勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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休息と影で動く存在

154.観測者

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 黒龍の死体がある部屋へと戻った時、黒龍に変化があった。黒龍の死体は小さい粒子となり、黒龍が登場した空間へと吸い込まれていく。

「死体まで回収するっていうのか」
「えぇ、まだ試作と言ってもいい魔物だかねえ」
「!!」

 黒龍の後ろから一人の女性が現れる。黒い服装に黒い傘を差していた。あんな格好でここに来られるものなのか。それにしてもこういうのを見て何故驚いてないんだ。

「そんな顔をしないでください。少しあなたにはここに眠ってもらうだけですから」

 すると空中に黒い球体を作り出し、俺へと飛ばしてくる。突如として短剣や針を作り出し、それで撃ち落とす。
 煙で視界は見えないが、見えてくる頃には女性は更に追加で作り上げこちらへと向けて飛ばしてくる。無限に飛ばしてきそうだよなあれって。
 それを左へと転がるように避ける。すぐさまに短剣を生成、飛んで来る球体へと抜けて投げる。そして見事命中し、爆発した。
 どうやら、球体そのものが爆破物みたいだ。1本の短剣がそれを通りすぎ、彼女へと飛んでいく。だが周りに漂っていた球体が彼女を守るように前へと出て、短剣へと当たった。

「この攻撃じゃ防がれるだけか」
「どっちにしても、あなたには私は倒せない」

 女性は空中へと上がり、更に球体を増やしていく。

「・・・デットエンド・・・」

 彼女は喋り出した時、球体は輝き何かに共鳴するかのようにバリバリと音を鳴らす。そして彼女が最後の言葉を発する。
 これは何かの技、球体があそこまで反応するわけがない。何かしてくるぞこれは!

「・・・パラドクス!」

 球体からは勢い良くエネルギー砲が飛んで来る。避ける程の時間はなく、無数のエネルギー砲から身動きせずに地面へと当たり、激しい爆発と煙を作っていく。
 普通に球体飛ばすよりも威力高そうだなこれ。恐ろしいのはかなりの速さで狙いへと攻撃してくることだ。それに魔力を使用した感じも一切しない。あの球体さえも魔力で作られたものではないのだ。
 この世界の文明じゃない可能性もありえるな。

「被験体にしてはいい動きしてるわね・・・」
「なぜその言葉を・・・」

 あの文の内容をなぜこいつは知っているんだ。それに彼女は何者なんだ。
 更に追加してきて、俺に逃げる道を与えずに地面に幾度と無く当ててくる。まるで遊んでいるようにしか見えない。わざと外しているように見える。
 ならあれを使ってみるか。先程の聖剣を生成し、横へと思いっきり振る。聖剣の力は破壊しれず、空気圧の斬撃が球体を次々と破壊していく。

「・・・それは・・・」

 彼女はこの武器の存在を知っているのか、驚いていた。その隙に空中へと上がり、飛んで来る球体を破壊しながら彼女の目の前へと接近する。

「コード『ラストクロノブレード』、コードはあなたを認めたっていうのね」

 彼女の目の前まで接近した後、聖剣で彼女を斬る。だが、幻影だったのか、斬った後は煙のように消えていった。

「観測者・・・、今はそう名乗っておきましょう。もうこの世界では会うことはないですが、いずれ合う宿命かもしれませんね」

 気付いたら黒龍の残骸はなく、粒子として空間に移動を完了させていた。彼女の目的はその黒龍のデータの確保ってところだろう。
 そして彼女は空間の前に立ち、こちらへと振り向く。

「ご機嫌よう。またどこか出会えるといいでしょ」

 空間の中へと入っていき、空間は消滅した。元から俺の相手をする必要は無かったってことか。それにまだ本気で相手にもされてない。
 もし仮に彼女が本気で襲ってきたら間違いなく負けてたかもしれない。
 俺は武器を消滅させた後、一目散にその場を離れた 
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