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第9章 日常3:彼の部屋
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「は? いきなり何……」
僕が取った行動の意味が分からないのか、桜木くんが戸惑いの声を上げる。
でも僕は聞く耳を持つことなく、「いいから乗って?」とお尻を突き出した格好のまま、肩越しに桜木くんを振り返った。
なのに桜木くんときたら、プッと吹き出したかと思うと、お腹を抱えて笑いだして……
「いいよ、一人で歩けるし……。それに、大田くん俺よりちっこいし……」
挙げ句、僕が気にしてることを平然と口にして、一向に譲る気配がない。
ホント、頑固だなぁ……
でも頑固さなら僕だって負けないんだから!
僕は「任せて!」と胸をグーで叩くと、桜木くんに向かってウインクを一つした。それには流石の櫻井くんも根負けしたのか……
「わ、分かったよ。でも俺、けっこう重いし、、もし無理だったら降ろしてくれて良いから……」
ちょっとだけ笑いを含んだ口調で言って、僕の背中に覆い被さって来た。
「うん、大丈……夫。これでも僕、腰はけっこう鍛えてるから……」
「そう……なの? 全然そんな風には見えないけど……」
そりゃそうでしょ。見た目には分かんないだろうし……
それに、セックスで鍛えてる……なんて、とても言えないしね?
「見えなくてもそうなの!」
僕は自信たっぷりに言い放ち、屈めていた腰を伸ばそうと「よいしょ」と掛け声をかけた……けど。
「あ……で?」
おかしいなあ……、僕別にすっごい力持ちではないけど、それなりに力はあると思ってたんだよ?
なのにさ、全然持ち上がんない!
それでも僕は足を一歩、また一歩と踏み出すと、おんぶとは名ばかりで、引き摺るようにして目的の部屋に向かって廊下を進んだ。
「重い……だろ?」
廊下の途中で足を止めた僕に、桜木くんがやっぱり笑いを含んだ声で言う。
「ぜ、全然! 言ったでしょ? 僕、腰には自信あるって。だから平気だよ」
だから僕は額に汗を浮かべながら、強がりを言って見せた。
僕が取った行動の意味が分からないのか、桜木くんが戸惑いの声を上げる。
でも僕は聞く耳を持つことなく、「いいから乗って?」とお尻を突き出した格好のまま、肩越しに桜木くんを振り返った。
なのに桜木くんときたら、プッと吹き出したかと思うと、お腹を抱えて笑いだして……
「いいよ、一人で歩けるし……。それに、大田くん俺よりちっこいし……」
挙げ句、僕が気にしてることを平然と口にして、一向に譲る気配がない。
ホント、頑固だなぁ……
でも頑固さなら僕だって負けないんだから!
僕は「任せて!」と胸をグーで叩くと、桜木くんに向かってウインクを一つした。それには流石の櫻井くんも根負けしたのか……
「わ、分かったよ。でも俺、けっこう重いし、、もし無理だったら降ろしてくれて良いから……」
ちょっとだけ笑いを含んだ口調で言って、僕の背中に覆い被さって来た。
「うん、大丈……夫。これでも僕、腰はけっこう鍛えてるから……」
「そう……なの? 全然そんな風には見えないけど……」
そりゃそうでしょ。見た目には分かんないだろうし……
それに、セックスで鍛えてる……なんて、とても言えないしね?
「見えなくてもそうなの!」
僕は自信たっぷりに言い放ち、屈めていた腰を伸ばそうと「よいしょ」と掛け声をかけた……けど。
「あ……で?」
おかしいなあ……、僕別にすっごい力持ちではないけど、それなりに力はあると思ってたんだよ?
なのにさ、全然持ち上がんない!
それでも僕は足を一歩、また一歩と踏み出すと、おんぶとは名ばかりで、引き摺るようにして目的の部屋に向かって廊下を進んだ。
「重い……だろ?」
廊下の途中で足を止めた僕に、桜木くんがやっぱり笑いを含んだ声で言う。
「ぜ、全然! 言ったでしょ? 僕、腰には自信あるって。だから平気だよ」
だから僕は額に汗を浮かべながら、強がりを言って見せた。
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