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謝罪
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「渚さん達…?」
「ああ。とりあえず俺の部屋に行こう。」
「分かった。」
慎都さんたちからも渚さんたちをこれからどうするかは聞いてたから星秀さんが話したいことも大体察しがついた。けど、誰にも聞かれないように部屋に行くってことは…多分星秀さんは慎都さんたちの下す決断に不満…というか悔しい部分もあるんだろうな。
「すまいな誠也。」
「どうして謝るんだよ。」
「誠也にとっては嫌な話だからよ。あいつらがお前にしたことは許されることじゃない。俺も含めてだ。俺もお前を助けてやれなかった。」
「それは星秀さんが謝ることじゃないよ。」
悪いのは全部治だ。あいつが全部悪い。星秀さんだって俺に以上に治に苦しめられてたじゃないか。
「優しいな、お前は。ただ俺はそうもいかない。」
「どういうこと…?」
「誠也、俺はどうしても渚を殺すというのが出来ねぇ。見殺しに出来ねぇんだ。」
これを俺に話すってことは星秀さんの中で覚悟が決まってるんだろうな。けど俺は星秀さんに危ないことはして欲しくない。あそこにいた時は渚さんと星秀さんの中に友情はあったんだろうけど今の渚さんはきっと…星秀さんになんの興味もないはすだ。
「あいつが誠也に執着してて今もお前を誘拐しようと動いてるのも知ってる。游さんを撃ったのも知ってんだ。慎都さん達は俺にそれを言わねぇけど何となくそれは分かってる。だけどな、俺はあいつを殺せねぇ。すまない。」
「俺に謝る必要は無いよ、星秀さん。」
俺に謝る必要なんてない。それに慎都さんが星秀さんに近藤会を潰すことを言わなかったり渚さんが今してることを言わないのは星秀さんのためだよね。星秀さんは優しいから。
「星秀さんが治にされてきた事に耐えれたのは渚さん達のおかげでしょ?だったらそう思うのも無理はないよ。俺も一時的ではあったけど渚さんに救われたから。でも…星秀さんに約束して欲しいことがある。」
「なんだ?」
「危ないことはしないで。今、星秀さんは慎都さんたちの下で働いてるわけでしょ?せっかく俺達には居場所が出来たんだよ。何も怖いことなんて無くなったんだよ。星秀さんが渚さんと今でも連絡取ってるのかは分からないけど星秀さんはもう渚さんに会うべきじゃない。」
「…そうだよな。俺もそう思う。なのに葛藤しちまう。俺は馬鹿だから。」
馬鹿じゃない。当たり前のことだと思う。今までが異常だったから。でも俺はあそこで過ごした時間が少なかったから慎都さんたちと暮らし始めて渚さんも異常だってことに気づけた。けど…星秀さんはあそこで過ごした時間が長い。その分渚さんがおかしいことをしてたのにも気づくことが出来ないんだ…。ほんとに治もあの組の人たちも許せない。
「…星秀さん。さっきね、慎都さんが言ってたの。近藤会を潰すって。だから俺は星秀さんに危ない橋を渡って欲しくない。銀時さんもそうだと思うよ。」
「ああ。」
「だから約束して。危ないことはしないで。慎都さんもそれを恐れてるから星秀さんに何も言わないんだよ。」
「……………。」
星秀さんが葛藤してる…。どうしたらいいんだ…。けど中途半端にしたら星秀さんはきっと危ないことをしてしまう。だったら…。
「約束してくれないならさっき星秀さんが言ったこと、慎都さんに言う。」
「…は!?」
「当たり前じゃん。俺は星秀さんにもう傷ついて欲しくない。」
「…お前、優しいにも程があるだろ。んな事言ってるとまた襲うぞ。」
「いいよ。」
だって星秀さんは襲わないって知ってるから。だから今も押し倒されそうになったけど俺は顔色1つ変えなかった。これが游さんなら焦るけど星秀さんは俺に無理矢理はしない。絶対に。
「たく、んな事しねぇよ。慎都さんが悲しむだろ。裏切れねぇよあの人は。」
なーんだ。心配して損した。よかった。星秀さんの口からその言葉が聞けて俺は安心した。
「じゃあ星秀さんの答えは決まってるね。」
「あ?」
「星秀さんは慎都さんを裏切れないんでしょ?だったら答えは決まってるじゃん。ね?」
「…お前にそんなことを言われる日が来るとはな…。でもありがとう誠也。」
「うん。」
「じゃあ戻ろうか。俺の答えも決まった事だし。お前を慎都さんの元まで送り届ける。」
「約束してくれるってこと?」
「ああ。約束する。誠也と。」
「ああ。とりあえず俺の部屋に行こう。」
「分かった。」
慎都さんたちからも渚さんたちをこれからどうするかは聞いてたから星秀さんが話したいことも大体察しがついた。けど、誰にも聞かれないように部屋に行くってことは…多分星秀さんは慎都さんたちの下す決断に不満…というか悔しい部分もあるんだろうな。
「すまいな誠也。」
「どうして謝るんだよ。」
「誠也にとっては嫌な話だからよ。あいつらがお前にしたことは許されることじゃない。俺も含めてだ。俺もお前を助けてやれなかった。」
「それは星秀さんが謝ることじゃないよ。」
悪いのは全部治だ。あいつが全部悪い。星秀さんだって俺に以上に治に苦しめられてたじゃないか。
「優しいな、お前は。ただ俺はそうもいかない。」
「どういうこと…?」
「誠也、俺はどうしても渚を殺すというのが出来ねぇ。見殺しに出来ねぇんだ。」
これを俺に話すってことは星秀さんの中で覚悟が決まってるんだろうな。けど俺は星秀さんに危ないことはして欲しくない。あそこにいた時は渚さんと星秀さんの中に友情はあったんだろうけど今の渚さんはきっと…星秀さんになんの興味もないはすだ。
「あいつが誠也に執着してて今もお前を誘拐しようと動いてるのも知ってる。游さんを撃ったのも知ってんだ。慎都さん達は俺にそれを言わねぇけど何となくそれは分かってる。だけどな、俺はあいつを殺せねぇ。すまない。」
「俺に謝る必要は無いよ、星秀さん。」
俺に謝る必要なんてない。それに慎都さんが星秀さんに近藤会を潰すことを言わなかったり渚さんが今してることを言わないのは星秀さんのためだよね。星秀さんは優しいから。
「星秀さんが治にされてきた事に耐えれたのは渚さん達のおかげでしょ?だったらそう思うのも無理はないよ。俺も一時的ではあったけど渚さんに救われたから。でも…星秀さんに約束して欲しいことがある。」
「なんだ?」
「危ないことはしないで。今、星秀さんは慎都さんたちの下で働いてるわけでしょ?せっかく俺達には居場所が出来たんだよ。何も怖いことなんて無くなったんだよ。星秀さんが渚さんと今でも連絡取ってるのかは分からないけど星秀さんはもう渚さんに会うべきじゃない。」
「…そうだよな。俺もそう思う。なのに葛藤しちまう。俺は馬鹿だから。」
馬鹿じゃない。当たり前のことだと思う。今までが異常だったから。でも俺はあそこで過ごした時間が少なかったから慎都さんたちと暮らし始めて渚さんも異常だってことに気づけた。けど…星秀さんはあそこで過ごした時間が長い。その分渚さんがおかしいことをしてたのにも気づくことが出来ないんだ…。ほんとに治もあの組の人たちも許せない。
「…星秀さん。さっきね、慎都さんが言ってたの。近藤会を潰すって。だから俺は星秀さんに危ない橋を渡って欲しくない。銀時さんもそうだと思うよ。」
「ああ。」
「だから約束して。危ないことはしないで。慎都さんもそれを恐れてるから星秀さんに何も言わないんだよ。」
「……………。」
星秀さんが葛藤してる…。どうしたらいいんだ…。けど中途半端にしたら星秀さんはきっと危ないことをしてしまう。だったら…。
「約束してくれないならさっき星秀さんが言ったこと、慎都さんに言う。」
「…は!?」
「当たり前じゃん。俺は星秀さんにもう傷ついて欲しくない。」
「…お前、優しいにも程があるだろ。んな事言ってるとまた襲うぞ。」
「いいよ。」
だって星秀さんは襲わないって知ってるから。だから今も押し倒されそうになったけど俺は顔色1つ変えなかった。これが游さんなら焦るけど星秀さんは俺に無理矢理はしない。絶対に。
「たく、んな事しねぇよ。慎都さんが悲しむだろ。裏切れねぇよあの人は。」
なーんだ。心配して損した。よかった。星秀さんの口からその言葉が聞けて俺は安心した。
「じゃあ星秀さんの答えは決まってるね。」
「あ?」
「星秀さんは慎都さんを裏切れないんでしょ?だったら答えは決まってるじゃん。ね?」
「…お前にそんなことを言われる日が来るとはな…。でもありがとう誠也。」
「うん。」
「じゃあ戻ろうか。俺の答えも決まった事だし。お前を慎都さんの元まで送り届ける。」
「約束してくれるってこと?」
「ああ。約束する。誠也と。」
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