しいことはありませんでした

 そしてあにさまに右の薬指にはめてもらった時、思わず泣いてしまいました

 あにさま自ら指輪をはめてくれたのがすごく嬉しいのと・・・
 はめてくれたのが左の薬指でなかったのがすごく悔しいのと・・・

「大袈裟なやつだな。ほら、おいで」
 【・・・ぐす。だって嬉しかったんだもん】
あにさま、あったかい・・・今のうちにマーキングしよ

 ぐずっているうちをあにさまは優しく抱擁してくれました
毎日尻尾をもふもふしてくれますが、最近は抱きしめてくれる機会はあまりありません

────昔はいっぱい抱きしめてくれたのにな。あにさま寂しい。毎日抱きしめて欲しい。それに・・・すんすん・・・やっぱりセリーヌちゃんの匂い・・・ずるい!セリーヌちゃんばっかりマーキングして!うちだってあにさまにいつもすりすりしたいのに!

うちら獣人にとってマーキングは、それこそが愛情表現の一つです
意中の相手に自分の匂いをマーキングすることで、この人は私のものであると示すことができます

 セリーヌちゃんがくる前は毎日あにさまにマーキングしていました
 しかし今ではセリーヌちゃんの匂いがビッシリです

 ここでも恋人と家族の差をみせつけれました・・・

 だからこそ抱きしめられた今、少しばかりの抵抗をしつみようと思います

【あにさま?もっとギュッとして?】
 「仕方ないやつだな。痛かったらちゃんと言うんだぞ?」
 痛くてもいいの!あにさまに強くマーキングできるなら!

あにさまから少しばかりの力が入ったのが分かります
 うちが苦しくならないよう気を遣ってくれているのがよく分かります

────あにさま優しい。もっと強くしてくれてもいいのに。でもそんな優しいあにさまが、うちは好き!

あにさまが久しぶりに抱きしめてくれているので、思う存分すりすりしてマーキングしました
 この後すぐセリーヌちゃんに上書きされてしまうんでしょうけど・・・

────でもいいの。今だけはうちだけのあにさまだから!・・・あにさま好き!大好き!

その日は久しぶりにあにさまに思いっきり甘えることができました

 それと同時に日増しに強くなるあにさまへの恋慕

────はぁ~。どうしたらあにさまに振り向いてもらえるのかな?うちはこのままずっとあにさまの妹のままなのかな・・・


□□□□ ~賢妻エステルちゃんへの妬み、そして・・・~ □□□□

エステルちゃんはうちにとってかなりの衝撃を与えた人です

 エステルちゃんは魔法学校の同級生
あまり話したことはないです
魔法学校ではお昼を一緒に食べるぐらいで特に親交もありません

 いつのまにか夏休みの間だけうち達と一緒に暮らすことになりました
 それは別に構いません。お部屋もいっぱいありますし

 ただ気になるのは・・・

 あにさまがエステルちゃんに熱を上げていることです
 そんなエステルちゃんはあにさまから告白されたらしくて・・・
今はその答えを保留にしているらしいです

────意味が分からない!あにさまから告白されるだけでも羨ましいことなのに!なにを迷う必要があるのか全く理解できない!エステルちゃんが妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい!!!!

うちはエステルちゃんが嫌いです!
 最初うちや家族のことを眼中にないような態度をしていたのもすごく不快です!

それでもあにさまのエステルちゃんへの猛アプローチは、今や家の中でもハッキリと分かるぐらいです

 うちはそれがすごく悲しい

────あにさま、どうして?どうして家族を蔑ろにするようなエステルちゃんを好きになったの?どうしてあにさまが一生懸命尽くしてあげているのにいまだに答えを出さないエステルちゃんを好きになったの?・・・うちは?うちはどうしてあにさまの恋人になれないの?家族とは仲良くやってるよ?あにさまが望んでくれるなら何だってやってあげるよ?一生懸命あにさまに尽くしてあげるよ?それなのにどうしてうちはあにさまの恋人になれないの?うちの何が足りないの?どうしたらエステルちゃんみたいに抱きしめてくれるのか?どうしたらエステルちゃんみたいになでてくれるの?どうしたらエステルちゃんみたいにキスしてくれるの?どうしたらエステルちゃんみたいにあにさまに愛してもらえるの・・・

 あにさまへの恋慕とエステルちゃんへの憎悪が日増しに高まっていきました

仮にうちに力があったらエステルちゃんを・・・

 ・・・。

そんな憎いエステルちゃんでも驚かされたことがあります

 それが専用場所の獲得です
今までセリーヌちゃんの専用場所であったあにさまの膝上を、半々にすることでエステルちゃん自身の専用場所を獲得してしまいました

 これには驚かされました。と、同時に思い知られました

 あにさまの専用場所ひいては恋人になる為には、それぐらい図々しくないとダメなんだと思いました
 エステルちゃんが座れるなら、うちだって座れたはずなんです
 それが専用場所は一人だけ、と勝手に判断してしまった為に・・・

────エステルちゃんはすごいね。強引に専用場所獲得しちゃったよ・・・もううちの専用場所はないよね。せっかく専用場所獲得できる機会があったのに逃しちゃった・・・

 エステルちゃんを憎いと思うと同時に、初めて純粋な気持ちで羨ましいと思いました


□□□□ ~撫子アカリお姉ちゃんとの出会い、一大転機編~ □□□□

アカリお姉ちゃんは感謝してもし足りないぐらいの恩人です

 アカリお姉ちゃんはあにさまの新しい恋人・・・じゃなくてお嫁さん。そしてあにさまの幼馴染みたい
 うちと同様あにさまから着物をもらって、更に部屋まで特別製
あにさまたっての希望らしいからすごく羨ましい

────幼馴染みかぁ。いいな~。あにさまの小さい頃とかを知ってるんだよね?それにあにさまとアカリお姉ちゃんはすごく仲がいい。うちもあにさまの幼馴染みになりたかったなぁ。そうしたらうちもあにさまのお嫁さんになれたのかな

 そんなアカリお姉ちゃんはスタイルもいいし、美人さんだし、家事もできるし、強くもある
 うちにとってはまさに憧れの人です。自然と仲良くなりました

 そんなある日、憧れのあかりお姉ちゃんからお茶を誘われたので嬉々としてついていきました

場所はアカリお姉ちゃんのお部屋です

 アカリお姉ちゃんのお部屋は特別製で、あにさまが端正込めて作り上げた自信部屋なのだとか
 ドアを開けた瞬間、あかりお姉ちゃんの匂いとは別にい草の香りが漂ってきました

 アカリお姉ちゃんに奨められるままお部屋の中に入ると、そこには・・・

 エステルちゃん、アオイお姉ちゃん、アイサお姉ちゃん、詩乃お姉ちゃん、アマリリスちゃんがいました

────うっ。エステルちゃんいるのか・・・嫌だなぁ。でもアカリお姉ちゃんのお誘いだし我慢するしかないよね。それにしても変わったメンツ・・・。なんだろう?

 最近エステルちゃんはなにかあったのか心変わりをして、うち達家族と積極的に交流するようになりました
 うちも以前程は嫌いではなくなりましたが、なかなか簡単に許すことはできなくて・・・
 いまだに若干避けたい相手でもあります

 そんな変わったメンツが集まる中、アカリお姉ちゃんが切り出しました

《一部の人は知っているかもしれないけど、ここに集まってもらった人はみんな雄司君を好きな人達だよ》

アカリお姉ちゃんの言葉にみんな驚いているみたいです
 かく言ううちも驚きました

────え?みんなってことはアオイお姉ちゃんやアイサお姉ちゃん、アマリリスちゃん、詩乃お姉ちゃんも!?エステルちゃんがあにさまに好意を持ってるのは見てたら分かるけど、他のみんなもそうなの!?

 驚いているうち達を余所にアカリお姉ちゃんは淡々と語り出しています

《今回集まってもらったのはみんなの恋の応援をしたいからなの。ごめんね?嫌な言い方になるけど、私やエステルちゃんを除く他のみんなは雄司君から異性として愛されていないよね?きっと家族として愛されているだけだと思うの・・・多分みんなはそれで満足できないよね?だから私はみんなの恋を応援してあげたいの》

────うん。確かにアカリお姉ちゃんの言う通りだと思う。あにさまから愛されている自覚はある。でもそれは家族として妹としてなんだよね。叶うならあにさまに異性として愛されたい・・・でもどうしてアカリお姉ちゃんは応援してくれるの?

うちと同様のことを思っていたアイサお姉ちゃんがアカリお姉ちゃんに質問していました

《私もね、一度雄司君にフラれたことがあるんだよ。告白した訳じゃないんだけどそれに近かったかな?フラれた時はすごく悲しかった、辛かったよ。でもそんな時、私の恋の応援をしてくれたのがサーシャさんでありヘイネさんだったの。すごく嬉しかった!頑張ろうと思えたの!・・・好きな人に想ってもらえないってすごく悲しいよね?すごく辛いよね?だから私がみんなの恋を応援してあげる!大きなお世話かもしれないけれど、あの時私がサーシャさんやヘイネさんに助けてもらったように、私がみんなを助けてあげる!みんなが本気で雄司君を好きなら、私に協力させて!私、みんなの為に頑張るよ!》

アカリお姉ちゃんからは本当に応援してくれる気持ちが伝わってきました
 うちもあにさまとの関係に悩んでいたし、アカリお姉ちゃんの提案は本当にありがたい
 うちだけじゃないみたい。アイサお姉ちゃんやアマリリスちゃんもやる気に満ちてる
 エステルちゃんはもともとあにさまに好かれているから問題ないんだろうけど・・・

不思議なのはアオイお姉ちゃんと詩乃お姉ちゃん
二人とも微妙な顔をしています。なにか問題でもあるのでしょうか?

アカリお姉ちゃんからは今月の24日があにさまの誕生日であることを教えてもらいました
 そしてその日に向けてアカリお姉ちゃんやアマリリスちゃんが準備していることを教えてもらいました
 ただ意外だったのはエステルちゃんです。まさかエステルちゃんもその日に向けて準備してるとは思いませんでした

────そっか。エステルちゃんもあにさまの誕生日に向けて準備してたんだね。ずっとあにさまへの答えを先延ばしにしてたのもそれが原因だったのかな?だったら悪いことしちゃったな。ごめんね、エステルちゃん・・・そしてうちもその日に向けてなにか準備しないと!

でもなにをしたらいいんでしょうか?
うちは結局なにがいいのかわからなかったのでアカリお姉ちゃんに聞いてみることにしました

【アカリお姉ちゃんは何を準備してるの?】
 《私とアマリリスちゃんは縫物だよ。ほら、雄司君って基本防具関連はテキトーでしょ?だからそのへんのものをプレゼントしようかなって思ってるよ。やっぱりずっと使ってもらえるもののほうが嬉しいよね》

────縫物かぁ~。それいいなぁ。うちもお裁縫は好きだし一緒にさせてもらおうかな?アカリお姉ちゃんの言う通りずっと使ってもらえるもののほうがうちもいいと思う・・・エステルちゃんは何にするんだろう?聞いたら教えてくれるかな?

 【エステルちゃんは何にするの?】
 {妾はマジックアイテムにする予定なのじゃ。もう何にするのかは決めておるのじゃが、それは内緒なのじゃ!ただ妾だけの特別なものじゃな}

────エステルちゃんもしっかり決めてるみたい・・・そしてエステルちゃんだけの特別なもの。うちもプレゼントするならうちだけの特別なものにしたいな。アイサお姉ちゃんはどうするんだろう?

 【アイサお姉ちゃんはどうするの?】
  [自分はまだ何も決めてないであります。それに自分は不器用でありますからな。モノづくりは苦手であります]

《気持ちが伝わるものならなんでもいいんだよ。モノじゃなくてもいいの。雄司君に気持ちを伝えることが大切なんだから》
  [・・・そうでありますな。自分なりにユウジ殿に喜んでもらえるものを考えてみるであります]

────そっか。アイサお姉ちゃんはまだなんだね。うちと一緒。あまり日にちがないしちゃんと考えないと!うちだけの特別なもの・・・なんだろう?

こうしてうちとアカリお姉ちゃん、エステルちゃん、アマリリスちゃんの4人はたまに集まってはお互いに協力していくことになりました

────アカリお姉ちゃん、本当にありがとう!うちもあにさまの誕生日に告白するよ!

ちなみにアオイお姉ちゃんと詩乃お姉ちゃんはあにさまの事は好きらしいけど今回は不参加みたいです


□□□□ ~告白~ □□□□

そしてあにさまの誕生日の日になりました

《サリーちゃん、頑張って!気持ちをちゃんと言葉にしてね!それとちゃんと雄司君の名前で呼ぶんだよ?告白の時ぐらい妹であることを雄司君に意識させてちゃダメだからね》

アカリお姉ちゃんから応援とアドバイスをもらいました。いよいよです

────う、うん。そうだよね。『あにさま』なんて呼んでたら、うちはいつまでたってもあにさまの妹のままなんだよね。あにさまの名前・・・ユ、ユユユユウジさん・・・。だ、大丈夫。ちゃんと言える

 そしてうちがあにさまにプレゼントを渡す番になりました
緊張で足が震えます。手も震えています。心臓が高鳴っています

────こ、こわい・・・もしあにさまに拒絶されたらどうしよう・・・でもアカリお姉ちゃんは一度拒絶されたのにも関わらず、それでも諦めなかったんだよね?諦めなかったら、今あにさまの側にいれるんだよね?あにさまの側にいるってことはそういうことなんだよね・・・恋人と家族の間にある大きな壁。それを乗り越えないとうちはずっとあにさまの妹のまま・・・うん!もう迷わない!うちはあにさまの恋人になりたい!だから拒絶されても諦めない!うちの素直な気持ちをあにさまに伝えよう!

うちはあにさまにプレゼントを渡した後、意を決したように言いました

【ユウジさん】
 「お、おう!?」
あにさまったら驚いてる。可愛い

 そうだよね。驚くよね。でも驚かれてるようじゃダメなんだよね
 うちはいつまでたってもあにさまの妹は嫌なの!

────だから、あにさま聞いて!うちの想いを!!

 【うちはユウジさんを世界で一番愛しています】
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