中二病少女

木下寅丸

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心配と不安

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 妹は常にイライラするようになっていた。この時点で、学校生活が上手くいっていないことは私にも気が付いていた。しかし、何が原因なのかがいまいち分からなかった。
 学校なんてものは、突き詰めると人間関係の問題しかない。それが、友人か異性か先生かの違いだけだ。妹はどれだ? どれなんだ?
 この頃はただ心配することしか出来なかった。

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 学校から帰ってくる物音がした。丁度平日の休みであったから、その場に居合わせた。荒々しく階段を登る音が聞こえてくる。ドアを閉める音なんて、壊れるんじゃないの? ってくらいの音がした。
 頻度がおかしい。ここ最近妹を見る度不安になる。可能性。可能性を考えるんだ。思春期の中学二年生の女の子。起こりえる悩み、トラブルの可能性を全て。何が起きても対処出来るように、何が起きても優しくいられるように。
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