その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

すんのはじめ

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第11章

11-5 ななの 高1の夏休み そして 初めての

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 その日は、もう、二人の近い駅で待ち合わせをして、木之本に向かった。ななのちゃんは、いつもの麦藁帽に黄色のTシャツとピチっとしたジーンの短パンに編み上げのサンダル姿にリュックを背負っていた。褐色に陽焼けした細い脚が長めなのが健康的なのだ。

「うふっ こんな恰好も最後かもしれんしね 子供っぽい?」

「いいや いいんじゃぁないか ななのは脚も細いし、似合うと思うよ いつも見慣れているけど、こーやって見るとドキドキするよ」

「もぉー シュウに見てもらいたかってんけど そんな風に言われると なんか やーらしーそう」と、両手で隠すようにしていた。

 駅に着いて、最初に地蔵院に向かった。ななのちゃんが行きたいと言い出したのだ。そして、お参りをして、又、カエルに何かを書いて納めていた。

「お願いごと いつも 叶えてくれるんだぁー だから、今度も・・ ねぇ あそこに座って おにぎり持ってきたから」と、ななのちゃんが作ってきてくれたものを食べていたのだ。

「最初 シュウがここに連れてきてくれた時 楽しかったの 嬉しかったなぁー」

「そうだね 君はまだ子供ではしゃいでいたっけー」

「シュウ もう 私・・子供じゃぁ無い・・んでしょ?」

「ん まぁ 成長したと思う・・」

「ふふっ 良かったぁー やっとかぁー」

 その後、実家に着いて、母が迎えてくれた。

「まぁ まぁ ななのちゃん すっかり 大人びてぇーぇ きれいになったねぇー もう高校生なんだものねぇー」

 玄関には、何時だかのななのちゃんの絵がまだ飾ってあった。それをななのちゃんも懐かしくみつめていたのだ。

 その後、早速、母はななのちゃんをお風呂に入れていると、かがみさんが子供を連れて現れて

「秀君 真織よ 可愛いでしょー」と、抱いている子供を見せてきた。僕が、愛想でこんにちわと言うと、笑ってくれた。確かに、可愛いと思ったのだ。

「ななのちゃんのお化粧をしようと思ってね まだ 続いていたんだネ あの子と」

「あぁ なんとなくね」

「何となくじゃぁ無いでしょっ! ちゃんと掴まえておかなきゃだめよ 悔しいけど、あんなにいい娘 この辺りじゃぁ居ないわよ!」

 そして、浴衣に着替えて現れたななのちゃんに・・・相変わらず、きれいなのだ。もう、大人の顔立ちだった。今年も、母は新しい浴衣をななのちゃんの為に用意していたみたいだった。

「なんか ウチの人には会わせたくないわね ふらふらと奪われちゃいそう シュウ君にも もったいないわー」と、捨て台詞を残して、かがみさんは戻って行った。


 辺りが暗くなってきた頃をみて、僕とななのちゃんは、花火が良く見えるいつものところにぶらぶらと出かけて行った。

「シュウ 私 この頃 絵 描いてへんやろー 前は、私 自分の世界と思って書いていたんよ だけど 今は シュウと一緒の時が自分の世界やねん だから、描くことが無くなってしもーた」

「そうだったんか 最近描いてないみたいだからー でも 良いんじゃぁないか 又 描きたいと思った時でー」

 その後、ななのちゃんは僕の腕にしっかりとしがみついてきていた。花火を見ている時も、ななのちゃんは歓声をあげて無邪気に楽しんでいたのだ。

 そして、終わった後も人が少なくなるのを待って、帰り道の途中にある小さな祠の暗がりに、僕はななのちゃんを連れていこうとすると

「なんなの シュウ 暗いとこ 怖いよー」と、言っていたが、強引に連れて行って

「ななの 正式に 僕と付き合ってくれ 僕の彼女になってくれ」

「・・・シュウ・・・」と、泣き出していた。僕は、彼女の肩を抱くようにして、彼女の肩は震えていたが

「震えなくても大丈夫だよ ななのを守る だけど、僕達はもっと人間として成長しなければなんないし 先は長いけど ずーっと一緒に頑張って歩いてくれるかい?」

 ななのは泣きながらうなずいていて

「なんなん 今頃ぉー やっと 言ってくれたん? 私は ずーと そのつもりやー 神様が会わせてくれたんやものー このー シュウのバカ」と、今度は声をだして泣き出して、それでも、僕の顔を見上げてきて、長いまつ毛を閉じて・・・。

 僕は、ななのをしっかりと抱きしめて、唇を合わせていったのだ。柔らかくて、しっとりとした髪の毛から花のような香りがしてきていた。だけど、細い肩は震えている様だった。

 その後は、ふたりとも黙って歩いていて、だけど、ななのはしっかりと僕の腕にしがみつくようにしていた。家の前までくると、ななのが

「私 泣いたから 多分 お化粧 ぐちゃぐちゃ ちゃうんカナー」

「そうかもな わかった」と、僕は兄貴の家の方に連れて行って、玄関を開けて

「おーい かがみさん 居るか?」と、中に声を掛けて、出てきたかがみさんに

「ちょっと すまんけど もう 一度 面倒見て」と、ななのを前に押し出した。

「まぁ シュウ君 ななのちゃんに何したのよー 泣かしてしまってーぇ」

「違うんです 私 嬉しくって 泣いてしまって・・」

「あっ そう 良かったねー 上がんなさいよ 直してあげる 秀君 唇 紅いの付いているわよ」と、直ぐに、かがみさんは察したんだろう

「僕の彼女なんだから 丁寧にしてくれよな」と、僕は、唇をぬぐいながら「くそーぉ わかってしまった」と先に実家のほうに戻っていったのだ。

 座敷には、兄貴も来ていて、座卓の上の刺身とかちらし寿司をつまんで飲んでいたのだ。

「おぉ どうだった 今年の花火は?」

「うーん 年々 減っているんカナー 昔は もっと すごかった気がするけど」

「だろうなー 協賛も少なくなってきているからな 何とかせんとなー と 言っても ウチも協賛 減らしてきているんだけどな アハッハー」

 そのうち、ななのがかがみさんと一緒に現れて、化粧を整えてもらったみたいだった。

「ワァオー なんだ このきれいな娘はー ななのちゃんなんだろー?」と、兄貴は大袈裟すぎるほどに驚いていた。

「ちょっとー あんたの妹になるかも知れんのやから そんなに驚かないでよー 拝んでるだけだからネ!」と、早速、かがみさんも釘を刺していた。

「そーだよ 私達の大事な娘なんだからー 宝なんだよ」と、母も言ってくれていたのだ。ななのは、又、眼が潤んでくるのを我慢しているようだった。

 その夜、ななのは僕が寝ているところに来て「横で寝て良い?」と、夏の薄い布団に潜り込んできた。ななのは僕の肩に顔を押し付けるようにして手脚を縮こまるようにしていた。ある程度は覚悟してきたのだろうけど、本能的に彼女なりに防御しているのだと思った。だけど、肩も心なしか震えていたのだ。僕は、何にも言わずに、腕枕をするように・・。だけど、ずーと、それ以上はと、こらえながら、寝てしまっていた。次の日は、朝、眼を覚ますと、もう、ななのは居なくって、台所に立っていたようなのだ。

 
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