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ある事情
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翌日、国王に呼び出されたヴィオレータたち。
「して、ユースファノよ。此度の暴挙、なぜ起こそうと思ったのか。ローデリカ嬢の光魔法発現とはどう言うことなのか。しっかりと説明せよ。」
「どうしても何も、ヴィオレータがローデリカをいじめたからです。また、俺が剣術の授業で怪我をしたときローデリカは光魔法で癒してくれました。」
ユースファノの答えに頭を抱える国王。
「それでなぜ、婚約破棄をしようとする?もしも、本当に仮にだが、ヴィオレータがいじめをしていたとして口頭注意などをすれば良いであろう!お前は婚約をなんとこころえておるのだ!」
「それは、、ヴィオレータが力をはたらかせていじめを無かったことにすると思い、公衆の前では、もみ消せないだろうと考え、今回の婚約破棄を思いつきました。」
「力をはたらかせているのはお前の方ではないか。王族の言葉をなんと捉えているのか。教育を誤ってしまったか、、」
「ローデリカ嬢よ。ヴィオレータにいじめられたとは本当なのか?」
国王に問われ、怯えるように体を揺らすローデリカ。
「あの、、いじめられていたのは本当なんですが、、」
「ふむ。なんだ?」
「ヴィオレータ様にいじめられたとは一言も言っていないです!!」
「何を言っているのか!?ローデリカ!ヴィオレータの名前を出すと怯える様子だったではないか!」
「だ・か・ら!一言もヴィオレータ様にいじめられているとは言っていないでしょう!そもそも、聖女であるヴィオレータ様が人をいじめられるわけないでしょう!聖女は清廉潔白でなければならないのに。あと、ヴィオレータ様に認識されてさえいなかったと思います」
一息で言い切ったローデリカ。そんなローデリカの様子に国王は驚いた。
「では、なぜヴィオレータの名を聞いたら怯える様にしておったのだ?光魔法と関係が?」
「実は、私の曽祖母が聖女でして。光魔法は遺伝で発現する場合もあるそうです。私は1人を治すのに精一杯で、ヴィオレータ様の足元にも及びませんが。怯えていたのように見えていたのは、ヴィオレータ様に緊張してですね。曽祖母の影響で幼い時から聖女をされていたヴィオレータ様に憧れていたので。」
「なるほどな。どうしたユースファノ」
ショックを受け、信じられないとでも言うようなユースファノ。
「ヴィオレータが聖女?本当ですか?」
「私はなぜ其方が知らないのか疑問でしかないがな」
「あぁ、それはしょうがない?、しょうがなくはないですけど、事情があるのですよ」
それまで、国王たちのやりとりを見ていたヴィオレータが口を開く。
「殿下にはあえて私が聖女だということを伏せられていたんです。幼い頃の殿下は内気で優秀な兄上方に劣等感を抱いておいででしたから。婚約者の私までもが聖女だとわかると殿下がどんな行動をとるか分からないと陛下が配慮されたのですよ。それでも完全に隠せる訳でもないので、気づくことはできたと思うのですが、そこは殿下の落ち度ですわね。」
「なるほど、そういう事か。でも普通は気づくはずでは?他国の平民でも知っていることだが。婚約者が聖女の任務で学院にいないことも知らなかったのか」
次々と自分の知らぬ事実が明かされ驚愕するユースファノ。
「では、いじめはヴィオレータではないのか、、」
「最初からそう申しております。」
あらかたの経緯がわかったところで国王が問う。
「ユースファノ、お前に良かれと思ってヴィオレータのことは隠しておったが、今でも知らぬとは思わなかった。隠しておったことは、わしの責任じゃ。すまぬ。しかし、お前の罪は重いぞ。婚約者を知ろうともせず、周りの声さえ聞かずに聖女を断罪。どう落とし前をつけるつもりか」
ガックリとうつむくユースファノ。
「ヴィオレータ、アラン殿。此度は我が愚息がすまなかった。ローデリカ嬢は光魔法の件について詳しく話を聞かせてもらうぞ。ユースファノにもおって沙汰を下す。
ヴィオレータよ、公爵と賠償などのやりとりをするつもりだ。できる限りの願いは叶える。何か望みを考えておいてくれ。」
了承し、ヴィオレータとアラン、ローデリカはそれぞれ帰路に着く。
王宮の廊下でヴィオレータの後を追いかけてきたアラン。
「ヴィオレータ嬢!」
「なんでしょうか、アラン殿下」
「求婚の件だが、僕は本気だ。君のことが好きなんだ。どうか真剣に考えてくれ」
アランはヴィオレータの髪にキスをして立ち去っていった。
ヴィオレータは顔を真っ赤にしながら、アランが去った方を見つめていた。
「して、ユースファノよ。此度の暴挙、なぜ起こそうと思ったのか。ローデリカ嬢の光魔法発現とはどう言うことなのか。しっかりと説明せよ。」
「どうしても何も、ヴィオレータがローデリカをいじめたからです。また、俺が剣術の授業で怪我をしたときローデリカは光魔法で癒してくれました。」
ユースファノの答えに頭を抱える国王。
「それでなぜ、婚約破棄をしようとする?もしも、本当に仮にだが、ヴィオレータがいじめをしていたとして口頭注意などをすれば良いであろう!お前は婚約をなんとこころえておるのだ!」
「それは、、ヴィオレータが力をはたらかせていじめを無かったことにすると思い、公衆の前では、もみ消せないだろうと考え、今回の婚約破棄を思いつきました。」
「力をはたらかせているのはお前の方ではないか。王族の言葉をなんと捉えているのか。教育を誤ってしまったか、、」
「ローデリカ嬢よ。ヴィオレータにいじめられたとは本当なのか?」
国王に問われ、怯えるように体を揺らすローデリカ。
「あの、、いじめられていたのは本当なんですが、、」
「ふむ。なんだ?」
「ヴィオレータ様にいじめられたとは一言も言っていないです!!」
「何を言っているのか!?ローデリカ!ヴィオレータの名前を出すと怯える様子だったではないか!」
「だ・か・ら!一言もヴィオレータ様にいじめられているとは言っていないでしょう!そもそも、聖女であるヴィオレータ様が人をいじめられるわけないでしょう!聖女は清廉潔白でなければならないのに。あと、ヴィオレータ様に認識されてさえいなかったと思います」
一息で言い切ったローデリカ。そんなローデリカの様子に国王は驚いた。
「では、なぜヴィオレータの名を聞いたら怯える様にしておったのだ?光魔法と関係が?」
「実は、私の曽祖母が聖女でして。光魔法は遺伝で発現する場合もあるそうです。私は1人を治すのに精一杯で、ヴィオレータ様の足元にも及びませんが。怯えていたのように見えていたのは、ヴィオレータ様に緊張してですね。曽祖母の影響で幼い時から聖女をされていたヴィオレータ様に憧れていたので。」
「なるほどな。どうしたユースファノ」
ショックを受け、信じられないとでも言うようなユースファノ。
「ヴィオレータが聖女?本当ですか?」
「私はなぜ其方が知らないのか疑問でしかないがな」
「あぁ、それはしょうがない?、しょうがなくはないですけど、事情があるのですよ」
それまで、国王たちのやりとりを見ていたヴィオレータが口を開く。
「殿下にはあえて私が聖女だということを伏せられていたんです。幼い頃の殿下は内気で優秀な兄上方に劣等感を抱いておいででしたから。婚約者の私までもが聖女だとわかると殿下がどんな行動をとるか分からないと陛下が配慮されたのですよ。それでも完全に隠せる訳でもないので、気づくことはできたと思うのですが、そこは殿下の落ち度ですわね。」
「なるほど、そういう事か。でも普通は気づくはずでは?他国の平民でも知っていることだが。婚約者が聖女の任務で学院にいないことも知らなかったのか」
次々と自分の知らぬ事実が明かされ驚愕するユースファノ。
「では、いじめはヴィオレータではないのか、、」
「最初からそう申しております。」
あらかたの経緯がわかったところで国王が問う。
「ユースファノ、お前に良かれと思ってヴィオレータのことは隠しておったが、今でも知らぬとは思わなかった。隠しておったことは、わしの責任じゃ。すまぬ。しかし、お前の罪は重いぞ。婚約者を知ろうともせず、周りの声さえ聞かずに聖女を断罪。どう落とし前をつけるつもりか」
ガックリとうつむくユースファノ。
「ヴィオレータ、アラン殿。此度は我が愚息がすまなかった。ローデリカ嬢は光魔法の件について詳しく話を聞かせてもらうぞ。ユースファノにもおって沙汰を下す。
ヴィオレータよ、公爵と賠償などのやりとりをするつもりだ。できる限りの願いは叶える。何か望みを考えておいてくれ。」
了承し、ヴィオレータとアラン、ローデリカはそれぞれ帰路に着く。
王宮の廊下でヴィオレータの後を追いかけてきたアラン。
「ヴィオレータ嬢!」
「なんでしょうか、アラン殿下」
「求婚の件だが、僕は本気だ。君のことが好きなんだ。どうか真剣に考えてくれ」
アランはヴィオレータの髪にキスをして立ち去っていった。
ヴィオレータは顔を真っ赤にしながら、アランが去った方を見つめていた。
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