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03:個人ダンジョン3
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マップ通りに進んでチンアントを一回倒すごとに落ち着いてを繰り返せば魔鉄がある場所にたどり着いた。
「実物? は初めて見た……」
これが実物であるかは分からないけど五つの魔鉄を手に入れた。
装備と一緒についていた袋にその魔鉄を何気なく入れる。
「……ん? 重くならない……」
もしかしてこの袋もすごいものなのか?
「トキ、この袋はなんだ?」
『はい。その袋は最大1トンまで入り重さを感じない『次元袋』になります。マックスになればまた次の袋をお渡しします』
そんな袋聞いたことがない。もしかしなくてもこれでもお金儲けできるんじゃないか? お金なんていっぱいあるけどあればあるだけいい。
まあ動きの邪魔にならないから気にせずに戦うことができる。
「……レベルが上がってる」
何体目かのチンアントを倒した後に速度が上がっていることでステータスを見ればレベルが上がっていることに気がついた。
『岩倉王間
Lv:2
HP:(3/8)
MP:(0/2)
STR:7
VIT:4
AGI:7
DEX:3
INT:2
RES:2
LUK:3
魔法
スキル
ダンジョン作成/猛火の剣士』
今までは一生Lv1のままだと思っていたから正直嬉しい。でもたぶんこのステータスだとまだキングチンアントには勝てないだろうな。
チンアント一体の十倍の強さなんだろ。俺も十倍のLv10にならないといけないのか?
「トキ、キングチンアントの推奨Lvはあるのか?」
『Lv5です』
「それは平均でか?」
ステータスは人それぞれ。それなのに推奨Lvが出るのか。
『オウマさまならLv5です』
「そうか、分かった」
これは道中チンアントを狩りまくらないとLv5には到達しないだろうな。
時間がかかるかもしれないがそれならそれでどれくらいでモンスターが出てくるかとかどれくらいで鉱物が復活するのかを確認してもいいかもしれない。
「……不思議だ」
前までなら少しでもダンジョンにいたら気分が悪くなっていたが今はそんなことはない。
ここが危険な場所ではないと認識しているおかげか? まだ少しだけ恐怖はあるけどこの恐怖は必要なものだ。
まあここが大丈夫だからといって他のダンジョンに入ろうとは欠片も思わない。ここも俺の意思で入ったわけではないからな。
☆
チンアントを狩り続けても未だに慣れないことに安堵を覚えつつダンジョン内を回ってLv5にすることができた。
それなりに時間がかかったからもう少しだけ出現頻度と出現可能上限をあげても問題なかったな。
でもこんなところで留まることもないからこれくらいがちょうどいいか。誰が好き好んでチンアントを狩り続けるんだよ。
でも金のために才能がない人が狩り続けることはあるか。俺は金は持っているからそんなことはしないけど。
「あれ? ……トキ、ここでは魔石は出ないのか?」
今思い出したというか俺自身、ここで倒したモンスターが最初だったから何も思わなかったが、モンスターを倒しても魔石が出てきていない。
『実践モードでは魔石は出ません』
「魔石は出ないけど、魔鉄は出るのか? もしかして消えるとか?」
『いいえ、鉱物は持ち帰ることができます。ですが魔石は違います』
よく分からないから考えるのをやめよう。深く考えてもそういうものだと理解するしかないのだから。
Lv5になったことでついにフロアボスがいる扉の前に来た。
「……よし」
何度も深呼吸をして扉を開ければ中は暗かったが俺が一歩足を踏み入れた瞬間に部屋の灯りがついた。
「っ……!」
部屋の中央にはチンアントを何倍にもした巨大なチンアントがいた。
キングチンアントを見た瞬間に呼吸が浅くなるのを感じるがすぐに深呼吸をして落ち着かせる。
「大丈夫……大丈夫だ……」
自分に言い聞かせるように言ってから俺はキングチンアントに立ち向かう。
キングチンアントも俺のことを認識しており立ち向かっている俺に向かってくる。
最初よりもはるかに速くなった移動速度でキングチンアントの側面に回り込んで側面の三本ある内の一本の足を切り落とした。
まだチンアントの時でも細いなと思っていたけど巨大になると俺の体以上に太さがあるんじゃないのか。まあこの巨体を支えるためにはそれくらいは必要か。
前足を切り落としたとはいえキングチンアントは体勢を崩さずに俺に顔を向けてきた。
その瞬間俺はキングチンアントと目が合ったような気がして硬直してしまった。その直後キングチンアントの口から液体が吐かれ、俺は避けることができずにそれを受けてしまう直前にソファの上にいた。
『実践解析……クリアするためにスキルを付与します』
「ふぅぅぅぅぅ……」
たぶん何のスキルでもなかったのだろう、俺が硬直したのは。
まだチンアントほどの大きさならどうにかなったがキングチンアントみたいな大きさはあの時の光景がよぎってしまう。
でもあいつとは違う。だから今度は大丈夫だ、心構えはできた。
次はどんなスキルをもらったのだろうかと確認する。
『岩倉王間
Lv:5
HP:(25/25)
MP:(11/11)
STR:18
VIT:13
AGI:17
DEX:7
INT:8
RES:5
LUK:6
魔法
スキル
ダンジョン作成/猛火の剣士/自己加速』
自己加速か。速くなるスキルなのか? どういう理由でこれを付与したのだろうか。
『スキルのラーニングを実施しますか?』
「あぁ、する」
『ラーニング開始します』
再び真っ白な空間に視界が変わった。
『加速のスキル情報を開示します』
『加速
・思考を加速させることができる。
・魔力を消費すれば自身の動きを加速することができる。』
……あぁ、なるほど。どうしてこのスキルを手に入れたのか分かった。俺が思考を止めていたからこのスキルを付与してきたんだ。
止まったとしてもこれで思考をスッキリとさせてから戦えと言いたいのか。……これで負ければどうにもならないな。
俺は才能がない。だからトキがそれを補うために二つのスキルを付与してくれた。これで他の人と一緒のスタートラインには立てたということか。
『ラーニング完了。ラーニング終了します』
「実践だ」
『転送します』
「実物? は初めて見た……」
これが実物であるかは分からないけど五つの魔鉄を手に入れた。
装備と一緒についていた袋にその魔鉄を何気なく入れる。
「……ん? 重くならない……」
もしかしてこの袋もすごいものなのか?
「トキ、この袋はなんだ?」
『はい。その袋は最大1トンまで入り重さを感じない『次元袋』になります。マックスになればまた次の袋をお渡しします』
そんな袋聞いたことがない。もしかしなくてもこれでもお金儲けできるんじゃないか? お金なんていっぱいあるけどあればあるだけいい。
まあ動きの邪魔にならないから気にせずに戦うことができる。
「……レベルが上がってる」
何体目かのチンアントを倒した後に速度が上がっていることでステータスを見ればレベルが上がっていることに気がついた。
『岩倉王間
Lv:2
HP:(3/8)
MP:(0/2)
STR:7
VIT:4
AGI:7
DEX:3
INT:2
RES:2
LUK:3
魔法
スキル
ダンジョン作成/猛火の剣士』
今までは一生Lv1のままだと思っていたから正直嬉しい。でもたぶんこのステータスだとまだキングチンアントには勝てないだろうな。
チンアント一体の十倍の強さなんだろ。俺も十倍のLv10にならないといけないのか?
「トキ、キングチンアントの推奨Lvはあるのか?」
『Lv5です』
「それは平均でか?」
ステータスは人それぞれ。それなのに推奨Lvが出るのか。
『オウマさまならLv5です』
「そうか、分かった」
これは道中チンアントを狩りまくらないとLv5には到達しないだろうな。
時間がかかるかもしれないがそれならそれでどれくらいでモンスターが出てくるかとかどれくらいで鉱物が復活するのかを確認してもいいかもしれない。
「……不思議だ」
前までなら少しでもダンジョンにいたら気分が悪くなっていたが今はそんなことはない。
ここが危険な場所ではないと認識しているおかげか? まだ少しだけ恐怖はあるけどこの恐怖は必要なものだ。
まあここが大丈夫だからといって他のダンジョンに入ろうとは欠片も思わない。ここも俺の意思で入ったわけではないからな。
☆
チンアントを狩り続けても未だに慣れないことに安堵を覚えつつダンジョン内を回ってLv5にすることができた。
それなりに時間がかかったからもう少しだけ出現頻度と出現可能上限をあげても問題なかったな。
でもこんなところで留まることもないからこれくらいがちょうどいいか。誰が好き好んでチンアントを狩り続けるんだよ。
でも金のために才能がない人が狩り続けることはあるか。俺は金は持っているからそんなことはしないけど。
「あれ? ……トキ、ここでは魔石は出ないのか?」
今思い出したというか俺自身、ここで倒したモンスターが最初だったから何も思わなかったが、モンスターを倒しても魔石が出てきていない。
『実践モードでは魔石は出ません』
「魔石は出ないけど、魔鉄は出るのか? もしかして消えるとか?」
『いいえ、鉱物は持ち帰ることができます。ですが魔石は違います』
よく分からないから考えるのをやめよう。深く考えてもそういうものだと理解するしかないのだから。
Lv5になったことでついにフロアボスがいる扉の前に来た。
「……よし」
何度も深呼吸をして扉を開ければ中は暗かったが俺が一歩足を踏み入れた瞬間に部屋の灯りがついた。
「っ……!」
部屋の中央にはチンアントを何倍にもした巨大なチンアントがいた。
キングチンアントを見た瞬間に呼吸が浅くなるのを感じるがすぐに深呼吸をして落ち着かせる。
「大丈夫……大丈夫だ……」
自分に言い聞かせるように言ってから俺はキングチンアントに立ち向かう。
キングチンアントも俺のことを認識しており立ち向かっている俺に向かってくる。
最初よりもはるかに速くなった移動速度でキングチンアントの側面に回り込んで側面の三本ある内の一本の足を切り落とした。
まだチンアントの時でも細いなと思っていたけど巨大になると俺の体以上に太さがあるんじゃないのか。まあこの巨体を支えるためにはそれくらいは必要か。
前足を切り落としたとはいえキングチンアントは体勢を崩さずに俺に顔を向けてきた。
その瞬間俺はキングチンアントと目が合ったような気がして硬直してしまった。その直後キングチンアントの口から液体が吐かれ、俺は避けることができずにそれを受けてしまう直前にソファの上にいた。
『実践解析……クリアするためにスキルを付与します』
「ふぅぅぅぅぅ……」
たぶん何のスキルでもなかったのだろう、俺が硬直したのは。
まだチンアントほどの大きさならどうにかなったがキングチンアントみたいな大きさはあの時の光景がよぎってしまう。
でもあいつとは違う。だから今度は大丈夫だ、心構えはできた。
次はどんなスキルをもらったのだろうかと確認する。
『岩倉王間
Lv:5
HP:(25/25)
MP:(11/11)
STR:18
VIT:13
AGI:17
DEX:7
INT:8
RES:5
LUK:6
魔法
スキル
ダンジョン作成/猛火の剣士/自己加速』
自己加速か。速くなるスキルなのか? どういう理由でこれを付与したのだろうか。
『スキルのラーニングを実施しますか?』
「あぁ、する」
『ラーニング開始します』
再び真っ白な空間に視界が変わった。
『加速のスキル情報を開示します』
『加速
・思考を加速させることができる。
・魔力を消費すれば自身の動きを加速することができる。』
……あぁ、なるほど。どうしてこのスキルを手に入れたのか分かった。俺が思考を止めていたからこのスキルを付与してきたんだ。
止まったとしてもこれで思考をスッキリとさせてから戦えと言いたいのか。……これで負ければどうにもならないな。
俺は才能がない。だからトキがそれを補うために二つのスキルを付与してくれた。これで他の人と一緒のスタートラインには立てたということか。
『ラーニング完了。ラーニング終了します』
「実践だ」
『転送します』
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