中二病少女

木下寅丸

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妹ちゃん猫になる!曇りがかった昔の記憶

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 猫。猫といえば。この前、妹は猫になった。
「今日はネコになります。がおーがおー」
 急に部屋に入るなり、訳の分からないことを言ってきた。
「ネコですよ。ネコ!」私は無視をした。
「かまってほしいのにゃー」「頭を撫でると喜ぶにやー」私は無視をした。
「おい人間! 聞こえているのかにゃ」そう言って引っ付いてくる。
「何? どうしたの?」私は聞いてみた。
「いやそのね。ベランダに猫が来てね。猫っていいなーって思って。今日は猫になるってことにしたの!」私は何だか切なくなった。
「眠いのにゃー。あそこにベッドがあるにゃー」そう言って私のベッドの上で丸くなり、いつの間にか寝ていた。
 妹の寝る姿は、毛並みの良い猫にも見えた。きっと、血統書付きのヨーロッパ産だろう。幸せそうに寝ていた。

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 昔のことを思い出した。猫ではなかったが、人間以外の何者かになりたいと私も思ったことがあった。妹はきっと自分のことが嫌いなのだろう。そのときに自分は何を考えていたのだろうか? 長く昔。とうに忘れている。
 所詮は兄妹。思考回路も似ているだろう。確かに私も学校というものが好きではなかった。不登校までとはいかなかったものの。はて何で好きではなかったんだっけかな?
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