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4.夢ではない?
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異世界転生もので私が好きなパターンは、性格の良い女主人公が憑依で美少女になるものだった。性格の良い!美少女!が私の好みだ。自分以外の人間のために、危険を冒せる勇敢さ…、それが自分の利になる行為であっても、それは結果であって目的ではない…、それを華奢なか弱い女性が成すのだ。素晴らしいだろ。そりゃヒーローも惚れるさ。友達も惚れるさ。恋のさや当ても始まるさ。
だが、私を見ろ。
身長170センチ、体重100キロのこの巨体を。ニキビで醜いこの顔を。
これはせいぜい、主人公を拉致監禁する悪者役にしかならないだろう。
あと、主人公を襲撃するすぐやられる悪者の一人。
もしくは、奴隷商人の女将か…?
少なくとも、召喚されるタイプじゃないだろ。
召喚した人たちもびっくりするだろ。
ついでに言うと、私が自分以外の人間のために無私の心で何かするとも思えない。お節介を焼いて薮蛇もごめんだ。そういう人間なのだ、好きなキャラクターのタイプは決して自分がなり得ない理想なのだ…
目的地までの距離が長いせいか、色々考えてしまう。
百歩譲って、これが夢でないのなら。
うーん、まあ夢だと思うんだけどな…。まさか、死後の世界ではないだろうな…。状況的にそれは排除しきれないが、怖いので保留にしよう、これは夢。
まあ、それにしてももうちょっとこの転生ものの夢は続きそうだ。
まあ間違いなく、湖で呼び出したのが人の形をした豚で奴らはがっかりしているはずだ。
そのうえ、水没した豚を引き上げなくてはならない仕事まで増やされた。
これは小柄な美少女のみ許される役だ。小柄な美少女の気絶した姿は守らなくては、という庇護欲を煽るだろうが、巨大な豚は殺意の対象となる。冷たい水に浸かっての重労働なのだから。
で。
千歩譲ったとして、これが夢でなく、ホントに召喚されたのだとしても。
私が豚であることを、奴らに申し訳なく思う必要はさらさらないのだ。
武器となる外見ではないのは残念ではあるが、無いものは無いのだ。
呼び寄せたのは向こうで、私は来たくて来たわけじゃない。
必要以上に卑屈になる必要はない。
だが、ここでの私の人権は、QOLは、私を召喚した大きな権力を持つ者たちに左右されると思って間違いない。
異世界転生物の小説のように、逆境あれど、人間性に惚れ、味方となる者たちが増えることも期待できない。私の性格は自分がよく知っている。人生のパターンが簡単に変わるはずもない。これまでだって自分の傾向を変えようと努力はしてきたのだ。
いつも、良くもないがそれほど悪くもないラインで生きてきた。
(これまでと変わらない…)
もし夢でないとしたら、楽しみにしていた小説の続編がもう読めなくなってしまう。それは残念だが、その程度の喪失など慣れている。いずれ新たな傷でどうでもよくなるのだ。
だが、私を見ろ。
身長170センチ、体重100キロのこの巨体を。ニキビで醜いこの顔を。
これはせいぜい、主人公を拉致監禁する悪者役にしかならないだろう。
あと、主人公を襲撃するすぐやられる悪者の一人。
もしくは、奴隷商人の女将か…?
少なくとも、召喚されるタイプじゃないだろ。
召喚した人たちもびっくりするだろ。
ついでに言うと、私が自分以外の人間のために無私の心で何かするとも思えない。お節介を焼いて薮蛇もごめんだ。そういう人間なのだ、好きなキャラクターのタイプは決して自分がなり得ない理想なのだ…
目的地までの距離が長いせいか、色々考えてしまう。
百歩譲って、これが夢でないのなら。
うーん、まあ夢だと思うんだけどな…。まさか、死後の世界ではないだろうな…。状況的にそれは排除しきれないが、怖いので保留にしよう、これは夢。
まあ、それにしてももうちょっとこの転生ものの夢は続きそうだ。
まあ間違いなく、湖で呼び出したのが人の形をした豚で奴らはがっかりしているはずだ。
そのうえ、水没した豚を引き上げなくてはならない仕事まで増やされた。
これは小柄な美少女のみ許される役だ。小柄な美少女の気絶した姿は守らなくては、という庇護欲を煽るだろうが、巨大な豚は殺意の対象となる。冷たい水に浸かっての重労働なのだから。
で。
千歩譲ったとして、これが夢でなく、ホントに召喚されたのだとしても。
私が豚であることを、奴らに申し訳なく思う必要はさらさらないのだ。
武器となる外見ではないのは残念ではあるが、無いものは無いのだ。
呼び寄せたのは向こうで、私は来たくて来たわけじゃない。
必要以上に卑屈になる必要はない。
だが、ここでの私の人権は、QOLは、私を召喚した大きな権力を持つ者たちに左右されると思って間違いない。
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いつも、良くもないがそれほど悪くもないラインで生きてきた。
(これまでと変わらない…)
もし夢でないとしたら、楽しみにしていた小説の続編がもう読めなくなってしまう。それは残念だが、その程度の喪失など慣れている。いずれ新たな傷でどうでもよくなるのだ。
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