勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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魔王軍に遭遇した後

13.王都へと帰還後

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 あれかれ2日程で王都へと戻った。急ぎにもあるが、彼女を連れて帰るのも一苦労した。歩くことも出来ないほど、精神は追い込まれてたと思われる。
 途中で馬車に乗せてくれなければ、何日掛かったか分かったもんじゃない。

「なるほどね・・・、それで連れて帰ってきたのね」
「あぁ、何日か置いてくれないか?」

 今でも既に夜となっており、夜空には星が見えていたが、光があるために綺麗には見えなかった。

「まぁ、今回は仕方ないね。一時的にこちらでも預かったりはしてるし、何日かは置いても問題はないわ」
「そうしてくれるとこちらもありがたい」

 彼女は置いていたコップの水を一口飲んだ。その後に椅子へと座らせている連れて帰った彼女へと目線を向けた。

「名前は聞いたのかしら?」
「すまんな。終わった後からあの調子で名前さえ聞けてない。」

 彼女は最初からだんまりしていた。戦闘中に魔法唱えたのと、終わった後に彼女の元へと向かった時に『――私を連れてって』の一言だけだ。
 あんな事態にあったんだ。彼女の精神は追い込まれ、そして今は迷走している感じだろう。昔の俺を見てるみたいだ。

「さて、今日は付かれたと思うし、ゆっくりと休みなさい。一応来客用のベットあるから、彼女にはそっちに連れて行って」
「それって分かりやすい場所か?」
「すぐに分かるわ」

 彼女は隣の部屋のドアへと指を指した。以前、寝室として入った扉だ。2階へと続く階段とキッチンとリビングなどがある。
 寝室は2階にあるため、俺は彼女の腕を肩に乗せながら、扉の方へと向かった。

 1人残ったリーネは、テーブルに置いていた鈴を鳴らした。その音は部屋全体へと広がり、そして静寂が返ってくる。

「聞こえてるかしら?」

 その後に彼女は喋りだした。誰もいない空間にただその声が響く。

『――聞こえとるぞ。こんなタイミングで我を呼ぶなんて急用かの?』

 何処と無く部屋だけに少女の声が聞こえてくる。ロウソクの火が彼女を照らしている。

「少し頼み事をしたいと思ってね」
『頼み事じゃと?我に頼むなんて、何か大事な案件なのじゃな』
「いいえ、1人の青年の修行と1人の少女の状況の改善って所かしら」
『ややこしい案件じゃの』

 声は室内に響くよりは、鈴から聞こえてくる。彼女の持っている鈴は通信魔法が掛けられている。彼女が話せば、その声は鈴を通して聞こえてくる。逆にリーネ自身が喋っても同様だ。
 鈴から聞こえてくる彼女は、何かを考えていた。引き出しを開ける音や何かを数えだし、それが終わると、喋りだした。

『必要な物は一応あった。それなら、こちも準備はしておくぞよ。いつでも向かわせるといい』
「分かったわ。準備次第、こちらも2人を向かわせるわ」

 喋り終わったと同時に鈴を振った。鈴の音が室内に響いた後、少女の声は聞こえなくなった。
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