怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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自己嫌悪

「そういや誠也。組長とどこ行ってたんだ?」



あれから健二に抱き抱えられてあの部屋に戻ってきた。そこから俺はベットに寝かされてすぐにでも眠りそうになってた。なのに健二がちょくちょく話しかけてきて寝れやしない…。



「……別にどこにも行ってないです。」

「なんだよそれ。聞かせろ。」

「…んーちょっと下の階に行っただけです。」

「へぇ。ちょっとねぇ…っておい誠也。寝んな。まだ寝かせねぇよ。」



なんだよもう…俺は眠たいんだ…。さっき治にあんなことされたあとだから余計に…。それとここに来てから全く休めてない。だから俺は眠たいんだ…。



「おい誠也。寝たらこの場で突っ込むぞ。」

「…それをしたら困るのは健二さんだ。」



治の許可なしに健二は何も出来ない。だから俺はこのまま寝る。寝てやる。眠たくて仕方がないから…。そう思ってたのに…。



「いいや。困らない。組長からさっき連絡が来てたんだ。お前が俺を困らせるようなことがあれば俺の好きにしろってな。だから組長には適当に言っときゃいいだろ。組長もお前の言うことより俺の言うことを信じるだろうしな。」

「…最低だ。」

「はっ…何を今更。俺がお前に優しくしたことがあったか?」



一度もない。お前らは最悪の最低だ。人殺しでもある。でも…俺も最低だな。そんな男の前で寝ようとしてんだから。



「…そんなの知らない。」

「おいおい知らねぇわけねぇだろ。誠也、まじで寝ようとすんな。俺に抱かれてぇの?」



そんなわけねぇだろ。馬鹿なのかよこいつ。俺がお前のこと好きだとでも思ってんのか…?



「…眠たいんだ。」



だから寝かせてくれよ…頼むから。疲れたんだ俺は。



「駄目だ。」



どうして…。



「俺がまだお前と話してぇからな。だから寝るんじゃねぇ。」



自分勝手…。自分のことしか考えてねぇじゃねぇか。なら俺にだってその権利はある。だから俺はもう睡魔に耐えきれず寝ようとした…っ。

だが……………。



バチン!!



「…………っ。」

「俺は寝るなって言ったよな。なぁ誠也。俺の言うことが聞けねぇのか?」



寝ようとした俺の顔を健二はシバいてきた。多分ちょっと唇が切れてる…。何すんだよ…。そこまで俺を寝かせたくねぇのか?いや違うか。自分の欲を満たしたいだけだよな健二は…。



「…………………。」

「誠也。俺を無視すんのか?いい度胸してんなぁ。お前ってほんと肝が据わってるよな。いや違うか。ビビりでもあるよな。俺達がちょっとお前に触れただけで震え始めるんだから。けどこうして強気になる時もある。色々めんどくせぇな。早くいい子になれよ。」



健二は多分こういうことで俺を煽ってるんだと思う。けど俺は眠過ぎてイラつきさえしなかった。とにかく休みたい。とにかく寝たい。それぐらいには限界だったんだ。



「……今は眠たいから。だから無視したいわけじゃない。」



それは俺の本音だった。とにかく眠れるなら何でも良かった。疲れすぎて体が限界を迎えてる。起きているのもやっとな程に。



「それは本音か?」

「……本音。」

「そうかそうか。まぁ動きっぱなしだもんな。さっき俺も風呂で擽ってやったしよ。そういうことなら仕方ねぇ。誠也、お前から俺にキスをしろ。そしたら寝させてやる。」



……は?こいつ頭おかしいのか。俺がなんでそんなこと…っ。俺を潰すだけじゃ足りないのかよ!なんでそんなことしなきゃいけねぇ!さすがの俺にもプライドはある。それよりも俺はしたくない…。そんなことしたら俺は健二に負けちまったことになる。



「…嫌って言ったらどうしますか健二さん。」

「そうだな。今すぐにお前を犯してやるよ。」

「…どうして。」

「は?どうしてじゃねぇだろ。俺の言うことが聞けねぇやつは寝かせねぇよ?いい子になるなら話は別だがな。」




自分を守って健二に犯されるか…。プライドを無くして大嫌いなこいつにキスをして休みを得るか…。そんなの選択できない。俺はもちろん休みたい…。けど…っ。



「………………っ。」

「誠也。早く決めろ。俺は待たされるのが嫌いなんだよ。」



そう言いながら健二が俺の尻を撫でてくる。どうしたらいい…。気持ち悪い。けどキスをしなきゃもっと嫌なことをされる。けどキスをしてしまったら俺は…自己嫌悪に…っ。くそ…っ。



「………健二さん。俺は、休みたいだけなんです。」

「だったら決まってんじゃねぇか。なぁ誠也。早くキスをしろ。」

「……………っ。」



くそ…っ。泣きそうだ…。俺は休みたいという気持ちが勝ってしまった…。それだけ疲れてたから。自己嫌悪…。いやもうどうでもいい。犯されるよりマシだ…。



「分かりました…。」

「いい子だ誠也。」



俺がキスをする…そう決めると健二は分かりやすく嬉しそうな顔をした。だから俺は目をつぶった。せめて健二を見たくなかったから…。



「おい誠也。目を開けろ。何してんだ。」

「…っ、分かった。」

「ん。いい子。ほら早くやれ。」



ほんとにどこまでも腹が立つ。こんだけの思いをさせられてるんだ。せめて俺のタイミングでさせてくれよ…っ。



「っ、分かりましたから…。」

「ちゃんと口にしろよ。」

「…はい。」



俺はそう返事をすると健二に…キスをした。ちゃんと唇に。悔しい…っ。そんなこと本当はしたくない。けど体も心も限界。だからこれ以上何もされたくなかったんだ…。けどそうだとしても俺は悔しかった。自己嫌悪に満ちていた…。



「いい子じゃねぇか誠也。」

「…じゃあ寝る。寝ます。」

「待て。まだ寝かせねぇよ。」

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