至って真面目で平凡で

三日

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お腹いっぱい

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 先輩たちがいなくなった後、私達はレイ先輩のご飯を二人で食べていた。
 ミートパイ、カボチャのキッシュ、スモークの厚切りベーコンにソーセージ、チーズにホタテ。スペアリブやラム肉、ハンバーグ。じゃがいもや人参、ブロッコリーのチーズフォンデュしたもの。フィッシュアンドチップス。等々。先輩は大皿に惜しみ無く載せていた。この量は、流石にキツイ。

 「もう、無理。」
 「私もー。」

端から見たら、私達は大食い選手の様だろう。

「困ってる様だから、僕も食べるよ。」
どこからか、天の声が聞こえた。

「あぁ、すいません。助かります。」

「君らって、本当に面白いよね!」
その声は、リヒトとメガネをかけた朱色の髪に薄紫色の瞳の男の子がいた。
この子、エナお姉様に似てる。

「リヒト様、この方たちは?」

「ミハエルとミノだよ。」

「ごめんなさい、、こんな格好で。ミノ・ブランディッシュ、です。」
「ミハエル・カールトン、です。よろしく、お願い、します。」

「全く君達は。そんなんじゃ、野次に何か言われても仕方がないね。」
そういうと、リヒトは、眉を下げ困ったように笑みを浮かべた。
2人が同じテーブルにつくと、

「じゃあ、カインくんも」

「はぁ。では、失礼します。僕はカイン・フォスターです。リヒト様がお世話になります。」

「違う、違う。逆だよ。この2人はちょっと、危なっかしいからね。」

「左様でしたか。はぁー。では、私は面倒を見る相手が増える。ということですね。」
そういうと、カインは眉間にシワをよせた。

「さすが!カインくん。失礼だねー‼でも、なんだかんだ面倒みてくれるから、優しいよねー。」

「まだ、私は何も!」

「まぁまぁ、食べようよー!折角の料理だ。作ってくれた人に申し訳ない。はい、あーん。」

「全く、あなたという人は、自分で食べれます。」

そういうと、2人は、黙々と食べた。

「カインくん、本当に残ったの全部食べてくれたんだねー!さすが!」

「カインくんは、大食いなんだねー。男らしくて、いいなー。」
ミハが羨望の眼差しを向ける。

「作ってくれた人に申し訳ありませんから。そこの2人!次からは食べれるだけ取るんだぞ!いいな!」

「はい!カイン様ありがとうございます!食べっぷり素敵でしたわ!」

「様は、いい。性にあわん。」

「カイン、照れてるー。「照れてなどいない!」まぁ、仕方がないよねーこんなかわいい子に言われたら、ねー?」

「だから、照れてなど!」

なんと、カイン様はツンデレですのねー。男らしいだけじゃなく、可愛さもあって。まさに、ギャップですわ。

「失礼します。口元にソースが。」
私は持っていたハンカチでカイン様の口元を拭くと更に顔が赤くなった。
やっぱり、可愛いですわ。弟にしたい!

「これくらい、自分で拭ける。」
私がニンマリしていると、拗ねられてしまった。気をつけよう。
すると、今度は二人に見られており私も恥ずかしくなった。

「さてと、これからよろしくってことで。ミノに本当はダンスでもと思ったんだけど、これじゃ、ムリだね。では、次の機会ってことで!ミハも残念だったね。ってことでカイン。行くよ!」

リヒトが言うと、頭を撫でられどこかへ行ってしまった。

なんだかんだでリヒトはピンチを救ってくれる。さすが王子。

私達は、最後にダンスを踊ってる人を遠目で眺めつつ、お話をした。

ーーー登場人物整理ーーー

 カイン・フォスター
エナお姉様の弟。なので髪、瞳は同じ色。メガネをしている。
ツンデレである。男らしさと可愛さのギャップを持つ。
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