136 / 688
第11章 scene3:病院
8
しおりを挟む
「おはようございま~す♪ 今日は宜しくお願いしま~す♪」
表面上は何ともない素振りで、スタジオにいたスタッフさん達に挨拶をするけど、実際は下半身がそれどころじゃない。
ほんのちょっと動くだけで、アレがアレに当たって、アレがアレになっちゃいそうなんだもん。
「あの、監督さんは?」
確か今日の監督は森岡監督の筈だけど、スタジオの中を一通り見回してみても、森岡監督らしき人の姿はどこにも見えない。
時間には割と厳しい人だって聞いてたけど、遅れてるのかな?
僕はスタッフさんが差し出してくれたクッキーを手に取ると、ヌーディカラーのリップを塗った唇を気遣いながら、一口で頬張った。
んふ、おいひぃ♡
「ね、もう一個貰っても良い?」
美味しいお菓子って、ついつい止まらなくなっちゃうんだよね♪
特に、僕ってスイーツ好きだから、甘いお菓子には目がないんだ。
「はい、幾つでもどうぞ」
「やったぁ♪」
隣で 「それ以上食ったら太るぞ」って長井さんの声がするけど、そんなの気にしない。
僕はルンルン気分でクッキーに手を伸ばした。
そして三つ目のクッキーを口に頬ばろうとしたその時……
「あ、松下さん……、おはようございます!」
クッキーをくれたスタッフさんが、急に腰を直角になるくらいに折り曲げ頭を下げた。
それに驚いた僕は、咄嗟に手に持ったクッキーを背中に隠すと、スタッフさん……程じゃないけど、ペコリと頭を下げた。
「あ、あの、HIMEです。今日は宜しくお願いします」
「ふーん……、君が話題の……。噂になるだけあって、中々可愛いじゃないの」
あ、ありがとうござ……い……」
俯いた僕の顎先に手がかかって、僕の意志とは関係なく上向かされる。
でも真っ直ぐ顔を見ることが出来なくて……
だって、写真でしか見たことないけど、いかにもスターって感じの人だったし、ちょっと怖い人なのかもって思ってたから……
だから僕、咄嗟に視線逸らしちゃったんだよね。
そしたらさ、そこにさ……いたんだよね、夢でも幻でもなく、現実の桜木くんが、松下さんの横で大きな目を更に大きくして、立っていたんだよね。
表面上は何ともない素振りで、スタジオにいたスタッフさん達に挨拶をするけど、実際は下半身がそれどころじゃない。
ほんのちょっと動くだけで、アレがアレに当たって、アレがアレになっちゃいそうなんだもん。
「あの、監督さんは?」
確か今日の監督は森岡監督の筈だけど、スタジオの中を一通り見回してみても、森岡監督らしき人の姿はどこにも見えない。
時間には割と厳しい人だって聞いてたけど、遅れてるのかな?
僕はスタッフさんが差し出してくれたクッキーを手に取ると、ヌーディカラーのリップを塗った唇を気遣いながら、一口で頬張った。
んふ、おいひぃ♡
「ね、もう一個貰っても良い?」
美味しいお菓子って、ついつい止まらなくなっちゃうんだよね♪
特に、僕ってスイーツ好きだから、甘いお菓子には目がないんだ。
「はい、幾つでもどうぞ」
「やったぁ♪」
隣で 「それ以上食ったら太るぞ」って長井さんの声がするけど、そんなの気にしない。
僕はルンルン気分でクッキーに手を伸ばした。
そして三つ目のクッキーを口に頬ばろうとしたその時……
「あ、松下さん……、おはようございます!」
クッキーをくれたスタッフさんが、急に腰を直角になるくらいに折り曲げ頭を下げた。
それに驚いた僕は、咄嗟に手に持ったクッキーを背中に隠すと、スタッフさん……程じゃないけど、ペコリと頭を下げた。
「あ、あの、HIMEです。今日は宜しくお願いします」
「ふーん……、君が話題の……。噂になるだけあって、中々可愛いじゃないの」
あ、ありがとうござ……い……」
俯いた僕の顎先に手がかかって、僕の意志とは関係なく上向かされる。
でも真っ直ぐ顔を見ることが出来なくて……
だって、写真でしか見たことないけど、いかにもスターって感じの人だったし、ちょっと怖い人なのかもって思ってたから……
だから僕、咄嗟に視線逸らしちゃったんだよね。
そしたらさ、そこにさ……いたんだよね、夢でも幻でもなく、現実の桜木くんが、松下さんの横で大きな目を更に大きくして、立っていたんだよね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
50
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる