血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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太陽

知らない人

*庵視点





「海だぁ…!気持ちいい…!」



心ゆくまでドライブしてその後俺は龍に海に連れてきて貰えた。肌寒いけどそれ以上に気持ちが良かった。



「そうだな。12月半ばだから寒いだけと思ってたけど意外に心地いい。」

「だね。龍のアウターのおかげだ。」

「そりゃよかった。」

「あのう…。」



2人で海風に当たりながら話していると後ろから誰かに話しかけられた。だから俺は振り返ってその人を見ようとしたんだけど…。



「庵!下がってろ!!」

「な、なに…っ、」



俺が話しかけてきた人物を見るよりも前に龍が俺の腕を引いてきた。だから俺はバランスを崩して倒れそうになったけど龍が支えてくれて転げずには済んだ。いやいやそれよりも!一体…何事だ…?



「いいから下がれ。俺の後ろから出てくるなよ。」

「…分かった。」



龍の声を聞いて俺でも只事じゃないんだって分かった。龍に任せっきりにするのは嫌だったけど俺じゃ何も出来ない。何も出来ないどころか足でまといになってしまう。だから俺は龍の言う通り隠れた。



「さすがですね。一度は潰れかけた組を立ち上げてまた大きくしたんですからあなたが凄い人じゃないわけないですよね。」

「何者だ。」



俺たちに話しかけてきた人は真っ黒い服を着た人だった。黒い帽子にマスク。明らかに不審者だ。なのに龍は動じることなく対応してる。俺は怖くて…ちょっと震えそうだ。なんで俺はこんなに情けないんだ…!もっと男らしくいないと…!



「さぁ、誰でしょうね。南里龍之介さん。」



この人…。龍のこと知ってる。誰だ…。何が目的なんだ…。



「なぜ俺の名を知ってる。」

「そりゃ知ってますよ。有名人じゃないですか。それと…お父様を亡くされてお気の毒に。けどそのおかげでラットを排除出来ましたもんね。まぁ結果オーライなんじゃないですか?それにそんな可愛い愛人まで見つけちゃって。いいですねぇ。お似合いですよあなた達。ねぇ庵くん。」



俺の事まで知ってる…。それだけじゃない。龍のお父さんのことまで知ってるんだ。怖い…。だけどこの人は龍に危害を加えようとしてない。だからこそ俺は混乱した。なんのためにこんな真似を…。だって俺たちがここに今日来たのは今日決めたことだ。だから尾行とかしてない限り…ここには来れないはずなんだ…。



「そうかそうか。俺に関しての情報はなんでも知ってるようだな。それに庵まで。凄い下調べだな。お前は多分雇われの身だろうが…どこからの情報だ。」

「これは誰でも知ってますよ南里さん。あなたは有名人ですからね。何度も言いますけど。旭川組にも支援を受けて…あの人から力を貰ってる。あの旭川寛也がですよ。あの男は極悪非道という言葉が似合う男。支援はあなた以外にはしていない。なぜあの男があなたに支援をしているのか俺には分かりませんがそれはどうでもいい。俺はあいつが嫌いだからな。あなた以外の他の組は排除するか眼中にもないようですからね。」



寛也さんのことまで知ってるのか…。だけどさっきまでと顔が…表情が変わった。寛也さんのことを余っ程恨んでるんだ。あんなにいい人なのに。龍たちが組を再建できたのは紛れもなく寛也さんのおかげ。でも俺は知らなかった。寛也さんが龍以外に支援してないって…こと。



「お前旭川さんのことも知ってるのか。」

「この世界にいて旭川寛也を知らない人などいないでしょう。今や日本一まで上り詰めた男ですから。可愛い可愛い愛人まで囲ってね。」

「へぇ。んで、お前の狙いはなんだ。悪いが俺は今、可愛いこいつとのデートの時間なんだよ。これ以上邪魔されちゃ俺も手が出そうだ。」

「いやぁ、狙いだなんて。俺はちょっといいことを話に来ただけですよ。だから殴らないでくださいよ、ね?」

「は?いい話だと?」

「はい。そうです。単刀直入言いますね。一緒に旭川寛也を殺しませんか?南里龍之介さん。」
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