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46. PM.夏、雨の夜。
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「なんで泣くの。あなたが悪かったの?」
「いや」
さすが兄さんだった。 生半可な慰めより泣いている夏をせき立てた。 思わず緊張していた夏はにやりと笑った。
その後、兄は何も言わなかった。 重い沈黙の中で降り注ぐ雨の音だけが悲しく聞こえた。 しばらくそのような雨を見つめていた夏は、ゆっくりと口を開いた。
「私が好きだったの、ユ·ハンビョル」
そういえば、他の人に二人の関係を打ち明けるのは初めてだった。 おそらく最初で最後になるだろう。
「とても、とても昔に…」
夏が悲しく笑う姿を兄は淡々と見守った。 そんな兄にヨルムはユ·ハンビョルとの関係を率直に告白しようとした。 ところが兄が先にその言葉を横取りした。
「10年くらい経ったよね?」
予期せぬその言葉に夏は慌てた。 もしかして知っていたのかな? いや、これまでユ·ハンビョルに関することは別に言及したことがなかった。 混乱した夏とは裏腹に、兄は淡々と語り続けた。
「あの時、あなた、お見舞いに行ったことがあったんだ。 見たよ、あなたがユ·ハンビョルの病室の近くをのぞき込んでいるのを。 すぐ泣きそうにあいつを盗み見るの」
「……見た?」
夏は戸惑った。 ずっと前にその姿を誰かが見たというのが恥ずかしかった。
「私が現れるタイミングじゃないと思って、また戻ってきた。 君たち、ただの友達じゃないよね?」
「......」
「誤解するな。 少し前まではただの友達だと思っていたから」
夏は習慣的に右腕を触りながら兄の視線を避けた。 すぐにこの場から逃げ出したい気持ちになった。 しばらくためらった夏は独り言のようにつぶやいた。
「記憶喪失症だったじゃないか」
「ところで?」
「……私も忘れてたよ」
初めて兄の表情が変わった。 眉間にしわを寄せた彼は、ややあきれたような反応を示した。 しかし、夏はもう何ともなかった。 きちんと置かれた自分の手をぼんやりと見つめながら、苦笑いした。
「事故が起きたあの日…··· ハンビョルが映画の撮影現場を見物させてくれると言ったんだ··· ねぇ、あのね。 私、最初は私がハンビョルを救ったということがすごく嬉しかった。 ところで…···. 私だけ忘れたって言ってるじゃん」
「......」
「他の人はみんな覚えてるけど、あの子の人生で私だけがいなくなったんだって。 私たちも私たちなりに幼稚なラブストーリーがあったんだ。 でも、それだけ忘れたんだって。 だからもっと大変だったんだね」
過ぎた日、その痛みを再び思い出した夏は、再び目頭が熱くなった。 夏の雪からこぼれた涙が太ももの上にぽたぽたと落ちた。
「でも今になって思い出したって、私思い出したって。 10年も経ったのに。 私にどうしろって言うんだ」
急いで涙をぬぐったヨルムは、兄に向き合ってにやりと笑った。 大丈夫そうに見えたかった。 兄はそんな夏を気の毒そうに眺めた。 その視線が嫌で夏がもっと踏むように笑い、兄は困った表情で口をつぐんだ。
何かためらった後、やっと口を開いた兄から思いがけない言葉が出た。
「あいつ、今日映画の撮影中に救急室に運ばれたよ。 病院にいるはずのやつがいなくなって、ちょっと前まで大騒ぎだった」
「......」
「あなた探しに来たみたいだね。 あなたは。あなたは本当に大丈夫なの? 整理したの?」
ハンビョルが救急室に行ったという話に、ヨルムはしばらく動揺した。 どういうわけか聞きたかったが、我慢した。
「……大丈夫だよ」
やっと言い出した言葉を後にして沈黙が流れた。
「うん、わかった。 洗って休んで。 あなた そうしてたら風邪ひくよ。 私も早く来たついでに休まないと」
席から立ち上がった兄は、部屋を出る前にしばらく止まった。 そのらしくなくためらった後、たちまち言葉を投げた。
「じゃあ、一ヶ月間そばにいたのは何だよ。 それは未練じゃないの?」
「......」
「私はいつもあなたの味方だけど、ああ見えてもうちの会社の看板だから、私の立場がちょっとあれなんだ。 あいつの性格は私よりあなたの方がよく知っているから、どう出るか分かるよね? ちゃんと整理して。 そうしてもらえるよね?」
察するに兄はヨルムが話を持ち出す前から二人の間を察していたのだ。 このままユ·ハンビョルから逃げようとする夏に終止符を打つという。
今さら?
ヨルムは湿った体でゆっくりと浴室へ向かった。 濡れた服のまま降り注ぐ水の流れに、思いにふけっていた。
*
喜ばれるとは思わなかった。 ところが、ここまで自分を押しのけるとは思わなかった。 降り注ぐ雨にそのまま打たれた夏の目頭は涙で濡れていた。 それでも自分のことを忘れたという。
知っている。 二人の間に10年という時間があることを、その間自分が何をやらかしたのかを。
どうしてこうなったのだろうか。
ハンビョルは「夏の言葉」を簡単に受け入れることができなかった。 私たちがどうやって愛したのか。 お互いの傷をかばいながら、きれいに育てていった愛だった。
親に捨てられたハンビョルにとって、夏は家族であり友人であり愛だった。 どうしようと忘れたのだろうか。 どうしよう。
ふと10年前、病院で自分を見つめていた夏が思い浮かんだ。
病室の近くをのぞき込んだヨルムは、ハンビョルを恨めしそうに眺めた。 どうして覚えていないのだろうか。 なんで、なんで! ハンビョルはこれほど自分が恨めしいことはなかった。
「夏よ!夏よ!」
ドアにぶら下がったハンビョルは、夏を待ちわびていた。
どうか一度だけ許してくれれば、そうしてくれれば、これからのすべての人生を夏に捧げるだろう。
だからお願い、戻ってきて。
しかし、ハンビョルが向き合ったのは、固い表情で自分を見つめるヨ·スンミンだった。 ハンビョルが投げた傘を持って近づいてきた彼は、困った表情を隠すことができなかった。
「ユ·ハンビョル。ここで何してんだ」
降り注ぐ雨にそのまま打たれていたハンビョルは、すでに気が狂った状態だった。 近づいてくるヨ·スンミンに必死にしがみついた。
彼は夏の兄である前に副代表だから、携帯番号をくれたように今回も自分を助けてくれそうだった。
「先輩、先輩! 私ヨルムに会わせてください! はい?お願いします。 先輩」
「......」
「私、先輩の言うことをよく聞きます。 事故を起こさないようにします! 一生契約しようと言えばします! だから!ヨルムに会わせてください。 会いたくて来たんです。 会いたくて··」
10年が過ぎた後に思い出した夏の存在は、ハンビョルにとって誰とも変えられない大切な人だった。
ヨ·スンミンは泣いているハン·ビョルを見ても大きく動揺しなかった。 ただ静かにため息をつきながら、遠く離れているイチーム長を静かに呼んだ。
「イチーム長、ユ·ハンビョルさん連れて行ってください。 病院ではなく、とりあえず家に帰ってください。 どうやら今は安静にしなければならないようだから」
「はい、分かりました」
「先輩!先輩! 私がこんなに頼むよ! 先輩!私、ヨルムが見るまでここから一歩も行かないよ! 行かないって!」
ハンビョルはもがきながら反抗した。 ここで今振り返ってみると、二度と夏を見られないような気がした。 ハンビョルの反抗にイチーム長が途方に暮れると、見かねたヨ·スンミンが近づいてきた。 彼は恐ろしい表情でハンビョルの胸ぐらをつかんで急き立てた。
「君が今までしたことの中で、昨日今日が歴代級だということは知っているだろう? お願い、ユ·ハンビョル! あなたは芸能人だよ! 芸能人!それを自覚して生きろ! いつまで私たちがあなたの後ずさりをしなければならないの!」
「夏、見させてくれ」
彼が何と言おうとハンビョルの耳には聞こえなかった。 魂が抜けたハンビョルを彼はイチーム長の手に渡して背を向けた。
「いや」
さすが兄さんだった。 生半可な慰めより泣いている夏をせき立てた。 思わず緊張していた夏はにやりと笑った。
その後、兄は何も言わなかった。 重い沈黙の中で降り注ぐ雨の音だけが悲しく聞こえた。 しばらくそのような雨を見つめていた夏は、ゆっくりと口を開いた。
「私が好きだったの、ユ·ハンビョル」
そういえば、他の人に二人の関係を打ち明けるのは初めてだった。 おそらく最初で最後になるだろう。
「とても、とても昔に…」
夏が悲しく笑う姿を兄は淡々と見守った。 そんな兄にヨルムはユ·ハンビョルとの関係を率直に告白しようとした。 ところが兄が先にその言葉を横取りした。
「10年くらい経ったよね?」
予期せぬその言葉に夏は慌てた。 もしかして知っていたのかな? いや、これまでユ·ハンビョルに関することは別に言及したことがなかった。 混乱した夏とは裏腹に、兄は淡々と語り続けた。
「あの時、あなた、お見舞いに行ったことがあったんだ。 見たよ、あなたがユ·ハンビョルの病室の近くをのぞき込んでいるのを。 すぐ泣きそうにあいつを盗み見るの」
「……見た?」
夏は戸惑った。 ずっと前にその姿を誰かが見たというのが恥ずかしかった。
「私が現れるタイミングじゃないと思って、また戻ってきた。 君たち、ただの友達じゃないよね?」
「......」
「誤解するな。 少し前まではただの友達だと思っていたから」
夏は習慣的に右腕を触りながら兄の視線を避けた。 すぐにこの場から逃げ出したい気持ちになった。 しばらくためらった夏は独り言のようにつぶやいた。
「記憶喪失症だったじゃないか」
「ところで?」
「……私も忘れてたよ」
初めて兄の表情が変わった。 眉間にしわを寄せた彼は、ややあきれたような反応を示した。 しかし、夏はもう何ともなかった。 きちんと置かれた自分の手をぼんやりと見つめながら、苦笑いした。
「事故が起きたあの日…··· ハンビョルが映画の撮影現場を見物させてくれると言ったんだ··· ねぇ、あのね。 私、最初は私がハンビョルを救ったということがすごく嬉しかった。 ところで…···. 私だけ忘れたって言ってるじゃん」
「......」
「他の人はみんな覚えてるけど、あの子の人生で私だけがいなくなったんだって。 私たちも私たちなりに幼稚なラブストーリーがあったんだ。 でも、それだけ忘れたんだって。 だからもっと大変だったんだね」
過ぎた日、その痛みを再び思い出した夏は、再び目頭が熱くなった。 夏の雪からこぼれた涙が太ももの上にぽたぽたと落ちた。
「でも今になって思い出したって、私思い出したって。 10年も経ったのに。 私にどうしろって言うんだ」
急いで涙をぬぐったヨルムは、兄に向き合ってにやりと笑った。 大丈夫そうに見えたかった。 兄はそんな夏を気の毒そうに眺めた。 その視線が嫌で夏がもっと踏むように笑い、兄は困った表情で口をつぐんだ。
何かためらった後、やっと口を開いた兄から思いがけない言葉が出た。
「あいつ、今日映画の撮影中に救急室に運ばれたよ。 病院にいるはずのやつがいなくなって、ちょっと前まで大騒ぎだった」
「......」
「あなた探しに来たみたいだね。 あなたは。あなたは本当に大丈夫なの? 整理したの?」
ハンビョルが救急室に行ったという話に、ヨルムはしばらく動揺した。 どういうわけか聞きたかったが、我慢した。
「……大丈夫だよ」
やっと言い出した言葉を後にして沈黙が流れた。
「うん、わかった。 洗って休んで。 あなた そうしてたら風邪ひくよ。 私も早く来たついでに休まないと」
席から立ち上がった兄は、部屋を出る前にしばらく止まった。 そのらしくなくためらった後、たちまち言葉を投げた。
「じゃあ、一ヶ月間そばにいたのは何だよ。 それは未練じゃないの?」
「......」
「私はいつもあなたの味方だけど、ああ見えてもうちの会社の看板だから、私の立場がちょっとあれなんだ。 あいつの性格は私よりあなたの方がよく知っているから、どう出るか分かるよね? ちゃんと整理して。 そうしてもらえるよね?」
察するに兄はヨルムが話を持ち出す前から二人の間を察していたのだ。 このままユ·ハンビョルから逃げようとする夏に終止符を打つという。
今さら?
ヨルムは湿った体でゆっくりと浴室へ向かった。 濡れた服のまま降り注ぐ水の流れに、思いにふけっていた。
*
喜ばれるとは思わなかった。 ところが、ここまで自分を押しのけるとは思わなかった。 降り注ぐ雨にそのまま打たれた夏の目頭は涙で濡れていた。 それでも自分のことを忘れたという。
知っている。 二人の間に10年という時間があることを、その間自分が何をやらかしたのかを。
どうしてこうなったのだろうか。
ハンビョルは「夏の言葉」を簡単に受け入れることができなかった。 私たちがどうやって愛したのか。 お互いの傷をかばいながら、きれいに育てていった愛だった。
親に捨てられたハンビョルにとって、夏は家族であり友人であり愛だった。 どうしようと忘れたのだろうか。 どうしよう。
ふと10年前、病院で自分を見つめていた夏が思い浮かんだ。
病室の近くをのぞき込んだヨルムは、ハンビョルを恨めしそうに眺めた。 どうして覚えていないのだろうか。 なんで、なんで! ハンビョルはこれほど自分が恨めしいことはなかった。
「夏よ!夏よ!」
ドアにぶら下がったハンビョルは、夏を待ちわびていた。
どうか一度だけ許してくれれば、そうしてくれれば、これからのすべての人生を夏に捧げるだろう。
だからお願い、戻ってきて。
しかし、ハンビョルが向き合ったのは、固い表情で自分を見つめるヨ·スンミンだった。 ハンビョルが投げた傘を持って近づいてきた彼は、困った表情を隠すことができなかった。
「ユ·ハンビョル。ここで何してんだ」
降り注ぐ雨にそのまま打たれていたハンビョルは、すでに気が狂った状態だった。 近づいてくるヨ·スンミンに必死にしがみついた。
彼は夏の兄である前に副代表だから、携帯番号をくれたように今回も自分を助けてくれそうだった。
「先輩、先輩! 私ヨルムに会わせてください! はい?お願いします。 先輩」
「......」
「私、先輩の言うことをよく聞きます。 事故を起こさないようにします! 一生契約しようと言えばします! だから!ヨルムに会わせてください。 会いたくて来たんです。 会いたくて··」
10年が過ぎた後に思い出した夏の存在は、ハンビョルにとって誰とも変えられない大切な人だった。
ヨ·スンミンは泣いているハン·ビョルを見ても大きく動揺しなかった。 ただ静かにため息をつきながら、遠く離れているイチーム長を静かに呼んだ。
「イチーム長、ユ·ハンビョルさん連れて行ってください。 病院ではなく、とりあえず家に帰ってください。 どうやら今は安静にしなければならないようだから」
「はい、分かりました」
「先輩!先輩! 私がこんなに頼むよ! 先輩!私、ヨルムが見るまでここから一歩も行かないよ! 行かないって!」
ハンビョルはもがきながら反抗した。 ここで今振り返ってみると、二度と夏を見られないような気がした。 ハンビョルの反抗にイチーム長が途方に暮れると、見かねたヨ·スンミンが近づいてきた。 彼は恐ろしい表情でハンビョルの胸ぐらをつかんで急き立てた。
「君が今までしたことの中で、昨日今日が歴代級だということは知っているだろう? お願い、ユ·ハンビョル! あなたは芸能人だよ! 芸能人!それを自覚して生きろ! いつまで私たちがあなたの後ずさりをしなければならないの!」
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