勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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地下迷宮

131.凶暴な植物魔物『フラワーヴァイオレントアクト』

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 二足歩行となった植物の魔物は、こちらへと向く。すると目玉からレーザーを発射してくる。
 とっさに俺らは避け、囲むように回り込む。目玉は2つ、先よりも弱体化してると思うが、油断はならない。あのレーザーも先程のコアから発射された『フィニッシュシュート』だ。
 俺が後ろからチェーンで斬りに掛かるが、大きい巨体なのに上空高くジャンプした。それをベラニアが追尾魔法で攻撃するが、口からいきなり青い炎を出し、追尾魔法を破壊する。

「ギャアアア!!」

 先よりも動きやすいってわけか。それに植物なのに炎の魔法も使用するのか。ある意味のボスモンスター的な存在だな。
 行動しようとした時、ポケットから遺跡で見つけたアイテムが落ちる。トルゥとスレイラが注意を引きつけている間に落ちたアイテムを拾い上げる。

「あれ、これ使えるんじゃないかな……」

 アイテム名は『サイエンスビション』だ。この遺跡探索中に拾ったアイテムだが、どうも分からないアイテムだったが、今日の朝でこのアイテムが魔物の情報を知れるアイテムだと分かった。
 これをあの植物の隙をついて当てれば情報として頭に入ってくるかもしれない。
 似たようなアイテムで『情報透視玉』というペイント弾があるが、当てればある程度の情報を頭の中に入ってくる道具だ。
 何回も当てないといけないが、このアイテムの場合、一回で十分だろう。

「気をつけてください。足元から目玉が現れました」

 トルゥの言葉に足下を見ると、目玉が表れて『フィニッシュシュート』を撃っていた。こちらにも飛んできたが、まだ効果の続いてた『スクロールフィールド』のおかげで攻撃は受け流す事は出来た。

「そいつの動きを止めろ。俺がここで入手したサイエンスビジョンをこいつに叩き込む」

 するとベラニアが魔物の足下を泥へと変えて、足をはめる。その隙にトルゥが光の刃とともに攻撃を仕掛ける。スレイラも後ろからダーククローへとなった右手でお腹辺りを突き刺す。
 3人が足止めをしている間に魔物の体へとサインスビジョンを投げ当てる。当たった時、体へと吸収される。
 すると頭へこの魔物の名や属性、生態や弱点属性など色々と入ってくる。

「名は『フラワーヴァイオレントアクト』で、弱点が水?」
「みたいですね。炎なども使えるのは火山地帯でマグマの栄養素で育つ植物の仲間のいっしゅですね」

 あれ、あのアイテムって周辺にいる仲間にも情報として入るのか。先程から炎の攻撃もしてもダメージが入ってる感じがしなかったのは炎の耐性があったから。
 ベラニアは水系統の魔法を唱え始める。トルゥもアクアソードへと魔法を唱え直し、アクトへと攻撃を仕掛ける。
 俺もツインソードに水魔法の『ハイアクアショット』で狙う。動き回るが、一度動き止まると連続で命中する。

「てらああ」
「追尾魔法『アクアブルーポイント』」
「クローアクアライジン」

 全員が何かの魔法や攻撃技で攻める。俺もチェーンの表面に水の層を作る。それをアクトへと攻撃を仕掛ける。
避けられたとしても足に絡み、そのまま地面へと叩き落とす。
 落ちた時、ベラニアの追尾魔法がアクトへと降り注ぎ、スレイラがジャンプして右手のクローで叩き込む。スレイラが後ろへと下がった後、立ち上がろうとした時にトルゥが後ろから突き刺し、足に魔力と水の層を貯めて一気にこちらへと蹴る。
 飛んできたところで俺はツインからカタナへと変化させ、斬る。

「戦乱無双」

 無数に斬り込みをし、更にはチェーンを体へと巻いた後に壁へと蹴り飛ばす。ヒビが入る程の衝撃とともに爆発した。
 いくら再生能力があるといってもこの攻撃をもろに当たれば再生どころじゃない。これで決着はついたであろう。

「ウギャ……ギャ……」

 それでものろのろと歩いている。最初に見た時の姿とは形さえなかった。人へと変わっていった。

「まだあれでやれるとかじゃないよな」

 人の姿となったアクトはこちらへと向き、喋り出す。

「コ……レ……ガ……ヒ……ト……」

 学習機能でもあるのか、それとも単なる進化であの姿になったのかは分からない。
 だけど、あの姿を見ているとまだやって来そうな感じがしていた。
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