独占欲

２５

　僕は自分の手の中で、どんどんと膨らみを増す中心を無我夢中で擦った。

「ん、あっ、あん……だめ、また出ちゃう……」
「たんとお出しなさいませ。さあ、もっと……」

　僕の開いた足の間に、白い液体を纏った松下の手が割り込んでくる。


　だめっ！
　そこに触れられたら、僕はもっとはしたない子になってしまう……


　そんな僕の思いとは裏腹に、僕は腰を突き出し、松下の指をそこに受け入れた。

「はぁっ……、あっ……」

　松下の指が僕の中で行ったり来たりを繰り返すその度に、僕は腰を揺ら揺らと淫らに揺らした。

「そろそろでございますね」

　松下の指が僕の中から引き抜かれる。


　あぁ、もっと中を混ぜて欲しいのに……


　僕は物足りなさを感じながら、松下を恨めし気に見上げた。

「智樹様、私がお手伝いできるのはここまででございます」
「どういうこと？」
「ごらんなさいませ」

　さっきまで僕の中に合った指が、寝台で横たわる兄様を指差した。

「えっ、どうして……？」

　僕は初めて見る光景に、自分の目を疑った。

「私の調合した薬が良く効いてるようですね」

　松下が僕から離れ、寝台にに横たわる兄様の下服を剝いでいくのを、僕は息を呑んで見つめていた。

　そして兄様の身体を覆う全ての布を剝ぎ取り終えると、「智樹様、こちらへ」と松下が僕の手を引いた。