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三章
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「昔ね、悪い悪い魔法使いがこの国に大きな災害を引き起こす魔法を唱えたの!」そしたら大きな地震が起こって、この町の奥にあった山が崩れたの、と。
そういえば、森の更に奥にも山がある。マルトの話では、当時この山の木や川は枯れ果てており、その原因は不明だったため、困り切った住人達は町を捨てて移住することも考えていた。
その時、悪い魔法使いが地震を引き起こした。それが元で山の岩が崩れ、この町に向かって転がってきたという。あまりにも巨大な岩の塊が迫ってくる様を見て、住人達は死を覚悟した。しかし、今私達の目の前に生えるこの樹木が岩を受け止め、町は守られたのだ、
「そして!この木が町を守ってくれて、その後森も復活したんだ!
だからこの木は、この町と、あの山の守り神様なの!」
「そうか。........この岩が山の植物を枯らす原因になるような場所にあったのかもね。
で、地震のお陰で岩が動いたから、山が復活した」
「ちがうよ!」私の言葉に、マルトは目付きを鋭くした。「魔法使いが山を枯らして、わざと岩を転がして皆を殺そうとしたの!おじいちゃんがそう言ってたし、皆もそう言ってるもん!」
そう断言した少女の言葉を否定しようとは、どうしても思えなかった。これは仕方の無いことなのだ。たとえ偏っていて客観的ではない話でも、幼い頃から正しいことなのだと言い聞かされ、それ以外の考え方を教えて貰えない。だから真実だと強く信じてしまう。
きっとマルトぐらいの幼いうちなら、丁寧に話して聞かせれば理解してくれるだろう。だが、彼女にこの教えを与えた大人達も幼い頃からこれを真実として教えこまれてきたのだ。何代にも渡って、この“真実”は伝えられ続けてきた。
そんな中で彼女が「違うんじゃない?」と声を上げてしまえば、きっと周りから酷い扱いを受けてしまうだろう。
だから、このまま大きく偏った思考のままでいいのだ。彼女のために、周りのために。
「確かに、言われてみればそうだね。ごめん、私が間違っていたよ」
そういえば、森の更に奥にも山がある。マルトの話では、当時この山の木や川は枯れ果てており、その原因は不明だったため、困り切った住人達は町を捨てて移住することも考えていた。
その時、悪い魔法使いが地震を引き起こした。それが元で山の岩が崩れ、この町に向かって転がってきたという。あまりにも巨大な岩の塊が迫ってくる様を見て、住人達は死を覚悟した。しかし、今私達の目の前に生えるこの樹木が岩を受け止め、町は守られたのだ、
「そして!この木が町を守ってくれて、その後森も復活したんだ!
だからこの木は、この町と、あの山の守り神様なの!」
「そうか。........この岩が山の植物を枯らす原因になるような場所にあったのかもね。
で、地震のお陰で岩が動いたから、山が復活した」
「ちがうよ!」私の言葉に、マルトは目付きを鋭くした。「魔法使いが山を枯らして、わざと岩を転がして皆を殺そうとしたの!おじいちゃんがそう言ってたし、皆もそう言ってるもん!」
そう断言した少女の言葉を否定しようとは、どうしても思えなかった。これは仕方の無いことなのだ。たとえ偏っていて客観的ではない話でも、幼い頃から正しいことなのだと言い聞かされ、それ以外の考え方を教えて貰えない。だから真実だと強く信じてしまう。
きっとマルトぐらいの幼いうちなら、丁寧に話して聞かせれば理解してくれるだろう。だが、彼女にこの教えを与えた大人達も幼い頃からこれを真実として教えこまれてきたのだ。何代にも渡って、この“真実”は伝えられ続けてきた。
そんな中で彼女が「違うんじゃない?」と声を上げてしまえば、きっと周りから酷い扱いを受けてしまうだろう。
だから、このまま大きく偏った思考のままでいいのだ。彼女のために、周りのために。
「確かに、言われてみればそうだね。ごめん、私が間違っていたよ」
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