怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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ちょっとした脅し

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「おわ…り…か?」

「ああ。今日はな。」

「……しっ……ぬっ、」

「はは、馬鹿を言うな。こんぐらいで死んでもらっちゃ困るぞ誠也。」



それって本当はもっとやりたかったってことなのか?嘘だろ…っ。しかもさっきチラって聞こえたけど体力作りは明日からって…。明日もするってことかよ!!



「…どういう意味だ?慎都さん。」

「そのままだ。もっと体力をつけような誠也。今日はたったの5回しかしてねぇ。なのにそんな動けなくなるほど疲れるんじゃ俺は満足出来ねぇ。」

「こ、5回しか…!?」



5回も!!の間違えだろ!!おかしい!まじで慎都さん化け物すぎる…。



「何驚いてんだ。」

「…慎都さんほどの絶倫見たことがない。」

「おい誠也。俺を他の男と比べるな。」

「っ、ご、ごめんって!」



また慎都さんが俺に覆いかぶさろうとしてきたから俺は慌てて謝った。そしたら慎都さんは俺の頭を撫でて笑ってきた。



「はは、冗談だ誠也。怒ってねぇから安心しろ。こうやって脅してたらお前が本音で話してくれなくなる。それは嫌だからな。だからそう怯えなくていい。俺はお前にセックス以外で酷い事はしねぇから。」

「………………。」



俺的には出来ればセックスも酷いことをしないで欲しいんすけどね。まぁいいや。慎都さんは結局優しいから。約束も守ってくれるいい人だから。



「…あ、ありがとう慎都さん。」

「おうよ。よし、風呂入るか。誠也。起きれそうか?」

「…むり。」

「はは、だろうな。抱っこしてやるから手を伸ばせ。」

「うん…。」



俺は動ける訳もなく慎都さんの言われるがままに手を伸ばした。けどちょうどその時…。



コンコン



誰かが来た。また游さんが来たんだろうか…?



「お疲れ様です。慎都さん。俺です。銀時です。」

「ん?銀時?お前が何の用だ?」



どうやら来たのは銀時さんだったようだ。多分慎都さんは游さんが来てたら構わずに風呂に行ってただろうけど銀時さんはそういう訳にもいかないんだろうな。



「早急にお伝えしたいことがございます。」

「そうか。ちょっと待て。」



慎都さんはそう言うと俺を一度ソファに下ろした。そんで近くにあった毛布を俺にかけようとしてきた。けど俺はそれを拒んだ。だって俺の体は色んなもんがついてっから!



「ん?誠也?」

「毛布汚れちまうっ、俺精液だらけだから…っ。」

「気にすんな。洗えばいい。それにこうしねぇと銀時に身体見られんぞ。いいのか?」

「…や、やだ。」

「だろ?だから毛布被ってろ。あと、ちょっとだけ待ってくれ。銀時と話すっから。悪いな誠也。」

「ううん。大丈夫。」



俺がそう言うと慎都さんは俺を毛布ごと抱き抱えて膝の上に座らせた。そんでその後銀時さんに…。



「銀時!入ってきていいぞ!」

「ありがとうございます。では失礼しますね。」



と、言って入ってきた銀時さんだけど俺の様子を見て慎都さんを睨みつけた。



「…慎都さん。まさか誠也に手を出したのですか?」

「うるせぇな。いいから要件話せ。」

「全く。游さんといい…慎都さんといい仕方の無い人ばかりだ。」

「銀時。いいから話せって。それにちゃんと加減したわ。」



俺は慎都さんに加減をしてもらった覚えは無いけど慎都さん的には本当に加減してくれてたんだろうな。俺はもう既に慎都さんに本気で抱かれることを恐れてる。



「そういう問題じゃないですがまぁ話をしましょうか。誠也、俺が慎都さんと話す間だけちょっと耳塞いでてくれるか?」

「わ、分かりました…!」

「ありがとうな。」



銀時さんには俺はどうしても敬語を使ってしまう。そんで従うんだけど…今はちょっと気になった。内容が気になったんだ。だから控えめに耳を手で抑えた。



「よし、じゃあ慎都さん。話しますよ。」

「そうしろそうしろ。」

「最近うちの周りを嗅ぎまわってる鬱陶しい蝿がいるんですよ。んで、そいつの顔がこれなんですけどね。慎都さんはご存知ですよね。」



俺はチラッと銀時さんが机に出した写真を見てみた。けど当然俺は知らない顔だ。そりゃそうだよな。俺はヤクザに詳しくないんだから。



「ああ。そうだな。んで、こいつは捕らえたのか?」

「当然です。写ってはないでしょうけど防犯カメラの映像も削除済みです。念には念をですよね。」

「流石だ銀時。お前は本当に抜かりないな。」

「そりゃあの若頭の補佐を務めさせていただいてますから。慎都さん。こいつをどうしますか?」

「何が目的なのか吐かせろ。どんな手段でもいい。その後で後始末しとけ。」



それはつまり拷問…だろうな。始末ってのは殺すってことだ。そりゃそうか。慎都さんもヤクザなんだから。つーか俺はこの世界に来て思ったけどヤクザは普通に人を殺す。けどそれが表立って俺達に知らされることは無い。何が本当なのか分かんなくなるよな。



「承知しました。では、失礼しますね。」

「ああ。あ、待て銀時。」

「游に伝えとけ。猫を探しとけってな。後撃たれた傷の処置も抜かりなくやれよってな。いくら丈夫と言えどもあいつは撃たれてからまぁまぁの時間放置してたからな。本来なら近藤会のあの幹部をあの世に葬りたい所だがそれはまたの機会だ。とにかく今は傷を治せと口うるさく言っとけ。」

「承知しました。」



いや忘れてたけどさ…游さん撃たれてたんだ。俺が忘れちまうほど游さんが普通にしてたから。痛みに強いとかそういうレベルじゃねぇ。つか…猫…?猫ってなんだ…?飼いたいのか…?俺がそんなことを考えてるうちに銀時さんが部屋を出て行っていた。



「誠也、待たせたな。風呂いこうか。」

「うん…。」

「どうした浮かない顔をして。」

「……猫ってなに?」

「んー略語みたいなもんだ。実際には猫じゃねぇよ。あーお前が知りたいなら教えてやるけど。」

「知りたい。教えて。」

「いいぜ。大体こういう話になったらビビる奴が多いけどお前は肝が据わってんな。さすが俺の愛人。」
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