怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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「…健二さん。それは出来ません。」



蓮さんがそう言うと思わなかった。いっその事健二と同じように俺を扱えばいい…そう思ってた。そしたら蓮さんは楽になるだろうから。けど…俺は心のどこかでは願ってた。蓮さんが俺の事を守ってくれますように…って。そんな事あっちゃならねぇのに。そんなことより守るべきは星秀さんだから。



「ならそこで黙って見てろ。いや、言い方を変えようか。蓮、お前も誠也を犯せ。」

「…はい?だからそれは…」

「俺の指示に逆らうな。」

「健二さん…?」

「逆らえば星秀を殺す。痛めつけて殺す。」



……………は?それはおかしいだろ…っ。なんで…いや違う。これは単なる脅し。それだけのはずだ。だったら蓮さんが大人しく健二の言うことを聞けば…っ。



「な、何言ってるんですか健二さん。組長の指示なしにそんな事出来ませんよね…。」

「いいや、出来るぜ。」

「それこそ破門にされますよ。星秀は組長のお気に入りでもあるんですから。」

「はは、笑わせんなよ蓮。つーかよぉ、これは組長の指示だ。組長はぜーんぶ知ってるぜ。お前らが星秀の為に必死になってる事も誠也を気に入ってる事も全部な。だからあん時組長にこうとも言われたんだ。誠也の躾に邪魔が入るようならそいつらも巻き添えにしろってな。お前なら意味が分かるだろ?蓮、お前はどっちを選ぶ?星秀か、誠也か。嫌だよなぁ。長年連れ添ってきた仲の星秀が死ぬのはよ。だったら簡単だ。誠也をただ傷つけさえすれば星秀は生き残るんだ。さぁ蓮、選べよ。」

「………………っ。」



蓮さんが…俺なんかを庇ったら星秀さんが死んじまう…。それだけは…駄目だ。それだけはあってはいけない。星秀さんにはなんの罪もないんだから。別に俺は殺されるわけじゃない。いつか…いつになるかは分からないけど俺はここから逃げるんだ。逃げきれなかったら死ぬんだ。そうすればいいだけ。だから…。



「蓮さん…迷わないで下さい。」



と、蓮さんに言った。そしたら蓮さんは悔しそうなどこか安心したような顔をした。そりゃそうだ。星秀さんを殺されたくないって思ってるのは蓮さんも俺と同じなんだから。けどそしたら健二が…。



「誠也。黙れって言ったろ?」

「ふく゛っ、ぅ!」



健二に俺は口を塞がれてまた乳首を引っ張られた。そのまま先っぽを擦られちまった。俺はそれが嫌いで嫌で仕方ない。嫌なのに嫌でたまらないのに感じてしまうから…っ。



「んん゛っ、く゛っ、ぅっ、ん…っ。」

「健二さん!」

「うるせぇ蓮。喚く暇があったら答えを出せ。こんぐらいの事で吠えてんじゃねぇよ。これからこいつの躾をするんだ。たかが乳首を触るだけで何吠えてんだよ。それにお前がこうやって時間を稼いでる間にも誠也はこうやって苦しむんだ。そんで星秀は最終的には死ぬ。そんな事お前に出来んのか?なぁ蓮。」



蓮さんが悔しそうな顔をしてる。そんな顔すんなよ…。迷うなよ…。俺は…俺が一番嫌なのは星秀さんが死んじまうことだ。だからそんな顔をせず迷うことをせずに選んで欲しい。星秀さんが死なない選択を…。俺がそう願っていると蓮さんが…。



「…すまない誠也。」



と、言って俺の近くに来た。そしたら健二は当然嬉しそうに笑った。このクズ野郎が…っ。けどそれでいい。そうしなき…な。



「答えは決まったようだな、蓮。」

「はい。」

「じゃあ一緒に躾しようか。」

「そうですね。」



こうなってよかった。良かったんだ。蓮さんもこれで苦しまない…。でも…やっぱり…怖ぇよ…。悔しい…。誰かに助けをどこかで求めてる自分が悔しい…っ。



「蓮、お前からだ。お前からこいつを抱いてやれ。」

「俺が先にやってもいいんですか?」

「ああ。いいぜ。俺はその後で楽しませてもらうからよ。それに我慢出来なくなったら俺も挿れればいいだけだ。」

「そうですね。」



蓮さんはそう言うと俺の顔を鷲掴みにしてきた。さっきとは違う蓮さんの顔。あれ…蓮さんってこんな顔してたっけ…?もう…嫌だ。けど我慢だ。俺が嫌がったら駄目だ。嫌がれば嫌がるほど躾は長くなるんだから。



「誠也、足を開け。可愛がってやるよ。」

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