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しおりを挟むふと感じた違和感だった。
それは就業式を終えた下校時の事。
諸事情で親元を離れ、他県の高校に入学した俺はいつもの登下校の為に乗る電車を駅のホームで待ちつつ、電車通学も慣れてきたなとホームにある広告を見ながら思い耽ていた。
その時だった。
ふと周りの空気に違和感を感じた。
なんというか穏やかで何事もない感じだった筈なのに急に軽く張り詰めた空気感に変わり果てた。
急に変わり果てたこの空気の違和感に左右を見ると
「…えっ」
右隣りの列に槍を背負った人がいた。不通に電車を待っていた。
しかもその後ろにいる男性は何事もない様に列に並び待っていた。それもこの男性だけじゃなくその列の人皆そうだった。
一体どう言う事なんだ?
胸に秘めつつさらに辺りを見回す。するととどうやら右の人以外にも剣や斧、はたまたよくわからない武器を持つ人たちがちちらほらといるのだ。
だがやはり右の列同様その者の周りにいる人たちはそれが普通かのように何も反応しておらず、スマホを見たりして電車を待っているではないか。
この国の銃刀法は一体何処に行ってしまったのだろうか?
それに段々、すぐそばに人を殺すことができる物を持っている人がいる事に恐怖が込み上げてくる。
辺りを見るに警察通報しようがどうしようが白い目を向けられるのは自分に違いない。
自分がおかしくなったのか、はたまた世界がおかしくなったのかどちらかは分からないが今は只ひたすらに家に帰って一人になって落ち着きたい。そうじゃなきゃもうそろそろ動揺を隠しきれなくなりそうだ。
そう思っている時に丁度電車が来てくれた。
これ幸いと俺は電車に乗りなるべく武器を持っている人から離れた場所に立ち、最寄りの駅に早く着くようにと思いながらでんじゃに揺られ始めた。
やっとの思いで最寄りの駅に付きドアが開くと、早く早くとそそくさにと改札に向かい家に帰って行った。
■
いつもよりも帰り道が長く感じつつも何とか自分が住んでいる家の前に付いた。
「はぁ…」
鍵を開けて家に入りドアを閉めて鍵をかける。
いつもの様に行うこの動作を終えた瞬間に気持ちが楽になりため息をつく。
「本当にどうなっているんだ…」
本当にわけが分からない。昨日まではあんな事は無かった。
通学時はだれも武器を持たずただ並んで電車を待っていていたし、駅以外も普通だった。
なのに帰宅時のあの違和感を感じた瞬間からあの様になっていたのだ。
どうしてだなんだろうか。何が理由で起きたのだろうか。
他にも違和感がなかったかと思い今朝から今に至るまで思い出しながらも考えるが、未だに心が落ち着かないし、帰り道は終始襲われるかもと張り詰めていた為に精神的に疲れていた為頭が回らない。
「とりあえず寝るよう…」
駅から家までの帰宅だけで異常に疲れしまった俺は制服から着替えると直ぐにベットに潜り気絶するように眠ってしまっていた。
◆◆◆◆◆◆
翌日昼頃に目が覚めた。
空腹を感じつつ、目がぼやけながらも時計を見ると時刻が朝8時を過ぎていることに驚き飛び起きるが、ふと昨日が終業式だった事を思い出しほっとした。
が、それと同時に昨日の事を思い出しはっきりと目が覚めた。
とりあえず風呂入るか…
昨日帰って着替えたらすぐに寝たので入っていない。
さらにせめてもの現実逃避も兼ねてと思いつつ俺は風呂に入って気を紛らわせようと思った。
◆◆◆◆◆◆
「とりあえず調べないと何も分からないか…」
風呂からあがった俺は部屋に戻るなりそう呟きながら、机の上に置いていた鞄の中からスマホを取り出した。
昨日は違和感や駅出の驚きや恐怖等で気を張り詰めてたせいで手にあったスマホで調べる事も思い浮かばなかった。
だが精神的に落ち着いた今、風呂に入っている時にふとそうだと思い出し調べようと思ったのだ。
「とりあえず武器携帯で調べよう」
そうして検索サイトで色々調べていくと…
「はっ?」
さらに訳が分からなくなった。
とりあえずどうやら昨日の武器を持った人達はとある場所に向かう人達だったらしい。
それはこの世界×××年前から世界各地に存在するらしい。そしてそこに潜る人達がいて探索者又は冒険者と呼ばれると言う。
その人達がそこから持ち帰る資源は有益な物でありその一部は近年の研究により、原子力よりも安全に電気エネルギーに変換できる技術が発明され、原子力発電は無くなりその他発電法もマイナーになりつつあるらしい。
まあ、他にも色々あるんだけど結論
「どうやらこの世界にはダンジョンがあるらし
……」
って事、以上。
応援ありがとうございます!
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