婚活アプリ♡本気(マジ)で恋して何が悪い

花手毬 のの花

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1話 アプリの中からはじめまして

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 夕暮れ時に、光沢のある白いスポーツカーで颯爽と走る一人の女性がいた。彼女の名前は立花蒼。仕事を終えた蒼は、明日からの休暇を利用して、婚活アプリで知り合った男性と会うために空港へと向かっていた。

 
 遡ること2年前、蒼は結婚を前提に付き合っていた男性がいた。昔、浮気をされたことで男性不信となっていた蒼を優しく包み込んでくれたのが彼だった。しかし、そんな彼とも些細な事で喧嘩別れをしてしまい、3年という終止符を打つこととなる。
 別れて半年が経っただろうか。日曜日だというのに外は雨模様。傷心しきっている蒼に、窓に当たる雨音がいつもよりやけに大きく聞こえた。
 蒼は、自宅で大好きなスイーツを食べながら映画を観て癒やされていた。時々暇つぶしに携帯をいじる癖は勿論習慣化としていた。
 誰もが一度は目にしたことがあるだろうマッチングアプリの広告を、いつもなら素通りしていた蒼だが、今回はなぜか妙に気になり、某会社のマッチングアプリに思い切って登録をしてみることにした。


 しばらくすると、通知音が引っ切り無しに部屋中に鳴り響いた。
 「神奈川、富山、大阪、広島、福岡…たくさん申込みが来てるけど…島根はあまりいないみたいね…。」
 蒼は、縁結びで有名な島根県の出身だが、アプリには島根県の男性があまり登録していないようだった。
 「せっかくだから何人かとやり取りをしてみようかな。」
 蒼は、マッチングをして数名とやり取りを始めてみることにした。しかし、約2ヶ月やり取りを重ねてみるが、魅力的な男性はその中にはいなかった。蒼はアプリを退会しようか悩みながらも、もう一度申込んでくれている男性を改めて見直すことにした。
 「もしかしたら見落としてるかもしれないし、かと言って自分から申し込む勇気もないし…。いなかったら退会すればいいよね。」
 蒼は最後の望みをかけて一人の男性に目を留めた。
 富山県在住の黒部雅士だった。プロフィール上では、大手企業で年収も悪く無く、某有名私立大学出身のようだった。
 蒼は雅士とマッチングしてみることにした。

 マッチングして二日後に雅士から連絡がきた。それもそのはず、雅士が申し込んで2ヶ月が経過していたのだから、雅士も毎日ログインはしていなかったのである。
 「はじめまして。マッチングありがとうございます。」
 そんな会話からやり取りが始まっていった。
 そして、二人は三週間後に中間地点である愛知県で会うことを約束した。
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