1 / 1
1話 アプリの中からはじめまして
しおりを挟む
夕暮れ時に、光沢のある白いスポーツカーで颯爽と走る一人の女性がいた。彼女の名前は立花蒼。仕事を終えた蒼は、明日からの休暇を利用して、婚活アプリで知り合った男性と会うために空港へと向かっていた。
遡ること2年前、蒼は結婚を前提に付き合っていた男性がいた。昔、浮気をされたことで男性不信となっていた蒼を優しく包み込んでくれたのが彼だった。しかし、そんな彼とも些細な事で喧嘩別れをしてしまい、3年という終止符を打つこととなる。
別れて半年が経っただろうか。日曜日だというのに外は雨模様。傷心しきっている蒼に、窓に当たる雨音がいつもよりやけに大きく聞こえた。
蒼は、自宅で大好きなスイーツを食べながら映画を観て癒やされていた。時々暇つぶしに携帯をいじる癖は勿論習慣化としていた。
誰もが一度は目にしたことがあるだろうマッチングアプリの広告を、いつもなら素通りしていた蒼だが、今回はなぜか妙に気になり、某会社のマッチングアプリに思い切って登録をしてみることにした。
しばらくすると、通知音が引っ切り無しに部屋中に鳴り響いた。
「神奈川、富山、大阪、広島、福岡…たくさん申込みが来てるけど…島根はあまりいないみたいね…。」
蒼は、縁結びで有名な島根県の出身だが、アプリには島根県の男性があまり登録していないようだった。
「せっかくだから何人かとやり取りをしてみようかな。」
蒼は、マッチングをして数名とやり取りを始めてみることにした。しかし、約2ヶ月やり取りを重ねてみるが、魅力的な男性はその中にはいなかった。蒼はアプリを退会しようか悩みながらも、もう一度申込んでくれている男性を改めて見直すことにした。
「もしかしたら見落としてるかもしれないし、かと言って自分から申し込む勇気もないし…。いなかったら退会すればいいよね。」
蒼は最後の望みをかけて一人の男性に目を留めた。
富山県在住の黒部雅士だった。プロフィール上では、大手企業で年収も悪く無く、某有名私立大学出身のようだった。
蒼は雅士とマッチングしてみることにした。
マッチングして二日後に雅士から連絡がきた。それもそのはず、雅士が申し込んで2ヶ月が経過していたのだから、雅士も毎日ログインはしていなかったのである。
「はじめまして。マッチングありがとうございます。」
そんな会話からやり取りが始まっていった。
そして、二人は三週間後に中間地点である愛知県で会うことを約束した。
遡ること2年前、蒼は結婚を前提に付き合っていた男性がいた。昔、浮気をされたことで男性不信となっていた蒼を優しく包み込んでくれたのが彼だった。しかし、そんな彼とも些細な事で喧嘩別れをしてしまい、3年という終止符を打つこととなる。
別れて半年が経っただろうか。日曜日だというのに外は雨模様。傷心しきっている蒼に、窓に当たる雨音がいつもよりやけに大きく聞こえた。
蒼は、自宅で大好きなスイーツを食べながら映画を観て癒やされていた。時々暇つぶしに携帯をいじる癖は勿論習慣化としていた。
誰もが一度は目にしたことがあるだろうマッチングアプリの広告を、いつもなら素通りしていた蒼だが、今回はなぜか妙に気になり、某会社のマッチングアプリに思い切って登録をしてみることにした。
しばらくすると、通知音が引っ切り無しに部屋中に鳴り響いた。
「神奈川、富山、大阪、広島、福岡…たくさん申込みが来てるけど…島根はあまりいないみたいね…。」
蒼は、縁結びで有名な島根県の出身だが、アプリには島根県の男性があまり登録していないようだった。
「せっかくだから何人かとやり取りをしてみようかな。」
蒼は、マッチングをして数名とやり取りを始めてみることにした。しかし、約2ヶ月やり取りを重ねてみるが、魅力的な男性はその中にはいなかった。蒼はアプリを退会しようか悩みながらも、もう一度申込んでくれている男性を改めて見直すことにした。
「もしかしたら見落としてるかもしれないし、かと言って自分から申し込む勇気もないし…。いなかったら退会すればいいよね。」
蒼は最後の望みをかけて一人の男性に目を留めた。
富山県在住の黒部雅士だった。プロフィール上では、大手企業で年収も悪く無く、某有名私立大学出身のようだった。
蒼は雅士とマッチングしてみることにした。
マッチングして二日後に雅士から連絡がきた。それもそのはず、雅士が申し込んで2ヶ月が経過していたのだから、雅士も毎日ログインはしていなかったのである。
「はじめまして。マッチングありがとうございます。」
そんな会話からやり取りが始まっていった。
そして、二人は三週間後に中間地点である愛知県で会うことを約束した。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる