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第一章

ロリは最高だゴブ!!

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アーサーが『アルフォンス』に着いたとき、雑貨屋の面子は馬車を組み立てていた。

しばらくその様子を眺めていると、メリアが近づいてくる。

「ねえ、アーサー、今暇?」

「え、あ、ああ。問題ないよ。」

すると彼女は可愛らしく彼を見上げ、

「じゃあ、ちょっと馬車作りを手伝って欲しいんだけど・・・・」

と、あざとく頼む。髪の香りをふんわり運ぶことも忘れない。

「え、もちろん!!」

こうして、犠牲者がまた一人増えたのであった。








「ふう、やっと終わった・・」

夕暮れになると、十一体もの屍がそこら中に転がった。

食品業界も青ざめる労働時間と仕事量であった。

まあそういった規定が無いので、メリアは有り余る労力を惜しむことなく使ったのだが・・・・・

そもそも彼女の仕事の頼み方が汚なかった。


五時間前・・・

「ザッツ、僕もう疲れたよ。」

「奇遇だな、ローリー。俺も死にそうだ。」

ごろんと横になる二人。


しばらく寝ていると、後頭部の妙に柔らかく暖かい感覚に目が覚める。いい香りもしていた。


「あら、起こしちゃった?」


暫くぼんやりその顔を見つめていた二人は、その状況を理解した途端、意識が覚醒する。

「お疲れ様、二人とも。なんかキツそうだったから、何か私に出来ることがあればって思って・・・それで膝枕してみたんだけど・・・・・・・・・もう疲れちゃった?」


こてん、とあどけなく首を傾げるメリアに、変態コンビは大興奮。挙げ句の果てには調子に乗って、

「まだまだ俺達働けますぜ!!」

などと言ったものだから、そっから更に地獄を見るはめになった。

後は、何人かが耳元で囁かれ、思わず赤面したのだとか........







翌日、メリアは野郎共を食堂に集めた。

「皆さん、おはようございます。今日は大事な話があるので聞いて下さい。」

普段とは打って変わった口調の彼女に、周りは緊張する。

皆の様子を見た彼女は、タイミングを見計らって口を開いた。

まずは売り上げのこと。それで今資金がどれほどあるか。

そして、新規事業を始める旨。

「それはズバリ、旅商人です!!」

そこでカイルから質問が上がる。

「なぁ姫さん、なんでそれをする必要があるんだ?」

「それはね、この商会の地位を確立する為よ。」

今や、『アルフォンス商会』の知名度は高い。しかしそれは、あくまでこの街のことでしかない。うちの商会を広く世に広めていくには、店を全国展開する必要がある。だが人員はたった十人。それならどうするか。二人一組で行商人をさせれば良いのだ。こいつら強いし。


「ええと、メンバーは後ほど告知します。それでは、解散!!」


こうして、彼女のプロジェクトは大きく動き出した。




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膝枕って、男子諸君にとっては嬉しいものなのでしょうか。

読んで下さりありがとうございました。

次回もまたよろしくお願いします!!


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