52 / 60
46. PM.夏、雨の夜。
52
しおりを挟む
[先生、今日ちょっと時間ありますか?]
ためらいの末に送った夏のメッセージにすぐスンジェの返事が飛んできた。
[いくらでも]
夏はそれと違って簡単には答えられなかった。 一文字ずつ書いていくたびに指が重かった。
どこで見るのがいいかというヨルムの問いに、彼はどこでも構わないと言った。 こんな配慮が本当に良かったのに···. このように過ごすには惜しい男だった。
実際、こんなに早く彼を切り取る必要はなかった。 夏が今すぐハンビョルとうまくやってみようというわけでもなく、未来はどうなるか誰も分からないからだ。
それでも夏はスンジェを整理しようと準備中だった。
小さな希望を残しておけば、その希望が挫折した時、痛みがどれほど大きいかを知ることができるので、彼のためにもこの関係は決着をつけなければならなかった。
考えた末、夏は待ち合わせ場所を会社の近くに決めた。 彼と会った後、兄と約束があったからだ。
スンジェは、「快く承知した」と話した。 それを最後に短い対話は終わったが、夏は気が楽ではなかった。
どうやら今日は彼と笑って別れることができないような気がした。 ひょっとしたら彼との最後の出会いになるかも知れない。
苦笑いしながら家を出る夏の手には、彼がくれた紙袋があった。
*
会社の近くのカフェでスンジェと会うことにした。 透明なガラスのドアを開けて入ると、涼しい空気が先に夏を迎えた。 タクシーに降りてしばらく歩いただけなのに、汗が出るほど暑い天気だった。
「いらっしゃいませ」
自然にカウンターに向かった夏は、そこの職員と向き合った視線に首をかしげた。 同じように相手も夏を見ながら首をかしげたが、すぐ目が大きくなった。
「そうでしょ?」
「そうだよ」
お互いに気づいた二人は同時に笑い出した。
「おい!あなた、いつ来たんだ? あらまあ、ここで見るわ」
「そうだね。ここで見るんだ。 真冬」
久しぶりにその名前を呼んでみる。 しばらく韓国で社会服務要員として勤務していた時、よく立ち寄ったゲイバーの職員だった。
同じ年頃だったし、夏のように変わった名前だったので、かなり親しく過ごした。 他は分からないが、二重まぶたのない大きな目で目を笑う時、少しときめいた記憶がある。
ここで彼を見ることになるとは。 予期せぬ出会いが嬉しかったのか、冬は興奮した。
「あなたは何も変わっていない」
「あなたはどうで、違う。 少し変わったかな? 頭からつま先までがらりと変わったか? 何だよ、ロトに当たったのか?」
「ロトは何だよ、これが何年ぶりだ」
「よさそうだ。 以前は死ぬ顔をしていたのに」
「私がいつ。あ、お帰りなさい。 夏よ忙しくないでしょ? ちょっと座っていてくれる?」
押し寄せる客を受け入れるために冬は忙しそうに見えた。 飲み屋で接待する姿だけを見たせいか、コーヒーを淹れてお客さんを迎える姿が見慣れないように感じられた。
「いや、仕事をしなさい。 私、ここで誰かに会うことにしたの」
「そうなの?何かあげようか? アイスアメリカーノ?」
「うん。あそこに座っているよ」
「うん, 座っていなさい」
外から見るのとは違って、売り場はかなり大きかった。 街が見える窓際に座った夏は、しばらく冬を見守った。
不思議だった。夏の記憶の中にある真冬はどこか暗くて余裕がなさそうに見えたが、今彼はとても幸せそうに見えた。
客が消え、一息ついた冬がアイスアメリカーノ一杯を持って夏の方に来る途中、彼の携帯電話が鳴った。 冬はいろいろと短い会話をして電話を切った。
そうするうちに、夏と出会った視線ににっこりと笑う。 笑う時の姿が記憶の中にあったそのままだった。 訳もなく前にいる人まで気持ちよくさせる悲しい微笑み。
「恋人?」
「まあ, そうだね」
冬は夏の問いに否定しなかった。 ただニヤリと笑って照れるだけだった。 しばらくここに来た目的を忘れた夏は笑いが爆発した。
「いいね。 よさそうだね。 ここはあなたの店なの? あなた 本当にロトに当たったようだ」
「ロトって。 いや、お店は恋人で、私は職員。 わぁ、あなたに会ったことを知ったら、チャ·イヨンの子をすごく喜ぶと思うよ」
「イ·ヨン?」
「あっ、チャ·イヨン。 覚えてる? あなた うちの店に来るたびにサービスをたくさんしてあげるって社長に怒られたじゃん」
過ぎた思い出に夏は子供のように笑い出した。 真冬の友人であり、一緒にゲイバーで働いていたチャ·イヨンというやつは夏がかなり好きだった。
「知ってる、元気?」
「そうだよ、元気だよ。 チャ·イヨンのやつは無人島に落としておいても豊かな暮らしをするやつじゃないか。 あいつ今大邱にいるよ」
「大邱に?」
「大邱でカフェをやっているんだ。 ちょっと待って。おい、一緒に写真を一枚だけ撮ろう。 「チャ·イヨンさんが年を取ってから、人の話に疑いが多いです。 私があなたに会ったと言ったら、絶対に信じないに違いないんだ。 証拠を見せなければならないんだから」
少し興奮した冬の様子につられて夏も気持ちよかった。 どうしても韓国で過ごした期間が短いため、ここに同年代の友人があまりいなかった夏は、まるで古い友人に会ったような気分だった。
「そうだね、撮ろう。 何がそんなに難しいんだよ」
話が終わるやいなや夏の席に移った冬と並んで写真を撮った。 男2人でVをして撮る姿が恥ずかしいが、写真の中の夏は明るく笑っていた。
「夏よ、番号教えて。 いつか会ってご飯でも食べよう」
「うん」
携帯電話番号を教えるやいなや、さっき撮った写真まで渡したギョウルは、その間にチャ·イヨンに連絡が来たと言って笑った。 「ここを見ろ」と言って、私の携帯電話を夏の顔に押し付けてくれた。
[真冬に頑張ってるな、頑張って。 グラちょっといい加減にしろ。 [僕は釣れない]
「見た?うちのイヨンがこうだ。 この子は純粋さがないんです」
「イ·ヨンは恋人いないの?」
冬の嘆きに笑いが絶えなかった夏がやっと息を吸い込み、コーヒーを一口飲んだ。
「金持ちでハンサムで能力のある男じゃないと付き合わないって? 正直、そんなボトムがどこにあるの? 有名な言葉があるじゃない。 金持ちでハンサムで能力のある男はみんな「既婚者」か「ゲイ」だった。 ところが、そのようなことにも全ての持ち主がいる。 これだよ。そうじゃない?」
「そうだね、あるよ、あるとも」
夏と冬は昔から相性がよかった。 席にもいないチャ·イヨンをテーマに対話の花を咲かせている時、ギョウルが自然に次の質問を投げかけた。
「あなたは? あなたは恋人いる?」
瞬間的に夏は表情管理ができなかった。 ぎこちなく笑って冬の視線を避けると、しばらく静寂が流れた。 気の利く真冬は意地悪に食い下がらなかった。
何気なく夏が対話を続けようとする時だった。 タイミングよくお客さんが入ってきた。
「いらっしゃいませ」
素早く席を立った冬が、挨拶をしながらさっさとカウンターに走って行った。
「アイスアメリカーノを2杯ください」
「お持ちですか?」
「いいえ、ここで飲んで…」
「先生」
聞き慣れた声に振り向いたらスンジェだった。 10分早く到着した彼は、夏のコーヒーまで注文していた。
「冬よ、一杯だけ頼むよ」
夏とスンジェを交互に見ていた冬は、すぐに小さくうなずいた。 スンジェは、「どうしてこんなに早く来たのか」という言葉を投げながら近づいてきた。
まだ心の準備もしないままスンジェと向き合うようになったヨルムは、どんな表情をすればいいのか分からず、バカのように瞬きばかりした。
コーヒーが出てくる間、長い沈黙が続いた。 その間、静かに夏を眺めていたスンジェも何かに気づいたようだった。 彼は努めて笑顔で夏を淡々と歌った。
「夏よ」
「先生」
二人の言葉が重なった。
ためらいの末に送った夏のメッセージにすぐスンジェの返事が飛んできた。
[いくらでも]
夏はそれと違って簡単には答えられなかった。 一文字ずつ書いていくたびに指が重かった。
どこで見るのがいいかというヨルムの問いに、彼はどこでも構わないと言った。 こんな配慮が本当に良かったのに···. このように過ごすには惜しい男だった。
実際、こんなに早く彼を切り取る必要はなかった。 夏が今すぐハンビョルとうまくやってみようというわけでもなく、未来はどうなるか誰も分からないからだ。
それでも夏はスンジェを整理しようと準備中だった。
小さな希望を残しておけば、その希望が挫折した時、痛みがどれほど大きいかを知ることができるので、彼のためにもこの関係は決着をつけなければならなかった。
考えた末、夏は待ち合わせ場所を会社の近くに決めた。 彼と会った後、兄と約束があったからだ。
スンジェは、「快く承知した」と話した。 それを最後に短い対話は終わったが、夏は気が楽ではなかった。
どうやら今日は彼と笑って別れることができないような気がした。 ひょっとしたら彼との最後の出会いになるかも知れない。
苦笑いしながら家を出る夏の手には、彼がくれた紙袋があった。
*
会社の近くのカフェでスンジェと会うことにした。 透明なガラスのドアを開けて入ると、涼しい空気が先に夏を迎えた。 タクシーに降りてしばらく歩いただけなのに、汗が出るほど暑い天気だった。
「いらっしゃいませ」
自然にカウンターに向かった夏は、そこの職員と向き合った視線に首をかしげた。 同じように相手も夏を見ながら首をかしげたが、すぐ目が大きくなった。
「そうでしょ?」
「そうだよ」
お互いに気づいた二人は同時に笑い出した。
「おい!あなた、いつ来たんだ? あらまあ、ここで見るわ」
「そうだね。ここで見るんだ。 真冬」
久しぶりにその名前を呼んでみる。 しばらく韓国で社会服務要員として勤務していた時、よく立ち寄ったゲイバーの職員だった。
同じ年頃だったし、夏のように変わった名前だったので、かなり親しく過ごした。 他は分からないが、二重まぶたのない大きな目で目を笑う時、少しときめいた記憶がある。
ここで彼を見ることになるとは。 予期せぬ出会いが嬉しかったのか、冬は興奮した。
「あなたは何も変わっていない」
「あなたはどうで、違う。 少し変わったかな? 頭からつま先までがらりと変わったか? 何だよ、ロトに当たったのか?」
「ロトは何だよ、これが何年ぶりだ」
「よさそうだ。 以前は死ぬ顔をしていたのに」
「私がいつ。あ、お帰りなさい。 夏よ忙しくないでしょ? ちょっと座っていてくれる?」
押し寄せる客を受け入れるために冬は忙しそうに見えた。 飲み屋で接待する姿だけを見たせいか、コーヒーを淹れてお客さんを迎える姿が見慣れないように感じられた。
「いや、仕事をしなさい。 私、ここで誰かに会うことにしたの」
「そうなの?何かあげようか? アイスアメリカーノ?」
「うん。あそこに座っているよ」
「うん, 座っていなさい」
外から見るのとは違って、売り場はかなり大きかった。 街が見える窓際に座った夏は、しばらく冬を見守った。
不思議だった。夏の記憶の中にある真冬はどこか暗くて余裕がなさそうに見えたが、今彼はとても幸せそうに見えた。
客が消え、一息ついた冬がアイスアメリカーノ一杯を持って夏の方に来る途中、彼の携帯電話が鳴った。 冬はいろいろと短い会話をして電話を切った。
そうするうちに、夏と出会った視線ににっこりと笑う。 笑う時の姿が記憶の中にあったそのままだった。 訳もなく前にいる人まで気持ちよくさせる悲しい微笑み。
「恋人?」
「まあ, そうだね」
冬は夏の問いに否定しなかった。 ただニヤリと笑って照れるだけだった。 しばらくここに来た目的を忘れた夏は笑いが爆発した。
「いいね。 よさそうだね。 ここはあなたの店なの? あなた 本当にロトに当たったようだ」
「ロトって。 いや、お店は恋人で、私は職員。 わぁ、あなたに会ったことを知ったら、チャ·イヨンの子をすごく喜ぶと思うよ」
「イ·ヨン?」
「あっ、チャ·イヨン。 覚えてる? あなた うちの店に来るたびにサービスをたくさんしてあげるって社長に怒られたじゃん」
過ぎた思い出に夏は子供のように笑い出した。 真冬の友人であり、一緒にゲイバーで働いていたチャ·イヨンというやつは夏がかなり好きだった。
「知ってる、元気?」
「そうだよ、元気だよ。 チャ·イヨンのやつは無人島に落としておいても豊かな暮らしをするやつじゃないか。 あいつ今大邱にいるよ」
「大邱に?」
「大邱でカフェをやっているんだ。 ちょっと待って。おい、一緒に写真を一枚だけ撮ろう。 「チャ·イヨンさんが年を取ってから、人の話に疑いが多いです。 私があなたに会ったと言ったら、絶対に信じないに違いないんだ。 証拠を見せなければならないんだから」
少し興奮した冬の様子につられて夏も気持ちよかった。 どうしても韓国で過ごした期間が短いため、ここに同年代の友人があまりいなかった夏は、まるで古い友人に会ったような気分だった。
「そうだね、撮ろう。 何がそんなに難しいんだよ」
話が終わるやいなや夏の席に移った冬と並んで写真を撮った。 男2人でVをして撮る姿が恥ずかしいが、写真の中の夏は明るく笑っていた。
「夏よ、番号教えて。 いつか会ってご飯でも食べよう」
「うん」
携帯電話番号を教えるやいなや、さっき撮った写真まで渡したギョウルは、その間にチャ·イヨンに連絡が来たと言って笑った。 「ここを見ろ」と言って、私の携帯電話を夏の顔に押し付けてくれた。
[真冬に頑張ってるな、頑張って。 グラちょっといい加減にしろ。 [僕は釣れない]
「見た?うちのイヨンがこうだ。 この子は純粋さがないんです」
「イ·ヨンは恋人いないの?」
冬の嘆きに笑いが絶えなかった夏がやっと息を吸い込み、コーヒーを一口飲んだ。
「金持ちでハンサムで能力のある男じゃないと付き合わないって? 正直、そんなボトムがどこにあるの? 有名な言葉があるじゃない。 金持ちでハンサムで能力のある男はみんな「既婚者」か「ゲイ」だった。 ところが、そのようなことにも全ての持ち主がいる。 これだよ。そうじゃない?」
「そうだね、あるよ、あるとも」
夏と冬は昔から相性がよかった。 席にもいないチャ·イヨンをテーマに対話の花を咲かせている時、ギョウルが自然に次の質問を投げかけた。
「あなたは? あなたは恋人いる?」
瞬間的に夏は表情管理ができなかった。 ぎこちなく笑って冬の視線を避けると、しばらく静寂が流れた。 気の利く真冬は意地悪に食い下がらなかった。
何気なく夏が対話を続けようとする時だった。 タイミングよくお客さんが入ってきた。
「いらっしゃいませ」
素早く席を立った冬が、挨拶をしながらさっさとカウンターに走って行った。
「アイスアメリカーノを2杯ください」
「お持ちですか?」
「いいえ、ここで飲んで…」
「先生」
聞き慣れた声に振り向いたらスンジェだった。 10分早く到着した彼は、夏のコーヒーまで注文していた。
「冬よ、一杯だけ頼むよ」
夏とスンジェを交互に見ていた冬は、すぐに小さくうなずいた。 スンジェは、「どうしてこんなに早く来たのか」という言葉を投げながら近づいてきた。
まだ心の準備もしないままスンジェと向き合うようになったヨルムは、どんな表情をすればいいのか分からず、バカのように瞬きばかりした。
コーヒーが出てくる間、長い沈黙が続いた。 その間、静かに夏を眺めていたスンジェも何かに気づいたようだった。 彼は努めて笑顔で夏を淡々と歌った。
「夏よ」
「先生」
二人の言葉が重なった。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
【花言葉】
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
【異世界短編】単発ネタ殴り書き随時掲載。
◻︎お付きくんは反社ボスから逃げ出したい!:お馬鹿主人公くんと傲慢ボス
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
キミがいる
hosimure
BL
ボクは学校でイジメを受けていた。
何が原因でイジメられていたかなんて分からない。
けれどずっと続いているイジメ。
だけどボクには親友の彼がいた。
明るく、優しい彼がいたからこそ、ボクは学校へ行けた。
彼のことを心から信じていたけれど…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる