スキル「ジョブチェンジ」で下剋上!

山椒

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05:戦士Lv5

 王都から出れば見渡す限り草原が広がっていた。

 そしてその草原の中でポツポツと見たことがない生き物がいることが分かった。

「戦ったことはある?」
「俺の世界では迫りくる危険なんてそんなないからな。ないぞ」
「とても平和な世界だったのね。あなたを見れば分かるわ」

 世界を羨むわけではなく俺を小ばかにした態度であることは理解した。

 でも俺は大人だ。受け流しておこう。

「怪我をしないように頑張りはする」
「戦士ならうまく戦えるでしょうからそこまで気にしなくていいわよ」
「ジョブによって違うのか?」
「そのジョブになれば戦い方は自ずと分かるようになっている。戦士は一般的なジョブだけど戦うことにおいては歴史上もっとも貢献してきたジョブよ。レベルアップで手に入るスキルも戦士の方が使い勝手がいいものが手に入るはずね」

 なるほど、ありふれた職業ということは分かった。でもその分リターンはあるものの大成はしないって感じか。そりゃそのジョブとステータスが低かったら見込みなしってなるわ。

 それがいいとは全く言っていないけどね。絶対に許さん。

 とにもかくにも、いいことを聞いたから俺はジョブの可能性を信じる。

「最初の相手はLv1のモンスター、バウンドインセクトよ」

 バウンドインセクトと呼ばれたモンスターはダンゴムシがそのまま大型犬ほど大きくなったモンスターだった。

 なんというか、デカい。ダンゴムシというか虫がデカくなればそれは恐怖だからな。虫はあの大きさで気持ち悪さを抑えられているがデカくなったらぞわっと来る。

「私とアニーは適当に攻撃するからあなたは気にせず戦いなさい」
「いいのか? そんなに優遇してもらって」
「あなたに死なれても私は困るのよ。他にもやってもらうことがあるわ」
「そうかよ」

 ま、ジョブチェンジというスキルは替えがきかないから俺はかなり立場がよくなっている。

 その代わりブレアに協力しないといけないが強くなるのならスキルを使うくらいは問題ない。

 むしろこれは商売だ。俺の強さと引き換えに俺のスキルを使う。ロードマップ的には全くありな状態だ。

 俺はブロンズソードを鞘から抜き、バウンドインセクトに向けて駆ける。

 ステータスを得る前では考えられないくらいの速度に驚きつつもしっかりとバウンドインセクトを見ている。

 こちらに気が付いたバウンドインセクトは丸まった。

「いっ」

 丸まった次の動作は体をバウンドさせ高く飛んだ。

 どうやってそんなことをしたんだと思ったが人間も跳べることを考えればまあ不思議ではないか? ただ足とか使わずにボール状で跳んだのは意味わからないが。

 バウンドインセクトは俺めがけて落ちてくるから避けようとする。

 だが俺の思考に別の考えが出てきたことで避け方を変える。

 バウンドインセクトが俺に当たる前に少し体を動かし紙一重で避けてから地面に衝突しそうなバウンドインセクトを斬った。

「こういうことか……」

 確実に俺が知らない動きをした。

 というかその思考が浮かんでその通り動くことができた。

 これはジョブが大切なわけだ。ジョブが戦闘面であればそれだけ有利になる。より強ければなおさらうまく動くことができるわけだ。

「最初にしてはそこそこね」
「最初だからな。でも何とかできそうだ」

 ジョブのこんな仕様を知らなかった時は不安だったが今は大丈夫だと思えてしまう。

「おそらく見えないステータスも相まってうまく動けたのね。あなたのステータスではうまく動けないわ」

 おいおい、それなのにあんなことを言っていたのか。まあいいけど。

「時間がもったいないから早くやりなさい」
「あぁ、やるよ」

 時間がもったいないのは同感だ。ロードマップを色々な角度からゴールできるようにしておきたいからここでのレベル上げは今後生きていくためにも大事だ。

 ブレアとアニーの援護もありバウンドインセクトを始め、ロックボール、マッドドールを倒していく。

 レベルを上げるために段々とモンスターのレベルが上がっていくが俺の他ジョブを解放したことによるステータスとブレアとアニーがいるから問題なく倒すことができた。

 そのおかげで俺のレベルは5に上がったことで文字が出てきた。

『スキル<クリティカル>を獲得しました』
「本当にレベルアップでスキルをゲットできるんだな」

 まあスキルを手に入れたとしても内容が分からないからな。

「あら、珍しいスキルを手に入れたわね」
「スキルの内容が分かるのか?」
「私は<鑑定>を持っているって言ったわよね。だからスキルを鑑定することだってできるわ」

 へー、鑑定のスキルってすげー。他者のステータスを見るだけではなくそんなこともできるのか。

 当たりスキルだよな。そのスキルがあるから俺のジョブチェンジも分かったんだから。

「それでスキル内容は教えてくれるのか?」

 スキルで商売している俺にとって、鑑定のスキルを使ってもらうことは買うということになる。

「ジョブチェンジ人数を一人増やすことで十回の鑑定をしてあげる。それでどう?」
「あぁ、分かった」

 今は鑑定のスキルの重要性が分からないしスキルの使い方が分かる方が重要だと判断したからその提案を受ける。

「成立ね。クリティカルは物理による攻撃を五十パーセントの確率で十倍にするというスキルよ」
「五十パーセントで十倍か。悪くないスキルじゃないか?」
「強い部類ね。でもそれ単体ではあまり強いとは言えない、Bランクといったところかしら」
「ランク?」
「私が勝手につけているだけだから気にしないで。それよりもまだするでしょう?」
「あぁ、まだまだ元気だからな」
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