ボクと魔剣と時々勇者 〜『忌子』と呼ばれ追放されたボクが泣き虫勇者な妹と戦う理由〜

愛善楽笑

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27話 買い物中

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「いつもありがとうございます。またの御来店をお待ち申し上げます、姫様」

「はーい、またよろしくっ」


 セルセレムの衣装販売のお店にて、ボクとウルフィの衣装代を払ってくれるファルルに店主が深々と頭を下げて御辞儀をしている。

 ……ファルルはお姫様なんだよね? いったい彼女は何度お城を抜け出して、こうして買い物を楽しんでいたんだろう。

 馴染みのお客さんといった感じだ。

 それにしてもなんて平和な都なんだ……本当に人間たちから魔族が虐げられていたのかな? ってくらいに、穏やかな時間が流れている。

 というのも、ファルルが言うには先代の魔王様がいなくなったことで失われた結界を彼女の兄さんが施したのだそうだ。

 そのおかげで人間たちが魔族の領土に侵攻することが簡単にできなくなったらしいけど。

 ホントに大丈夫なのかな?

 だって、ボクを痛めつけた聖騎士たちは『魔族はこの世界に不要』だと言っていたのを思い出すからだ。

 魔族に対して彼らが手をこまねいて何もしない、できないなんてあるのかな……しかしほんとうに、

「セルセレムは……平和だね」

『まあこの国の王は人格者だし、ここで多種族同士が諍いを起こすことは滅多に無いからね』

「本当に魔族と人間が争ってる気配すらないって感じがするよ」

 メルと何気なく会話をする。

 もちろん今の彼女は魔剣スタイルだから、はたから見たら独り言のようなボクだけど。

 というか、ファルルと一緒に旅支度を整える為のお店巡りをするのは良いけれど、おかげで荷物をたくさん持たされるばかりで一苦労だよ。

 この広い都の中は商業区画ですら複雑に入り組んでいるし……聞けば、それはやはり万が一人間達からの襲撃時に時間を稼ぐ為らしいけれど、実際にセルセレムが人間たちから攻め込まれたことが未だかつて無いらしく本当に効果があるのかどうか疑問を覚える。


「まぁ、とりあえずファルルの買い物が終わればひと段落して──え!!?? う、うわ!!!!」


 ──そうボクが発したその時、不可解な現象が起こった。
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