この度、転生することになりまして

藍風月

文字の大きさ
41 / 45
第三章 「変化した路」と「約束を守るために」

新たな場所で8

しおりを挟む
とっても間が空きます…。

***********


初めて先生たちに会ってから、かれこれ3年たちました。

ユリス先生には、詩歌と外国語を教わることになんていたのですが、約ひと月で本での自習で、あらかたの知識を詰め込んでしまったため、それらのすり合わせのみで終わっってしまいました。そのせいでしょうか。二月たったあたりで、「もう教えることがありません!」と言われ逃げられてしまいました。

ホウエン先生は、気配が薄いお姉さん(?)でした。生物学上は男性ですが…というやつです。曰く、茶道と香道をするときには男性だけれども、それ以外は女性として生きているのだそうです。この先生にも、三カ月が過ぎたあたりで、免許皆伝をもらいました。今では、月に一回の頻度ですが茶会をしています。香道の最終試験では、官服に焚き染めるための独自のお香の調合しました。これで第一印象が決まるから大切にしなよとも言われましたね。懐かしいです。

礼儀だって、もう大丈夫とセバスが言っていました。護身術もマスターしましたよ。
口調も固いものに直しました。


そして今日ようやくこの日が来ました。

「今日をもって、華道の免許皆伝です。お疲れさまでした。正直、たった三年でここまで至るとは思っていませんでしたよ。」

「今日までご指導いただき、ありがとうございました、ライラ先生。」

そう、ようやく全員の先生から卒業を認められたのです。
正直に言って、ライラ先生はとても厳しかったです。二胡に関してはもう認められていたのですが、華道が本当に……。ですが、お父様の傍付きにしていただける最少の年齢であった5歳よりも前に皆伝がもらえてよかったです。
実はあと、半年しか猶予がなかったので。



先生が帰られた後、帰っていたお父様に報告に行きます。



「お父様、先ほど、ライラ先生から免許皆伝をいただきました。約束の5歳までギリギリでしたが間に合いましたよ。」

「おお!そうか。」

驚いた様子のお父様は、少し考えてから再び口を開いた。

「……実はだな、レイシェン。小生は、スェイデリゼの代表として、近々公国で行われる会議に出なくては行けなくなってね。そのついでにと国内の視察も命じられているせいで、最低でも7カ月は邸に戻れない予定なのだよ。帰ってから申請するとなると、約束の5歳を過ぎてしまう。先日そのことを奏上したら、陛下が特例として、五歳以下でも申請日の翌日から傍付きとして扱い、今回の視察に連れて行くことを許可するとおっしゃってね。……一緒に来るかね?」

「もちろんです。ただ、その場合会議にも傍付きとして出ることになるのでしょうか?それは少々不安なのですが…。」

「まあ、そうなるね。でも、心配はいらないよ。先生達から免許皆伝をもらっているなら、会議が始まるまでに一人前にしてあげられるから。」

この時のお父様は笑顔だったのも関わらず、とても寒気がする笑顔だった…。

「は、はい。頑張ります……。」

「小生の仕事次第だけど、約3週後に出発する予定だ。今日中に職場に申請の使いを出し、傍付きだとを示す房飾りを用意しよう。慌ただしいが、明日から私とともに出仕し、傍付きとして勉強しなさい。」

房飾りの形と色で、階位を示すのですよね。

「僕が用意しなくてはいけないものは何かあるでしょうか?」

「動きやすいが公式の場に適した服を着て、筆記用具を持っていればいいだろう。細かいことはセバスが分かっているはずだ。」

「わかりました。それにしても、なぜ特例を許されたのでしょうか……。」

「ああ、それは小生が日々レイシェンの噂を流しているせいだよ。”天才だ”とね。」

「は……!?な、なんていうことをなさっておられるのですか!」

「何か悪いのかな?このおかげで、陛下の興味をひけて、出遅れずに済んだのに。なんでも、そんな天才が親の都合で学ぶ期間が減るのは国の損失だとね。その分、愚か物だったら容赦はしないってさ。とりあえず、小生は仕事をかたづけなくてはならないから、もう出ていきなさい。」

「はい。失礼いたしました。」



明日から…。夢へまた一歩近づきました。兄上に再会できる日も遠くはないのですね。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

間違えられた番様は、消えました。

夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※ 竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。 運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。 「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」 ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。 ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。 「エルマ、私の愛しい番」 けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。 いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。 名前を失くしたロイゼは、消えることにした。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...