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悲願
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「っ、おわっ、てない…?」
「当たり前だ。まだ始まってすらねぇぞ。ですよね組長。」
「ああ。お前があまりにも辛そうだったから一旦やめただけだ。壊れてもらっちゃ困るからな。」
…なんだよそれ。
「お前は俺のものだ。壊したりするもんか。傷一つすらもつけることは誰にも許さない。」
「良かったな誠也。お前組長にこんなに愛されてよ。他の奴らは殺されちまったのにお前は面がいいから気に入られたんだぞ。それがどれだけ幸せなことか分かるか?」
…知らねぇよ。俺は幸せものじゃねぇ。ここに来た時点で不幸者だ。
「…離せ。」
「あ?」
「離せって言ってんだよ!!」
「「……………。」」
何が幸せ者だ!俺は…俺にも俺の人生があるんだ!あんなくそみたいな親元から離れられたことは感謝してる。だがそれだからなんだってんだ!俺の人生をこいつらなんかにぶち壊される筋合いはない!!
「はは、誠也。お前は最高だな。やっぱり俺は見る目がある。」
…は?何を言い出してるんだこいつは。
「そうですね組長。組長相手にこんなにも怯まず吠えるやつはそうそういないですよ。」
「そうだな。そんで俺はこういうやつを探してたんだ。誠也、お前はもう俺のものだ。絶対逃がしてやらねぇ。俺の手の中に閉じ込めてやる。」
「……………っ。」
怖い。急に雰囲気が変わった。体が…動かねぇ。
「どうした誠也。怖いのか?そんなに震えちまって。どうしたんだよ。」
「…っ、ゃ、」
「組長。いいじゃないですか。従順になった証拠ですよ。」
「まぁそれもそうだな。」
なんなんだよこいつら…。さっきまでの雰囲気と全然違うじゃねぇか…。これがヤクザってやつなのか…。くそ…怖い。
「誠也。そう震えなくても俺は暴力も何も振るわない。ただ大切にしてやる。まぁそれはお前がいい子でいれるならの話だがな。」
「……、ぃ、や」
「ん?」
聞こえなかったか…?なら何度でも言ってやる…。
「い、やだ…っ、」
「そんな怯えた顔して拒否して…煽ってんのか?」
「ち、ちがっ、」
触るな…。そう言いたいのに体が硬直して何も出来ない…。怖くて…気絶してしまいそうだ…。
「違わねぇだろ。なぁ誠也。お前実は組長に抱かれたかったんだろ。そういうことなら遠慮すんな。」
「…っ、ちが!」
「んー?違わねぇよな。あ?」
「……………っ。」
息が詰まるほどの恐怖。ただ…ただただ話してるだけなのに拒否させることすらも許されない。こいつらの…迫力。怖い…。なんなんだよ…。
「おい誠也。また無視か?」
「…………っ。」
「せーいーや。」
ただ触れられるだけでも怖いのに健二って男は俺に顔を近づけてそう言ってくる。それがどれだけ怖いことか…。もうやめてくれよ…。
「おい健二。やめとけ。誠也が怖がってんだろ。つかお前それを分かってやってんだろ。」
「もちろん。」
「たく、お前は。」
「だって可愛いじゃないですか。さっきまで強気だったやつがこんなに脅えて…。なのに逃げようとする気は全く落ちない。俺はそこに惹かれますよね。」
「それは同感だ。」
「ですよね。じゃあそろそろ体の方も躾けていきますか。」
「そうだな。」
って治って男が言い終わると目の前にいる2人が俺の事を見てきた。もう俺はもはやどうでも良くなっていた。もうなんにでもなれ…と。だが諦めたわけじやない。俺は絶対隙をついて逃げる。その時が来るまでの辛抱だ。
「……………っ。」
「随分大人しいじゃねぇか。どうしたんだ?」
「怖がってるんですよ組長。可愛くていいじゃないですか。」
「それはそうだが俺はやはり声を聞きてぇ。」
「なら出させましょ。こいつくすぐり弱いんで感じやすいはずですよ。」
「当たり前だ。まだ始まってすらねぇぞ。ですよね組長。」
「ああ。お前があまりにも辛そうだったから一旦やめただけだ。壊れてもらっちゃ困るからな。」
…なんだよそれ。
「お前は俺のものだ。壊したりするもんか。傷一つすらもつけることは誰にも許さない。」
「良かったな誠也。お前組長にこんなに愛されてよ。他の奴らは殺されちまったのにお前は面がいいから気に入られたんだぞ。それがどれだけ幸せなことか分かるか?」
…知らねぇよ。俺は幸せものじゃねぇ。ここに来た時点で不幸者だ。
「…離せ。」
「あ?」
「離せって言ってんだよ!!」
「「……………。」」
何が幸せ者だ!俺は…俺にも俺の人生があるんだ!あんなくそみたいな親元から離れられたことは感謝してる。だがそれだからなんだってんだ!俺の人生をこいつらなんかにぶち壊される筋合いはない!!
「はは、誠也。お前は最高だな。やっぱり俺は見る目がある。」
…は?何を言い出してるんだこいつは。
「そうですね組長。組長相手にこんなにも怯まず吠えるやつはそうそういないですよ。」
「そうだな。そんで俺はこういうやつを探してたんだ。誠也、お前はもう俺のものだ。絶対逃がしてやらねぇ。俺の手の中に閉じ込めてやる。」
「……………っ。」
怖い。急に雰囲気が変わった。体が…動かねぇ。
「どうした誠也。怖いのか?そんなに震えちまって。どうしたんだよ。」
「…っ、ゃ、」
「組長。いいじゃないですか。従順になった証拠ですよ。」
「まぁそれもそうだな。」
なんなんだよこいつら…。さっきまでの雰囲気と全然違うじゃねぇか…。これがヤクザってやつなのか…。くそ…怖い。
「誠也。そう震えなくても俺は暴力も何も振るわない。ただ大切にしてやる。まぁそれはお前がいい子でいれるならの話だがな。」
「……、ぃ、や」
「ん?」
聞こえなかったか…?なら何度でも言ってやる…。
「い、やだ…っ、」
「そんな怯えた顔して拒否して…煽ってんのか?」
「ち、ちがっ、」
触るな…。そう言いたいのに体が硬直して何も出来ない…。怖くて…気絶してしまいそうだ…。
「違わねぇだろ。なぁ誠也。お前実は組長に抱かれたかったんだろ。そういうことなら遠慮すんな。」
「…っ、ちが!」
「んー?違わねぇよな。あ?」
「……………っ。」
息が詰まるほどの恐怖。ただ…ただただ話してるだけなのに拒否させることすらも許されない。こいつらの…迫力。怖い…。なんなんだよ…。
「おい誠也。また無視か?」
「…………っ。」
「せーいーや。」
ただ触れられるだけでも怖いのに健二って男は俺に顔を近づけてそう言ってくる。それがどれだけ怖いことか…。もうやめてくれよ…。
「おい健二。やめとけ。誠也が怖がってんだろ。つかお前それを分かってやってんだろ。」
「もちろん。」
「たく、お前は。」
「だって可愛いじゃないですか。さっきまで強気だったやつがこんなに脅えて…。なのに逃げようとする気は全く落ちない。俺はそこに惹かれますよね。」
「それは同感だ。」
「ですよね。じゃあそろそろ体の方も躾けていきますか。」
「そうだな。」
って治って男が言い終わると目の前にいる2人が俺の事を見てきた。もう俺はもはやどうでも良くなっていた。もうなんにでもなれ…と。だが諦めたわけじやない。俺は絶対隙をついて逃げる。その時が来るまでの辛抱だ。
「……………っ。」
「随分大人しいじゃねぇか。どうしたんだ?」
「怖がってるんですよ組長。可愛くていいじゃないですか。」
「それはそうだが俺はやはり声を聞きてぇ。」
「なら出させましょ。こいつくすぐり弱いんで感じやすいはずですよ。」
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