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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編

-第二章四十一節 討伐報酬と自己紹介-

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ヴェノムコカトリスを無事に討伐したマサツグ達はヴェノムコカトリスの素材を

回収してポップリングスに戻る。その際、シロに顔をクタクタに舐められた

レイヴンはマサツグがおんぶして連れて帰る事に、そしておんぶされるレイヴンは

もはや動く気力も無いのか本当の屍状態でピクリとも動かない。道行く人が

マサツグが背負うレイヴンの姿にギョッとしながら通り過ぎて行くのを何度も見る。

それを不思議そうにシロが眺めるとマサツグに質問をし始める。


「……?

ご主人様?何で通り過ぎて行く人は皆ご主人様を見て

ギョッとした顔をするのですか?ただレイヴンさんを背負っているだけなのに?…」


「あぁ~っと……それは……レイヴンが珍しい人間だからだよ!!」


{人間と言うよりは屍だけどな!!……}


マサツグが悩みながらもシロにそう答えるとシロはホウッと顔を疑問が解けた様な

顔で表情を明るくするとマサツグに背負われているレイヴンの手を握り、喜ぶ。


「ほえ~…レイヴンさんは珍しい人だったんですか!?

凄いです!!」


マサツグは何とか誤魔化せたと胸を撫で下ろしつつもポップリングスへと帰還する。

幸い、ヴェノムコカトリスと戦闘した場所からポップリングスまでは近く、直ぐに

帰還できるのだが、一歩間違えるとポップリングスに被害が出ると言った危ない

近さでもあった。そんな近い場所から帰って来るとゲート前では他の冒険者達と

一緒にロディの姿も確認する。どうやらマスターオーダーのモンスターを誰かが

倒したと運営の方で確認が取れたのかマスターオーダー参加者に報酬を渡して

いる様であった。


「はい!ご苦労様♪

またよろしくね♥」


「は…はい……」


相手が誰であろうとにこやかに笑うとその参加した冒険者達の両手を握り感謝する。

そんなロディの姿を普通に見れば尊敬すべきギルドマスターの姿なのだろうが、

忙しかったのかロディの頭には安全第一ヘルメットを被り、そして全身はいつもの

ブーメランパンツ一丁のガチムチの黒い巨人。幾ら相手がギルドマスターと分かって

いても本能的に警戒をしてしまう冒険者達、更に受け渡しの列がロディのみと言う

中々の圧に下手なモンスターと対峙する時より覚悟が居る状態。列に並ぶ冒険者達が

皆自分の番が回って来るのを願う反面、来ない事も願い始める様な微妙な表情を

各々が見せる。そんな状況をマサツグがレイヴンを背負ったまま見ているとロディが

マサツグに気が付いたのか後の報酬受け渡しをお付きのギルド職員に任せると笑顔で

マサツグに駆け寄る!


「……ッ!!

あら、マサツグちゃん!!ちょっと後は頼むわね♪」


「え!?…あ…はい……」


「マサツグちゃ~ん!!」


__ドドドドドドドドドド!!!!……


オネエ走りなのに異様なスピードでマサツグの方に走ってくるロディにマサツグも

本能的に逃げ出そうとする。


「ッ!!??」


__ダッ!!…


「ッ!

ご主人様!?何所に行くのですか!?」


その様子にシロが何故逃げるのかと尋ねるとマサツグがハッとし、逃げるのを中断

するもやはり眼前に迫って来るオネエ見るとやはり逃げたくなる。そんなマサツグの

気持ちが分かるのか先ほどから報酬受け取りで並んでいる冒険者達もその様子を見る

とまるでマサツグが身代わりになった事を感謝する様に手を揉みながら頭を下げる。

その様子にマサツグが困惑するとロディがマサツグの前に立ち、心配をし始める。


「…ふぅ!…心配したわよ~!!

何せまたコカトリスと戦闘して更にそのコカトリスが例のユニークだ何て!!

ユニークモンスターが鳥型なのは分かっていたけどまさかのヴェノムコカトリス

だ何て!!……不運にも程があるわ!!」


「え?…そんなにヤバイ奴なの?」


ロディの口ぶりにマサツグが思わずヴェノムコカトリスの事を尋ねるとロディは

何故かプリプリと怒り出しながら説明を始める。そんなロディの様子にマサツグが

不思議に感じていると意識を取り戻したのかレイヴンがマサツグの背中から目を

覚ます。


「そうなのよ!!最近のデータ確認で鳥型モンスターの項目を運営チームで

確認作業をしていたらあるモンスターのとこだけデータに無い能力が付与されて

あって!急いでデータを戻したのよ!!」


「じゃあ…その鳥型モンスターって言うのが……」


「ヴェノムコカトリス!!!

しかも本来なら「黒のフィールド」何て使わない筈なのに!

最後の確認ミスでアクティベート有効化されて有ったのよ!!

もう、そんな事したらただでさえしぶといコカトリスが

実質討伐不可能になっちゃう!!」


「うぅ…うぅ~ん……」


「あら?…

そう言えば、そのマサツグちゃんが背負っているのってレイヴンちゃん?

かなり消費している様に見えるけど……ってえ?…」


プリプリと怒るロディを尻目にレイヴンが唸りながら目を覚ます。その様子にロディ

がレイヴンの顔を覗きこむと突如驚いた様子でレイヴンの顔を凝視すると固まる。

そして目を覚まして一番にロディのドアップの顔を見たレイヴンが数秒沈黙すると

驚いた様子でマサツグの背中から転げ落ちる。


「………どわあああああああああhふぃうあsぎすhrgぅへwぐぁ!!!!」


「きゃああああああああ!!!」


レイヴンが突如驚き動き出した事に普段何事にも驚かないロディが突如驚いた事に

周りの冒険者及びギルド職員がその奇声が聞える方を凝視して固まる。各々が神妙な

面持ちで固まる中、当の本人達は胸に手を当て、必死に落ち着こうと深呼吸をする。


「すぅー…はぁー…すぅー…はぁー…

…はぁ~…ビックリした!!…」


「ビックリしたのはこっちだわ!!

目を覚ましたらまず目に入る濃い顔!!!それもドUPだぞ!!ドUP!!!」


「…とにかく落ち着け。

お前が驚いているのはボイスチャットログを見たら分かるから……」


本来なら日本人がこのゲームで叫んでも普通に変換されるのだが余程変換に苦しんだ

のか、ボイスチャットログには見た事の無い日本語と英語が混じった叫び声が

表記される。それを見てマサツグもレイヴンの心境を読み取ると落ち着く様に呼び

掛ける。


「いえ…ごめんなさい…

ワイトのプレイヤーって始めて見たからつい…」


「え?…初めてって…レイヴン以外に見た事無いの?」


「えぇ…ワイトの種族は魔法に関しては他の種族より群を向いて高いけど影が

薄いと言うか何と言うか……今のところそんな目立っては見たこと無いのよ。

それでもこのワイトの種族を作り出した同僚が…


{聞いてくれ!!俺ワイトの種族を作ったんだけど!?

ワイトが目を覚ますモーション…超こだわったから見てくれよな!!!}


…って言っていたんだけど、そのモーションが骸骨の目の部分がぼんやり光ったな

って思えばそのままスッと目に光が着いたのよ!!これが驚かずに入れますか!!」


レイヴンとロディが驚いたとかではしゃいでいるとポップリングスの方から

作業員姿の建設員がやって来るとロディに報告を始める。ロディはキャイキャイ

言いながらもその言伝に手を挙げ返事をすると作業員は元の作業に戻るのか

またポップリングスに戻って行く。

何を伝えに来たのだろうとマサツグが疑問に思うも徐々に落ち着きを

取り戻したロディとレイヴンは報酬の話をし始める。先ほどまで言い争っていたのが

嘘の様に落ち着きを取り戻すとロディはマサツグ達に有る物を出すように言う。


「……おほん!!

じゃあ、まずヴェノムコカトリスを倒した証を私に渡して頂戴♪」


「証?…証って素材の事?」


「あら?拾わなかったの?

ほら、そのモンスターの素材で作った様なバッジみたいなアイテム。」


「あっ!それってこれ?」


ロディの説明でマサツグが思い当たる物をアイテムポーチから取り出すとロディに

手渡す。ロディはそれを受け取るとウンウンと頷き、確認すると突如そのバッジを

片手で握り潰し破壊する。


「そうそう、これこれ♪

さぁて……墳!!!」


「うえぇ!!!」×2


突然の行動にマサツグとレイヴンが驚くがロディが壊したバッジから何やら紫色の

光がぼんやりと出て来る。その光はマサツグ達の方に飛び、マサツグ達の手に収まる

と突如アイテムに姿を変える。マサツグの手にはコカトリスの羽で作られた様な

羽飾り、レイヴンにはカラスの頭の骸骨で作った様な黒魔術師が持っていそうな

首飾りがそれぞれ手に入る。そのアイテムにマサツグ達が驚いているとロディが

手を叩きながらマサツグ達におめでとうと言い始める。


__パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!


「おめでとう!!

それはモンスター討伐者に贈られる言わば証拠品よ!!

勿論装備品としての能力も付いているからレアアイテムよ!!」


「レ…レアアイテム?それってこれと一緒って事?」


そう言うとマサツグは自身が装備しているトカゲの腕輪をロディに見せる。ロディは

マサツグが見せた腕輪をジッと見つめるとほう…と言いたそうな表情で頷くと

マサツグの問い掛けに答える。


「そうね♪マサツグちゃんは既にスプリングフィールドであのトカゲと

戦っていたわね!そう、レアモンスターを討伐した際に贈られる装備品よ!

物によっては武器や防具になるけど中でも装飾品は人気が高い分類ね♪

何でも見た目に反映されて一番の特徴が出る物って言う事と普通に綺麗、格好が良い

なんて事でね!」


「なるほど……」


「それにマサツグちゃん達はあのキングスナイトのメンバーと共闘したのでしょ?」


「…え?……」


ロディの質問にマサツグが固まるとロディは驚いた様子でガイアス達の話を始める。

それはガイアス達がこのゲームの中でも屈指のクランチームの人間でこの世界で

出会うのは稀だと言うことであった。


「あら?知らないの?

クラン・「キングスナイト」総勢150人以上の冒険者達が集まる超大型クランチーム

活動内容は各大陸での冒険が主でその際戦闘に苦戦している人やクエストの攻略に

困っている人達の道標的な活動を良く聞くわね。

それと同時に所属するメンバーはどれも腕利き、人気のあるクランチームだけど…

やっぱりこのチームに入ったらエリートと勘違いする子も居るみたいでその都度

問題が起きたら追放と入れ替わり立ち代りが激しいクランチームね。

中でも今そのチームで売り出し中の冒険者が「重騎士・ガイアス」に

「氷の魔女・エルメダ」そして「慈愛のテレア」って子達なのだけど…」


ロディの説明にマサツグとレイヴンが固まる。いつの間にか一緒に戦っていた

助っ人が有名な冒険者だと言う事に気が付いたのがロディに説明されて初めてと

言う事に。マサツグとレイヴンがお互いの顔を見合わせていると先に帰っていた

ガイアス達がマサツグに気が付いたのか声を掛ける。その声は他の冒険者にも

ハッキリと聞えるほど大きな声であった。


「…ん?あれは?……」


「…ッ!あの子達!!」


「やっぱりそうだよな!!おーーーーーい!!!!」


その場に居た冒険者全員が声のする方を振り向く、そこには口に手を当て

マサツグ達を呼ぶガイアスの姿があった。しかし最初に出会った時とは違い、

ガイアスの姿はまるで某ゾンビゲームに出てくる素手でゾンビを殴り飛ばし、

あだ名がゴ○スと呼ばれていそうな体格が良すぎる男性キャラが立っていた。

そしてその傍には先ほどの時同様に大胆なスリットが開いたドレスを着た

まるで某龍の冠の魔女のようなキャラと某龍退治の冒険に出てくるような僧侶の

少女がこちらを確認して手を振る姿が確認する。そして、ロディと話しているのを

見て、そのゴ○ス達がこちらに向かい歩いて来ると会話に参加する。


「いや~…先に帰って悪かったな!!

こっちのアイテムとかも枯渇していたから急いで戻らせて貰ったんだが…

あの後は何も無かったか?」


「あ…あぁ、何も問題は無かったよ?…」


「…何で疑問系なんだ?」


ゴ○スに良く似たガイアスがマサツグに尋ねるとロディがマサツグ達とガイアス達に

互いに改めて自己紹介をする様に指示を出す。その指示に全員が同意するとマサツグ

達は改めて挨拶を交わす。


「ちょっと!!それより貴方達ちゃんと挨拶を交わしていないみたいじゃない!!

これを機にちゃんと挨拶をして置きなさいな!!今後も何処かで付き合うかも

しれないんだから!!」


「え?あ…あぁ!

じゃあ、俺から…

俺はガイアス!職業クラスは騎士でクラン・キングスナイトに

所属している!」


「私はエルメダ。職業クラスは魔術師でガイアスと同じキングスナイトに

所属しているわ。後、周りからは氷の魔女なんて呼ばれているわ。」


エルメダは自己紹介を終えると簡単な氷魔法をやって見せ、アピールをする。

その様子にマサツグとレイヴンがおぉ!と驚いていると僧侶の少女が

自己紹介をする。


「初めまして!私はテレアです!

職業クラスは僧侶でお二人と同じキングスナイトに所属しています!」


そう言ってテレアがマサツグ達にペコッと頭を下げると挨拶を終える。その後、

マサツグ達が挨拶を交わし始めるのだがガイアス達はマサツグの名前を聞いた途端

目を向き、驚く。


「じゃあ…俺から行こうか。

俺はマサツグ。職業は剣士で……」


「…え?」


「え?……」


「い…いや…マサツグって聞えたから…」


ガイアス達の反応にマサツグが困惑しているとロディが改めてガイアス達の疑問を

払拭し肯定する。そのロディからの答えにマサツグがへ?…っと思っていると

ガイアス達が急に態度を変える。


「いえ、間違いなくマサツグちゃんよ?

貴方達は聞き間違えて無いわ。」


「…と言うよりこうやって挨拶する前にも言ったような…」


「じゃ…じゃあ!!あの駆け出しであの騎士団長を倒したあの!?」


「その後も色々と騒動が起きる度に解決しては姿を消すあの!?」


ガイアスとエルメダがピー○ブースタイルで両腕を構えるとマサツグに詰め寄る。

何が何だか分からないマサツグが後退りすると助け舟を出す様にテレアが二人の

首根っこを捕まえ、止まる様に命令する。


「はいはい!!そこまで!!

そのマサツグさんが困っているでしょ!!

その辺にしなさい!!!」


「ハッ!!!」


二人が我に返った様な反応を見せると落ち着きを取り戻し、後ろに下がる。何やら

マサツグが有名なのは間違い無いが何がどうなっているのかまでは分からない。

そうしてマサツグが挨拶を終えると今度はレイヴン、そしてシロと挨拶が終わる。

そうして三人の挨拶が終わるとシロはまたもやマサツグのアイテムポーチをガサゴソ

と弄り始める。


__ガサゴソ…ガサゴソ…


「ん?またシロは……

何をしておいでで?」


「ひゃう!!」


マサツグがシロを抱えると自分の顔の前にシロの顔を近づける。するとシロは耳を

伏せっと畳むとマサツグの目を昔懐かし某金融会社のコマーシャルのチワワみたく

プルプルと震える。相手はチワワじゃなくフェンリルなのだがとマサツグが困惑し

ているとそこで漸く何故シロがマサツグのアイテムポーチを開けるのかの疑問を

思い出す。


「あれ?そう言えば、何でシロが俺のアイテムポーチを弄れるんだ?」


「え?それってワザとじゃないの?」


マサツグの疑問にロディが不思議そうに尋ねるマサツグは首を縦に振る。その反応に

ロディがはあぁ~…と溜め息を吐くと説明を始める。


「はあぁ~…なるほど…

じゃあ、説明するわね。プレイヤーのアイテムは基本マサツグちゃんの思っている

通り、そのプレイヤー本人もしくは任意した者でないと扱えないの。でもそれは

プレイヤー同士の場合、今回みたいにペットがアイテムを扱う場合はプレイヤーが

ブロック設定をしない限り、と言うよりそう教えない限りペットはアイテムを自由に

取り出す事が出来るわよ。」


「じゃあ、言うなれば今俺のアイテムポーチはド○クエの良くある袋機能の状態と

一緒って事?」


「う~ん……まぁ…強ち間違いでも無い解釈ね……」


マサツグの解釈の仕方にロディが頭を抱えて悩むも苦笑いをする様に頷いてみせる。

そうしてマサツグの疑問が晴れた所でシロが何をしていたのかとシロを見るとその手

にはまたもやコカトリスの肉三種が握られていた。それを見てマサツグがコントの

の様にズコっとこける。そしてシロはマサツグに目をウルウルとさせ情に訴え掛ける

様に見つめる。


__きゅ~~~ん……


「ぬぅ!……

け…けど、ミスティーやフィリアに迷惑が掛かるだ……」


「別に構わんぞ?…」


マサツグがシロに我慢する様に言い聞かせようとするとスッとマサツグの隣に立つ様

に何者かが立つ。その影にマサツグが気が付くと横を向き確認するとそこには

フィリアが立っており、まだ反省中なのか首から反省の看板をぶら下げていた。


「…まだ反省中ですか?……」


「うむ…なかなかにミスティーが許してくれん……」


こうなるとどっちが女王なのか分からなくなってくる。そして突然現れたフィリアに

ガイアス達が驚き、慌てて傅こうとするがフィリアが楽にする様にガイアス達に

呼び掛ける。


「じょ!…女王陛下!?」


「よいよい…楽にせい……

これは公務の場では無い。これはただのお忍びだ。」


{お忍びになっていないのだが?……}


マサツグがフィリアに心の中でツッコミを入れているとロディがフィリアに用件を

尋ねる。フィリアはそのロディの問い掛けに反応すると思い出した様に用件を

伝え始める。


「…で、フィリア様はここに何の用で来たのですか?

一応、ポップリングスのゲート前ですが郊外ですよ?ただの用で来たとは

思えませんが?…」


「おぉ!そうであった!そうであった!!

ロディ殿に頼みが有ったのであった!

ちっとばかし付き合ってくれんかの?」


そう言うとフィリアはロディと一緒にポップリングスに戻って行く。その様子を

後ろから見ているとロディと一緒に戻っていたフィリアが突如急にピタッと

止まる。そしてマサツグの元まで急いで戻って来るとその場で手紙を一通書き、

その手紙をマサツグに手渡す。


「………これでよし!

この手紙を王宮の者に見せよ!

そうすれば準備をしてくれるだろう。」


「え?…」


「それに余ももう一度あの肉を食したかったしの!!」


そう言い残すとまたダッシュでロディの所まで戻って行く。まるでマサツグの

悩みを汲み取った様な行動にマサツグが感心しているとその様子をぼうっと

見ているガイアス達。普通に冒険をしていればまず知り合う事の無い王族達と

普通に会話するマサツグに驚いている様子であった。そんなガイアス達に

一緒に食事に行かないかと誘うとガイアス達は戸惑いながらもマサツグ達と

食事に向かう。その際案内されたのが王宮で料理がコカトリスの肉を使った

料理とただただ驚いた様子を見せるガイアス達であったがコカトリスの肉が

美味しかったのかシロと一緒に何度もおかわりをするのであった。

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