16 / 30
第2章
2-5
しおりを挟む
5月になって、金曜の夜、仕事終わってから、デートに誘われていた。舞子の海岸に面したバーベキューテラスの予定。私は、いつもごちそうになっているから、早坂さんにお返しのプレゼントを用意していた。いろいろ悩んだ末、ハンカチーフにした。定番のネクタイだと安直すぎるし、意味ありげに思えたから。
三宮の駅で待ち合わせをして、電車で30分ほどのところだ。駅を降りて、直ぐ その施設はあった。海が目の前で、ライトで飾られた明石大橋も綺麗に見えていた。席に着くと、直ぐに食材が運ばれてきた。
「ワインがいいかな 最初はビールがいいか」と、早坂さんは私に聞くでもなく言っていたが
「ワインは飲み過ぎて、酔っぱらってしまうので、私はビールが良いです」
「かまわないじゃあないか 酔っぱらったって、ちゃんと送って行くよ」
「ダメです 乱れちゃうから」
「むしろ そのほうが可愛いよ その乱れるところ見てみたいなぁ」
「そういうの 悪趣味ですよー」
「そうか すずりさんのこと、もっと知っておきたいと思ってな 普段、見られないとこ」
「そんな恥ずかしいとこ見せられませんー」と、言いながら、野菜とか貝、海老を乗せていった。ビールがきたので、とりあえず、乾杯。
「早坂さんは、今までにお付き合いした人って、おられるんでしょ」と、聞いてみた。
「居ないんだよ 大学の時に、夜の女性を見てきたから、なんか、失せてしまってね だけど、君を見かけた時、吹っ切れた なんと、涼しそうに透き通るような女の子だろうと 天使に見えた」
「おじょうずですね 私、そんないいもんじゃぁないですよ」
「本当だよ 去年の秋頃 君を見た時 それまでとは、雰囲気が違った 我慢できなくなってね それまで以上に 何かを感じるようになって・・誰かに、取られちゃぁいけないと思った」
私は、お腹がいっぱいだったが、お肉がまだあったので‥食べ過ぎでビールもお代わりしたものだから、無理しすぎたかも そうだ、私、プレゼント渡すの忘れてた。
「早坂さん いつも、ごちそうになっているから、お礼」と言って、差し出した。
「えぇー うれしいなぁ そんな気を使わなくてもいいのにー 開けて良いかい?」
「ええ つまんないですよ ハンカチーフ」
「いや ちょうどいいよ いい柄だよ ありがとう 大事に使うよ」と、言って胸の内ポケットにしまった。
「お腹 いっぱいになったね 砂浜 歩こうか?」
「そうですね 少し、消化しなきゃぁね」
砂浜は遊歩道の街頭の明かりで、思ったよりほんのりと明るかった。何組かのカップルの姿があった。波打ち際近くに座っているカップルは、大胆にも抱き合って唇を寄せているのがわかった。あんな風なのはいけないと思って、見ない振りをしていると
「寒く無いかい?」
「大丈夫 お酒飲んでいるし 気持ち良いよ」
私は、早坂さんの腕を後ろから組んでいった。他のカップルみたいに、肩を抱き寄せられるのも嫌だったからだ。
「私 夜の海岸って初めて 昼間は家の近くの海岸によく散歩に行くんですよ 猫と」
「猫? 猫と散歩?」
「うん 自転車の前に乗せて・・ 中学の頃から」
「あのさ 猫もおとなしくしている? 中学から? そうとう年なんじゃぁ それって、昔の話?」
「そんなことないよ この前も暖かい日 出掛けたの」
「そうなん なんか、わからないとこあるね 猫は元気なんだ」
「うん 元気だよ 私の友達はプチって言うんだよ 見た目はチッチって言うんだけど」
「なんかさー 君の言っていることが、僕には、あんまり、理解できないんだけどー 酔っぱらってる?」
「正気ですよ 今の、聞き流して― でも、変なこといったんじゃぁないからね 本当の話」
「なんだか、わからないけど すずりさんがそう言うなら」
「早坂さんって 本当に、私を大切にしてくれているのね」
その時、突然、抱き寄せられて、キスされた。私は、別に嫌でもなかったので、そのまま身を任せていたのだ。だけど、そのうち、手が私のお尻のほうに下りてきて、びっくりしたのもあって、身体を突っぱねるようにしていた。
「嫌いなのかい」
「ううん」と、言ったきり、私は、下を向いて歩いていた。
「怒ったのかい」と、聞かれてが
「ううん」と、首を振って、何も言えなかった。
それでも、駅に向かう時、手をつないでくれて
「タクシーで送って行こうか」と、
「いいえ 電車で 駅から歩きますから、大丈夫です」と、何とか、返事できた。
家まで、送ると言うのを、平気ですと断って、私は先に降りた。何か、ぼーとして家に向かっていた。
「何で、プチ 黙っていたのよ」と、責めるように言ったら
「だって すずりちゃんも嫌じゃぁ無かったんだろう 邪魔しちゃぁ悪いかなって」
「だけど 私の 初めてなんだよー ちょっとぐらいは・・拒むことも出来なかったじゃぁない!」
「そんなぁー 俺は あの人、悪い人じゃないと思っているから すずりちゃんも、経験だよ キスしたぐらいなんだよ 俺とは、さんざんしてきたじゃぁないか」
「プチとは特別だよ 私の気持ちが、今、揺れているのって、やっぱり、わからないんだね いくらプチでも・・・」
「うーん 複雑なんだろうとは、わかるがなぁー」
「プチのバカ しばらく、お肉は禁止」
「それは無いだろう すずりちゃん 今日もいい匂いするの 我慢してたんだからー」
三宮の駅で待ち合わせをして、電車で30分ほどのところだ。駅を降りて、直ぐ その施設はあった。海が目の前で、ライトで飾られた明石大橋も綺麗に見えていた。席に着くと、直ぐに食材が運ばれてきた。
「ワインがいいかな 最初はビールがいいか」と、早坂さんは私に聞くでもなく言っていたが
「ワインは飲み過ぎて、酔っぱらってしまうので、私はビールが良いです」
「かまわないじゃあないか 酔っぱらったって、ちゃんと送って行くよ」
「ダメです 乱れちゃうから」
「むしろ そのほうが可愛いよ その乱れるところ見てみたいなぁ」
「そういうの 悪趣味ですよー」
「そうか すずりさんのこと、もっと知っておきたいと思ってな 普段、見られないとこ」
「そんな恥ずかしいとこ見せられませんー」と、言いながら、野菜とか貝、海老を乗せていった。ビールがきたので、とりあえず、乾杯。
「早坂さんは、今までにお付き合いした人って、おられるんでしょ」と、聞いてみた。
「居ないんだよ 大学の時に、夜の女性を見てきたから、なんか、失せてしまってね だけど、君を見かけた時、吹っ切れた なんと、涼しそうに透き通るような女の子だろうと 天使に見えた」
「おじょうずですね 私、そんないいもんじゃぁないですよ」
「本当だよ 去年の秋頃 君を見た時 それまでとは、雰囲気が違った 我慢できなくなってね それまで以上に 何かを感じるようになって・・誰かに、取られちゃぁいけないと思った」
私は、お腹がいっぱいだったが、お肉がまだあったので‥食べ過ぎでビールもお代わりしたものだから、無理しすぎたかも そうだ、私、プレゼント渡すの忘れてた。
「早坂さん いつも、ごちそうになっているから、お礼」と言って、差し出した。
「えぇー うれしいなぁ そんな気を使わなくてもいいのにー 開けて良いかい?」
「ええ つまんないですよ ハンカチーフ」
「いや ちょうどいいよ いい柄だよ ありがとう 大事に使うよ」と、言って胸の内ポケットにしまった。
「お腹 いっぱいになったね 砂浜 歩こうか?」
「そうですね 少し、消化しなきゃぁね」
砂浜は遊歩道の街頭の明かりで、思ったよりほんのりと明るかった。何組かのカップルの姿があった。波打ち際近くに座っているカップルは、大胆にも抱き合って唇を寄せているのがわかった。あんな風なのはいけないと思って、見ない振りをしていると
「寒く無いかい?」
「大丈夫 お酒飲んでいるし 気持ち良いよ」
私は、早坂さんの腕を後ろから組んでいった。他のカップルみたいに、肩を抱き寄せられるのも嫌だったからだ。
「私 夜の海岸って初めて 昼間は家の近くの海岸によく散歩に行くんですよ 猫と」
「猫? 猫と散歩?」
「うん 自転車の前に乗せて・・ 中学の頃から」
「あのさ 猫もおとなしくしている? 中学から? そうとう年なんじゃぁ それって、昔の話?」
「そんなことないよ この前も暖かい日 出掛けたの」
「そうなん なんか、わからないとこあるね 猫は元気なんだ」
「うん 元気だよ 私の友達はプチって言うんだよ 見た目はチッチって言うんだけど」
「なんかさー 君の言っていることが、僕には、あんまり、理解できないんだけどー 酔っぱらってる?」
「正気ですよ 今の、聞き流して― でも、変なこといったんじゃぁないからね 本当の話」
「なんだか、わからないけど すずりさんがそう言うなら」
「早坂さんって 本当に、私を大切にしてくれているのね」
その時、突然、抱き寄せられて、キスされた。私は、別に嫌でもなかったので、そのまま身を任せていたのだ。だけど、そのうち、手が私のお尻のほうに下りてきて、びっくりしたのもあって、身体を突っぱねるようにしていた。
「嫌いなのかい」
「ううん」と、言ったきり、私は、下を向いて歩いていた。
「怒ったのかい」と、聞かれてが
「ううん」と、首を振って、何も言えなかった。
それでも、駅に向かう時、手をつないでくれて
「タクシーで送って行こうか」と、
「いいえ 電車で 駅から歩きますから、大丈夫です」と、何とか、返事できた。
家まで、送ると言うのを、平気ですと断って、私は先に降りた。何か、ぼーとして家に向かっていた。
「何で、プチ 黙っていたのよ」と、責めるように言ったら
「だって すずりちゃんも嫌じゃぁ無かったんだろう 邪魔しちゃぁ悪いかなって」
「だけど 私の 初めてなんだよー ちょっとぐらいは・・拒むことも出来なかったじゃぁない!」
「そんなぁー 俺は あの人、悪い人じゃないと思っているから すずりちゃんも、経験だよ キスしたぐらいなんだよ 俺とは、さんざんしてきたじゃぁないか」
「プチとは特別だよ 私の気持ちが、今、揺れているのって、やっぱり、わからないんだね いくらプチでも・・・」
「うーん 複雑なんだろうとは、わかるがなぁー」
「プチのバカ しばらく、お肉は禁止」
「それは無いだろう すずりちゃん 今日もいい匂いするの 我慢してたんだからー」
10
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる